劇場公開日 2024年6月15日

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「会ったこともない人々の死を悼む」骨を掘る男 アベちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5会ったこともない人々の死を悼む

2025年2月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

平和記念公園にある「平和の礎」は6月23日の慰霊の日のニュース映像で認識していた。
その「平和の礎」に刻まれた戦没者総数は今、24万人を超え、沖縄県人が14万9千人、県外日本人が7万7千人、米国人が1万4千人、韓国、北朝鮮、台湾、イギリスの戦没者もいる。
そして、分け隔てなく沖縄戦で命を落とした人々を名前を読み上げる「集い」では、さまざまな人々が関わり「会ったこともない人の死を悼む」ことが行われていた。
具志堅隆松さんがこの映画でを撮られていた時で65歳(今の私と同い年)。28歳の頃から遺骨収集をしていたとのことだが、これまで400柱もの遺骨を探しだしたとは驚愕である。
さらに、いまだ3000柱が見つかってないと言う。
にも関わらず、採掘業者はその土砂を辺野古の埋め立てに使うと言う。具志堅さんは死者への尊厳を守る為に闘う。闘いの結果は残念なことになるが、それでも具志堅さんは掘り続ける。

「戦没者に対する最大の慰霊は二度と戦争を起こさせないことだと思っています」と具志堅さんは言っていた。
沖縄戦だけでなく二度の原爆投下をうけた日本は二度と戦争は起こさない(と祈る)だろうが、世界は戦争を繰り返す。パリのオリンピック開催中も停戦にもならない。
今の現実を受け止めつつ、この映画も多くの人に観てもらいたい。

アベちゃん