「タイトルの意味はよく分からんが、唐突な恋愛要素はかなり微妙」好きでも嫌いなあまのじゃく Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルの意味はよく分からんが、唐突な恋愛要素はかなり微妙
2024.5.29 T・JOY京都
2024年の日本映画(112分、G)
母を探す女の子の鬼と出会った少年を描く青春アドベンチャー映画
監督は柴山智隆
脚本は柿原優子&柴山智隆
物語の舞台は、山形県米沢市
高校生の柊(小野賢章)は人に嫌われるのを恐れて、頼み事を断れない性格をしていた
クラスメイトから色々と押し付けられて耐えていき、抑圧的な父(田中美央)から色々と勝手に決められても、言い返さず終いだった
ある日、バス停にてお金が困って乗れなくなっていた少女・ツムギ(富田美憂)を見つけた柊は、彼女を助けようと声をかけた
そのことがきっかけで、ツムギと交流を持つことになったが、彼女は母親を探す旅に出ているという
一旦、自宅に彼女を招き、母探しの計画を立てようということになったが、その日も父親は高圧的で、柊は心の中にわだかまりを抱えてしまう
すると、彼の体から泡のようなものが大量に出て、それを察知した白い竜のようなものが柊の前に現れた
ツムギはその竜が「小鬼と呼ばれる人の負の感情を食べる生き物」だと知っていて、それに取り込まれたら鬼になってしまうというのである
物語は、ツムギは郷から来た鬼であることが分かり、彼女の母親探しに付き合うことになる柊を描いていくが、それは家出同様のものだった
一夜明けても戻らず、父は柊が行きそうなところを探しに出かける
一方その頃、柊とツムギはヒッチハイクなどを利用して、母がいるとされる日枝神社へと向かっていた
映画は、いわゆるロードムービーとして、色んな人と出会い助けてもらう過程を描き、その中でツムギを探していた彼女の父いずる(三上哲)とも出会う過程を描いていく
鬼の郷で何かが起こっていて、その為に母しおん(日高のり子)が犠牲になっていた
ツムギはそれを知らされていなかったが、事の真相を知ったツムギが母に再会する、という流れになっていた
パンフレットが制作されておらず、詳細な設定などはわからない
声優の情報は色んなサイトに載っているが、誰が誰だかわからないキャラも多い
劇中で名前を呼ばれないキャラが多く、人間界の柊の友人関連、鬼の郷の御前(京田尚子)以外のキャラも誰が誰だかわからない
加えて、ロードムービーで出会う人々は公式HPに載っているが、カフェ店長(佐々木省三)の娘も名前が分からなかったりする
ググっても公式HP以上の情報はないので、声で声優を識別できる絶対聴力のあるマニアのブログをググるしかないだろう
いずれにせよ、最後に唐突に恋愛要素が入ってくる内容で、この要素を最初から入れるなら、旅の起点として「ツムギが柊のタイプ」とかの方が良かったと思う
頼み事を断れないと言っても、その後に続く関係の不和を恐れているので、ツムギの願い事に関わるのとは質が違う
ツンデレタイプのヒロインに引き摺り回される主人公像としては、物語の導入が弱いので、この辺りをスムーズにして、旅先ごとにツムギへの想いが膨らんでいくという構成にした方がラストが活きたのではないだろうか