「一粒で二味楽しめる」八犬伝 しじみさんの映画レビュー(感想・評価)
一粒で二味楽しめる
役所広司は、終始、凄いなあ〜うまいな〜と引き込まれた。
歌舞伎のシーンも興味深かったし、奈落の底での南北と対峙したシーンも滝沢馬琴の信念が強調されて理解も深まった。
虚の部分が物足りないとのレビューもあったが、ファンタジーの世界と思えば、芝居掛かった言い回しも気にならない、と言うか楽しめた。クスッと笑ってしまった場面もあった。また、全体のアクセントになっていたと思う。
滝沢馬琴の生涯を初めて知り、息子・奥さん・息子のお嫁さんとの関わりがよく描かれていた。奥さんのお百が、お路が馬琴の物語を聴写している所に這ってきて「ちくしょう」と言った時、もっと馬琴と関わりたかったのだなと切なくなった。
一つの映画で二つ楽しめて満足。
山田風太郎の原作を読もうと思った。
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