行きがけの空

劇場公開日:2025年8月1日

解説・あらすじ

北海道・小樽を舞台に、母を亡くした少女の成長を描いた人間ドラマ。

東京で俳優として活動する望月建斗のもとに、一通の手紙が届く。差出人は小樽に暮らす星野美歩という覚えのない高校生からだった。ダンサーになる夢を抱きながらも、母を亡くして以来、アルバイトに追われる日々を送っていた美歩は、母・深雪の遺品から一台の古い携帯電話を見つける。その中に若き日の深雪と建斗の写真を見つけた美歩は、自らのルーツを知りたいという一心で、建斗に手紙を送ったのだった。「もしかしたら自分が彼女の父親かもしれない」と考えた建斗は、小樽を訪れ、美歩とともに深雪の過去について語り合う。過去の断片を少しずつつなぎ合わせながら互いの喪失と向き合っていく中で、次第に2人の間には「家族」という言葉では語れない絆が生まれていく。

三浦貴大が主人公の建斗役、「ミッドナイトスワン」の服部樹咲が美歩役を演じるほか、建斗の妻・涼子役で菜葉菜が出演。監督はNHKを経て、映画やテレビドラマの演出に携わる西谷真一。

2025年製作/100分/G/日本
配給:T-artist、アークエンタテインメント
劇場公開日:2025年8月1日

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(C)2025「行きがけの空」フイルムパートナーズ

映画レビュー

4.5小樽と踊る女の子

2025年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

幸せ

ドキドキ

Otaru and a dancing girl. あるいは A girl dancing with Otaru.

岩井俊二や村上春樹の作品群に通じる設定や要素に満ちている。かつての恋人、その娘、手紙、小樽とくれば岩井監督の「Love Letter」とその“アンサー映画”である「ラストレター」を思い出す。優しくも憂える男性主人公、北海道、素敵な女の子といえば村上春樹の「羊をめぐる冒険」「ダンス・ダンス・ダンス」、そしてアニメ映画「めくらやなぎと眠る女」とオムニバスドラマ「地震のあとで」でそれぞれ映像化された「UFOが釧路に降りる」。単に要素が共通するだけでなく、抒情性やメランコリックなテイストも両クリエイターを想起させる。

まず、三浦貴大の演技がしみじみと良い。大きく表情を変えることなく、よく通る声のわずかな調子の変化や目の繊細な表現で、複雑な心の動きを伝えている。6月封切りでロングランヒット中の「国宝」での演技が絶賛され、この「行きがけの空」のあとにもう1本の主演作「やがて海になる」が10月に控えるなど、三浦にとって2025年は再評価と飛躍の年になりそうだ。

美歩役・服部樹咲は長編映画初主演作「BISHU 世界でいちばん優しい服」のよい印象が残っていたが、同作以上に持ち味と魅力を出せていたように思う。幼少時からクラシックバレエを習い大会での入賞も多数あったようで、本作ではコンテンポラリーのダンサーを夢見る高校生として説得力のあるパフォーマンスを披露。序盤では港湾を一望できる倉庫の屋上で、また終盤では(物語上は横浜の設定ではあるが)レンタルスペース(撮影場所は小樽市東部にあるアートヒルズ望海)の壁一面の窓から見える小樽湾の前で、優美かつダイナミックな踊りで魅了する。

個人的な好みではあるが、素敵な女の子がダンス系の本格的なパフォーマンスを披露し、映画内の世界からさらに別のステージへと観客を誘ってくれる作品が大好きだ。特に印象に残っているのは、岩井監督作なら「花とアリス」の蒼井優(バレエ)、「鈴木家の嘘」の木竜麻生(新体操)、「ぼくのお日さま」の中西希亜良(フィギュアスケート)など。これらの中にお気に入りがあれば、「行きがけの空」も好きになる可能性大だろう。

最後に、小樽のロケ地がらみの余談を。2023年10月に法事で北海道に行き、半日ほど空いたので小樽と余市を駆け足で観光した。そんなわけで、本作を観始めて小樽駅前や運河、倉庫のあたりを歩いたなとか、美歩が早朝バイトをしている三角市場で行列待ちして海鮮丼食べたなあなどと懐かしんでいたが、旧手宮線の線路の(三浦貴大と葉月役・神村美月が話す)シーンで、そういえばここを通りかかったときちょうど大人数のロケ隊が準備していた、と思い出した。もしやこのシーンの撮影か、だとしたらちょっとした縁だなどとわくわくしながら鑑賞後にネット検索したところ、「行きがけの空」の小樽ロケは2022年11月で残念ながら1年ほどずれていた。さらに調べると、私が遭遇したのはNetflixドラマ「さよならのつづき」(有村架純・坂口健太郎主演、2024年11月配信開始)のロケ隊だったようだ。こちらは未見だが、やはり小樽のあちこちで撮影したようなので、小樽や北海道のファンはよかったらチェックしてみて。

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高森 郁哉

4.0おそらくはかなり低予算の映画。でも心に響くものはありました

2025年8月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

14日で上映終了の案内に慌てて行ったら、21日までに延びてたw(良いことです)
観たいと思っていた理由は予告編のコンテンポラリーダンスのシーン(「キリエのうた」の海辺のダンスシーンを想起)、「国宝」や「愛にイナヅマ」でも演技が光った三浦貴大さん主演、そして「ポスター撮影・題字:藤原新也」のパワーワード、という3つの要素から。

観て正解だった。
何を表現しているのかしっかりとはわからないけど、心に残る踊り。主演の2人にとって大きな出来事が起きているにもかかわらず、淡々と進む物語。不自然さや都合の良さを感じさせない筋立て(小樽の街紹介のためかロケーションがやたら変わるのはご愛嬌)。メインの2人とおそらく観ている人の多くがそうあってほしいと願う結果は得られなくても、希望の灯は確かに点って幕引き。家族、夫婦、過去の恋人、人と人の縁といった人間関係を説明しすぎずに少し乾いているくらいの冷静さで描いていたと思う。
上映館数も回数ももっとあっていい映画だと思うんだけど、武蔵野館でも公開週から午前の1回だけってのは厳しいね。(観た日はサービスデーだったからか、前段は満席に近いくらい入っていましたが…)

あ、一点だけ。推薦受験させられるくらい影響力がある人がすぐ近くで一緒に見て、いの一番に拍手しちゃったら、審査員も拍手しなくちゃ…な感じになるだろうし、合格しちゃうよねーって、そこだけは、不自然だったかなー。ただ、小樽の屋上での踊りも、このテストでの踊りも本当に良かったと思います。

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たずー

1.5準主役の服部樹咲さんに注目している

2025年8月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

準主役の服部樹咲さんに注目しているので観たのだけれど、物語としてはそれほど面白いとは思えなかったかな。

小樽が舞台です。
この猛暑に、秋から冬の小樽のお話しを観ても、何だかピンとは来ない感じでした。

主役の三浦貴大さんは、この映画ではそれほどパッとしなかったと思いました。

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ねこたま

3.5どこに向かう途中なのか

2025年8月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

ドキドキ

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うすたら