劇場公開日 2024年10月25日

「辻褄合わせの毎日です」八犬伝 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0辻褄合わせの毎日です

2024年10月28日
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 虚の先に実があり、実の裡に虚が潜む。辻褄合わせの日々が続きますね。健全な精神は、健全な肉体に宿ると云う言葉がありますが、あれ、本当は、健全な精神は、健全な肉体に宿らないから、こんな不健全な世界になるんだよねって云う、皮肉のつもりで使われたそうです。真逆の意味で使われるのも、ある意味、皮肉ですが…。
 現実に苦労した方だけが、たどり着ける境地から見える世界は、どんなものなのかな。
 この映画の八犬士、私には、キン肉マンとその仲間たちに見えます。つまり、馬琴先生の思いは刻を超えて、今にも受け継がれているわけです。
 最近のネットの読み物は、意地の悪いママ友や姑が、悪事がバレて行き場を失うような話で溢れています。花咲爺さんや、シンデレラの現代版です。みんな、馬琴先生と同じなんです。しんどい現実を、少しでも良くしたい。だから、正しく生きたい。誇りある生き方をしたい。ヒーローに喝采を贈りたい。ヒールに鉄槌を下したい。その思いが、強くなり過ぎると、ジョーカーになりますが、馬琴イズムは、きっとDNAレベルで、私達に受け継がれているような気がします。
 ところで外国の学校は、世知辛い世界を、如何に生き抜くか、如何に出し抜くかについて、教えているそうです。その最たる申し子が、どこかの合衆国の大統領になろうとしています。みんなで頑張ろう、みんなで助け合おうと云う精神は、建前はあっても、実際は希薄だそうです。このクニも、徐々にそうなるようですが、改めてこの映画観て、私達が大切にしてきたものが何だったのか、御考慮願います。

機動戦士・チャングム