「制作能力はめっちゃ高いスタジオコロラド」好きでも嫌いなあまのじゃく 894mtoさんの映画レビュー(感想・評価)
制作能力はめっちゃ高いスタジオコロラド
何というか、いいアニメーション映画の要件の「半分」はほとんど満点だと思うんですよ。
雨を告げる漂流団地も、そうでした。
とにかく映像で楽しませてくれますし、演出、基本設定、大まかな展開は良い出来としか言いようがありません。
(過去の名作へのオマージュには目を瞑るとして)
ただ、物語構築と脚本、キャラクターの作り込みが、制作のクオリティと比べると酷く落ちるんです。
物凄く優しい目で全体を受け入れてあげれば、ああなるほど、テーマもいいよね、なんですが、映像や演出、展開で決め打ちしたポイントを超強引に接続していくので、大人や説得力を求める児童が見てしまうと、「惜しい」とか「は?」とか「ありえな過ぎて冷めるんだけど」って評価にしかならないと思います。
物語構築や脚本の質を高めて、映像や企画側のやりたいことと対等なレベルで調整しないと、制作の上手いスタジオってだけで終わってしまうのでは。
今回は、物凄く厳しい言い方をすると、出資側リードなのか企画側リードなのかわかりませんが、「山形で新しい千と千尋をやりたい」ってのがあまりにも見え見え過ぎます。余程の要望があったのか、地域の予算が入っているのか...
でもね、それじゃCMになってっちゃうから、出資側なのか企画側なのかわかりませんが、もっと創作レベルが高まるようにしないと投資の効果がないと思います。
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