「『銀河鉄道の父』に続いて「息子を看取る父」を演じる役所広司。北斎役...」八犬伝 sugsyuさんの映画レビュー(感想・評価)
『銀河鉄道の父』に続いて「息子を看取る父」を演じる役所広司。北斎役...
『銀河鉄道の父』に続いて「息子を看取る父」を演じる役所広司。北斎役の内野聖陽との掛け合いも面白く、あまりの名演に波乱万丈の伝奇アクションたっぷりの「八犬伝」パートが霞んでしまうほど。作中の妖怪変化より、芝居小屋奈落で出会う鶴屋南北(演:立川談春)の怪人ぶりの方が恐ろしかったり、とここまでリアリティラインに差があるなら、劇中劇はいっそアニメの方が良かったのでは、とさえ思う。作品の「顔」たるべき八房がアレでは、だいぶ掴みで損をしている感あり。「八犬伝」完結のキーパーソンであるお路とのエピソードには、もうちょっと「良く出来た嫁」を越える描写が欲しかった、とも。虚と実の創作論、親子と家族の問題に、劇中劇の伝奇と盛り込み過ぎて取りこぼす部分も少なくなかったが、保守的になりがちな時代劇でここまで野心的な取り組みをしてくれたこと自体が素晴らしい。
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