「愛に溢れた実の世界」八犬伝 けいさんの映画レビュー(感想・評価)
愛に溢れた実の世界
思いのほか良かった…。
作者の創作中の様子と、八犬伝の物語が交互になっていた。
なので、八犬伝の物語が途中で途切れるんだけど、どちらの物語にもちゃんと引き込まれる。
丁寧に丁寧に創られている感じがした。
奥さんの、お百があっけない感じがして、そこだけがちょっと気になった。
お百は、口うるさくて毒舌で、ひどい奥さんなんだけど、馬琴に関心がない訳ではなくて、嫉妬までしている。
馬琴はしんどかったろうな…と思う反面、お百のそれは愛情の裏返しにも思えた。
それとは対照的なお岩の夫。
その2つも裏返しで、逆さまに見えた。
義理の娘のお路も健気に馬琴を応援してくれるし、息子も馬琴思い。
北斎も足しげくやって来る。
馬琴の日常は愛に溢れているなぁと思った。
そして、最後は何だか涙が出てきた。
演者も物語も良かった。
映画館まで観に行って良かった。
コメントする