「切なくも素敵な物語」八犬伝 ゆうきさんの映画レビュー(感想・評価)
切なくも素敵な物語
いつも前情報を見ずに鑑賞するので、見てみると思っていたのと違いましたけど、とても面白かったです。スケールが大きかった分、シーンごとの雑さがあったり、展開が強引だったり突っ込みたいところは多々あるけれど、それらをひっくるめて評価できました。こんな風に実世界との葛藤に苦しみながら生まれた創作の世界はどれほど大切なものか。痛いほど伝わってきました。
8人の剣士たちも上手かったし、アクションも見ごたえがありました。本当は八犬伝の世界観だけを壮大に描いているものを期待していたので、最初の方は葛飾北斎が出てくるたびにテンションが下がっていましたけど、ラストは切なくて、あたたかかったです。なるほどなぁ、虚と実の結びつきはそりゃあ簡単な事じゃないけど、あり得ない夢というエンタメの世界に生きる力を見出している人はいっぱいいます。私もそうだけど。しょせん創作だという揶揄する人は多くいるだろうけど、立派な道義だと私は思うのですよね。八犬伝ファンには色々と物足りなさはあるかもしれないけれど、物語としては満足いく作品となっていました。ぜひ♪
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