「長いけど飽きはしない」八犬伝 しおんさんの映画レビュー(感想・評価)
長いけど飽きはしない
エンターテインメントとしては面白かったと思います
実パートは本当に良かった
役所さんと内野さんの掛け合いがいい
鶴屋南北との会話も良かった
虚と実の考え方の違いに二人が熱くなって、でも大人だからちゃんと謝る
八犬伝パートは、あくまで虚を脳内再生という感じなので、あれでよかったと思います
それなりに楽しめました
最後城の前で八犬士が揃うところはグッときました
でも……
八房、あんなに変だとは……
本当に作り物だった
影だけでもよかったんじゃないかな
村雨の水がでるところが微妙
ビチャビチャって感じで名刀に見えない
「玉梓が怨霊」の本性の表現は微妙
まず煙にする必要がない
そう怨霊じゃなくてただの煙
そこに禍々しさが感じられない
目や口いらないし、煙ならもっと赤くして怖さが欲しかった(首切られた時は赤かった)
なんなら船虫みたいにヒトガタのままでよかった
船虫のお歯黒は良かった
玉を呼ぶ順番が「仁義礼智忠信孝悌」だったところはエモい
これがエモいと思うのは55歳以上65歳以下かな(人形劇世代)
実の世界
お百目線で見ると
「私の人生っていったい……」と思ったのかも
今際の際の言葉の
「ちくしょう」が耳に残っている
北斎や息子や嫁のポジションに自分も入りたかった
一緒に物語について話をしたかった
おしどり夫婦になりたかった
素直じゃないからそれも言えなくて
結婚して思っていたのと違う人生で
息子を失ってからは本当に寂しくて寂しくて仕方がなかったんだろう
馬琴の頭の中は物語と侍再興しかなくてお百への愛情を感じられない
(家を変わったのも息子のため孫のため)
馬琴は旦那としては最低
今なら離婚案件(笑)