「正義は必ず勝つ!」八犬伝 iccoさんの映画レビュー(感想・評価)
正義は必ず勝つ!
八犬伝がこんなにヒーロー物語なのは知らなかったよ。
内容をよく知らなくて姫を救出する話だと思ってたんだけど、ある意味そうだけど、ヒーロー達が力を合わせて悪い奴らをやっつける勧善懲悪のお話だったのね。
そしてこちらの作品は馬琴がなぜ八犬伝を書きたかったか、書かねばならなかったかの背景と、彼の書いた八犬伝の世界が交互に行ったり来たりするストーリーになっているのだけど。
一緒に年齢を重ねていく葛飾北斎と馬琴のやりとりが毎度面白くて北斎が出て来る度笑ってしまった。
悪い奴が権力を持っている世の中でも、正義を胸に生きる真のヒーローが必ずいる、そしてその人たちが悪を打ち破る正義が勝つ世界があるはず、という強い信念をもつ馬琴。
例えそれが虚構だったとしても、それを信じて生きていけばリアルになる、というのは現代を生きる私たちにもとても励みになるのではないだろうか。
歌舞伎の演目を通じて、馬琴の虚構世界(小説・舞台・絵など)はどうあるべきかの価値観がわかりやすく説明される場面がすごく面白かったな。
あの怪談、みてみたい。
どれくらい怖いんだろう!
キャストもよかった。
全員藤岡ファミリーかなと思うほど八犬士が美しかった!
まさに戦隊ヒーローばりのイケメンばかりで目がどっち向いても眼福すぎて忙しかったわ。登場の仕方がそれぞれカッコいいので好きなヒーローの登場の仕方を比較できるのも楽しい。栗山千明ちゃんの美しく妖しい鬼女っぷりも必見。
未だ悪はもちろん健在なわけだけど、そのどうにもならない悪な世の中をいつか救ってくれる正義の味方がどこかにきっといる!と思える、素敵なヒーロー物語でした。
今見ても面白い設定なのがすごいよね。
何度も二次作品が生まれ続けているのが納得です。
面白かったー!