劇場公開日 2024年7月12日

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「一人で居るのは孤独でもないし寂しくもない」ある一生 talismanさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0一人で居るのは孤独でもないし寂しくもない

2024年7月12日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

でも、大切な人と出会いその人を失ったら寂しさと孤独を感じるだろう。「愛するマリーへ」で始まる小さい文字で書かれた手紙は、40年後に雪の中から見つかるだろうか。

遠い親戚に預けられた時からアンドレアスの目の光は強かった。神へ祈りをささげながら小さいアンドレアスに暴力をふり続けてきた養父の背丈を超えた彼はもう恐れない。唯一彼を大切にしてくれたおばあちゃん(『バグダッド・カフェ』のゼーゲブレヒト!)の死と共に一人の生活を始めるアンドレアス。自分の頭を超えたら、が人生の転機になっていく。家庭菜園のセロリがもう自分の頭を超える程大きくなったんだよと、愛するマリーに話しかける彼は輝いていた。寡黙な彼がたくさん話すのはマリーとだけだった。マリーに綴る手紙に、年をとったから背中が丸まって自分の頭より高くなりそうだと書いたアンドレアスはマリーが居なくてもマリーと一緒に年をとる幸せな人生を送った。

山は雪や風で人間を痛めつけるが、時間によって変わる山の色や涼気は人間の気持ちをひきしめて饒舌を諫め黙々と歩き考える世界に導いてくれる。

talisman
Mさんのコメント
2024年8月29日

「自分の頭を超えたら」
そんな視点では、まったく考えてもいなかったので、
なるほどと思いながら読みました。
「マリーが居なくてもマリーと一緒に年を取る幸せな人生を送った」という見方は彼の人生を肯定的に見ていて、なんかよかったです。
私も彼の人生を否定的には見ていなかったのですが、何かそう考えた理由が見つかったような気がしました。

M
ファランドルさんのコメント
2024年7月19日

地味だけれど、いくつかの場面が記憶に残りそうな、いい映画でしたね。

ファランドル
シネマディクトさんのコメント
2024年7月14日

マリーだったんたぁ!なるほど!スッキリしました。

シネマディクト
シネマディクトさんのコメント
2024年7月14日

マリーへ手紙を書き続けるのが良かったですね。主人公のお棺が降ろされた時、隣りから溢れてきたのは、マリーへの手紙だったような気がしました。

シネマディクト