「滝沢馬琴と葛飾北斎に鶴屋南北」八犬伝 カツラギさんの映画レビュー(感想・評価)
滝沢馬琴と葛飾北斎に鶴屋南北
南総里見八犬伝が物語パート(虚の世界)とその物語を描く執筆パート(実の世界)が交錯して進んでいく。
滝沢馬琴がどのようにして書いたか、どのような想いで書いたのか、そして作品のあらすじを口頭で聞かせてもらい贅沢な読者だけど挿し絵では馬琴の創作意欲を持続させる葛飾北斎。
北斎は絵を描くのに現地へ行ってみる主義なのに馬琴は今現在でないからと言い頭の中で想像した房総地区を舞台として物語を描くと言う。
そして北斎のツテで観た歌舞伎の奈落で会って意見を交わし合う鶴屋南北。
八犬伝の創作を見てとれる。
年齢からか目が失明しても亡き子供の嫁のお路の3年に及ぶ代執筆が完成させる下りは涙を誘う。ありがとうお路さんと言いたい。
物語パートではダイジェストで贅沢に八犬伝を堪能出来た(1作品でないのがもったいない制作費と役者たち)。ぜひ、新しい八犬伝を制作してもらいたい感想が湧いた。
最後は木下グループの映画だなぁと思ったのが、パトラッシュがネロを天国に導いていった如く、八犬士が馬琴を皆で支えて天界へ導いていった演出。カドカワの映画と違い、木下グループらしくホッコリした。
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