「「八犬伝」完成秘話」八犬伝 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
「八犬伝」完成秘話
50代の滝沢馬琴と絵師の葛飾北斎。
「八犬伝」のあらすじを北斎に語り、北斎は挿絵を馬琴の背中で
すらすらと書く。
そしてそれを握りつぶして破り捨てる。
そんな戯言に興じながら「八犬伝」は延々と書き続けられた。
馬琴の役所広司。
北斎は内野聖陽。
どちらも燻銀の巧さである。
味のある2人の語りが、「虚」である「八犬伝」の実写映像へと
瞬時に入れ替わるのだ。
なかなか凝った面白い趣向である。
重鎮スター2人、若手スターの八剣士、歌舞伎役者、
美女4人のラインナップ。
小さい時から「人形劇」の原作を楽しんだ世代向き、
なのかもしれない。
通好み、一見さんお断り。
これなら下見に観た1983年の「里見八犬伝」の方が、
素人には分かり易い。
キラ星のように輝く当時の時代劇スター。
今より進んでないカメラ技術なのに、
1983年の方が大作に見えるのはなぜ‼️
こっちには馬も出てこないし、玉梓だって栗山千明より夏木マリの方が
数倍妖艶(入浴シーンの美乳とかあった。)
姫と剣士(犬士)の、ラブシーンとかもない。
(若くて美しい薬師丸ひろ子と真田裕之が惚れあうんだよ)
いったい何処を愛でればいいのさ、この私。
土屋太鳳は早々殺される、
河合優美は崖から落とされるし、
八剣士(犬士)も美形を揃えたんだろうけど、
水上恒司でなくても、渡辺圭佑でも誰でもいい感じでしたし、
大好きな役所広司さんと内野聖陽さんも、
すっごい燻銀で素敵なんですけど、
茶飲み話のお部屋シーンばかりで、
見せ場がなかったですね。
それと、
年寄りすぎて、華がなかったですね。
「八犬伝」より挿入された「四谷怪談」と、
(鶴屋南北役の立川談春の狡猾さが印象に残るって、
(なんか本末転倒ですよねー)
それでも、馬琴が失明して、嫁のお路(黒木華)が、
漢字もろくに書けないのに、志願して口述筆記するくだり、
ここはやはり胸を打ちます。
こうして滝沢馬琴の「八犬伝」は1842(天保13年)に、28年の
年月を費やして完成したのです。
映画も真面目な労作でした。
琥珀糖さん、コメントありがとうございます。
原作は小説なので文章ならではの面白さがあります。その筋を単純に追って映像化するのなら、小説より面白くはならないですよね。
原作の〝虚の世界〟〝実の世界〟という構成を映像化したかったのかもしれませんが、無理があったのかなと思いました。
映画は尺が限られているし、文章で説明するようにはいかないので、ポイントを絞る必要があると思うのですが、絞りきれずにボヤけてしまってる映画が最近多いような気がしています。
こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですね、勧善懲悪なら、お天道様が見ているみたいな、何かストーリーの柱が欲しかったですね。VFXは素晴らしいんですが…、映像はいいんですが…という、よくある結果におちいっていると思います。
また、チョボチョボ、レビューしますので、よろしくお願いします。
コメントありがとうございます☺
むか〜し聖陽様大好きでした。
臨場良かったですよ
何食べた?は漫画も読みましたけど、
八犬伝も役所広司さんとの怪しい関係を想像しましたよ
新作楽しみです
>1983年の里見八犬伝
ありましたね。見逃してるな。真田さん(広之)でしたっけ。いつか観なきゃ。
>小さい時から人形劇を見慣れた世代向けなのかも
そうかも。俺、まさにそれだから。そしてあらためて八犬伝の調子のよさを認識しました。俺は大好きだけど、「予定調和」「ご都合主義」のそしりを受ける可能性は大いにあるんでしょうね。
おはようございます。
私が映画を観る本数が増えた理由は、
1.子供達が親離れをした事
2.そんな年でもないのに近年、老眼が進み本を読むスピードが落ちた事(涙)
3.元々、トランプやイーロンマスクのようなショートスリーパーである事と配信の普及
でしょうか。私は琥珀糖さんの文章構成力が秀で、且つ映画の知識も豊富なレビューが好きでして。で、昨日”「ナラタージュ」のレビューガアリマセン!”などと、大変失礼なコメントをしてしまった次第です。お許しを。
”1983年の「里見八犬伝」”配信で流れていれば、観賞しようと思います。これからも宜しくお願いいたします。返信は良いですよ。では、又別作品で。
琥珀糖さん的には外れだったみたいですね。私は期待してなかったぶん意外と楽しめました。娯楽作品は体調とかタイミングにもよるんですよね。許せる部分があったりなかったり。
原作の力なんでしょうけど馬琴と南北の奈落の底での対話は見ごたえありました。あと役所さんと内野さんの掛け合いは見ていて楽しかったです。虚パートの登場人物が薄っぺらいのはちょっと残念でしたが。あと、馬琴の妻と息子の心理ももう少し掘り下げてほしかったですけどね。