「意外とプロレス映画。」家出レスラー eiga_beginner.comさんの映画レビュー(感想・評価)
意外とプロレス映画。
以前から公開予定一覧の作品にあったためどんなものかと鑑賞。
久しぶり・・・どころか近年で劇場での初の邦画。
ちなみに女子プロレスは基本知らない。
オープニングやところどころ「アニメーション」での演出が入っていて大丈夫か?とおもったが、どうも主人公である彼女の妄想の世界ではアニメーションになるシステムのようだ。
ある日学校からの帰り道でレ〇プされかけた?のがキッカケで引きこもり生活が始まったようだ。無理もない。
そういう背景もあってか母親も兄も「学校行きなさい」的なことを言うわけでもなく、離れすぎない距離感で見守っている感じで、兄とはとくに仲が良かったようだった。
引きこもり生活が長く続いていたある日、家のテレビでプロレスを観ていた兄。どうも兄はプロレスが好きなようで、妹があとからその横に座りプロレスを観る。
小さい選手が大きな選手に立ち向かっている姿など、心に刺さるものがあったようで興奮。
後日?兄が会社の人からもらった?プロレスの鑑賞チケットを出して「気分転換に観に行ってみないか」と誘う。
実は自分のお金で妹のためにチケット買ったってことだったりして?ともかくいいお兄さん。
主人公は誘われ即答で「行く!」と。
地方に住んでいたこともあり小さな体育館での初観戦。本物のプロレスラーなのだろうけど知らない選手が戦っていたが彼女は目を輝かせて鑑賞し興奮。プロレスへの目覚めである。
さらに新聞で「女子プロレス新団体設立!練習生募集!」みたいな記事を読んで女の子でもプロレスラーになれるんだ!と、プロレスラーになることを目指す。(判断が早い!)
当然の如く「石野真子」さん演じる母親は何の運動経験もなく長年の引きこもり生活で体力的にもダレていた彼女に「あんたなんかにできるわけないじゃない」的な発言。
酷い!母親なのにどうして娘(自分の子供)を信じてやれないの?
と・・・はおもわない。
このケースでは無理もないし誰しもそうおもうだろう。ましてや危険を伴うプロレスなら尚更。
そんな否定をされたところで彼女の熱は冷めるはずもなく早速、ケータイから団体側へ問い合わせをし熱いおもいを伝え応募書類を出すも「運動経験なし・・・なんだかなぁ」的な反応をされる。当たり前か。
とはいえおもしろそうな娘ということでとりあえず一次審査?合格に。
そしてタイトルにもある「家出」をすることに。
当時まだ未成年?で、お金がたまっているわけでも、ツテがあるわけでもないのに凄いことをしている。
普通はとてもできない。というか世の殆どの人はよほど家庭環境が荒れて辛いとかでもない限りまずしないだろうし、そんな勇気もないだろう。
わずかなお金だけを持って誰にも告げず家を飛び出す。行動力がとんでもない。
そして団体が用意する寮に入り複数名のプロレスラーを目指す練習生たちとともに生活をし練習に励む。
様々な挫折があったり、途中で辞めていくメンバーもチラホラ。
そういや練習生で顔は見たことあるんだけど・・・ということで後でキャストを調べたら同じ練習生として「ゆきぽよ」や「都丸紗也華」が出演していたり、後から登場する別の団体?で既にスターとなっていたレスラーを「平嶋夏海」が演じていたりもしていた。
ていうかゆきぽよのレスリングコスチュームは、当時の選手のものを再現したからなのかわからないが、明らかにサイズがおかしかった。
もっと体系にあったものだったら全然印象は違っただろう。惜しい。
そして主人公の後輩として後から入ってくるのがまさかの「KAIRI」だった。
自身の必殺技であるエルボードロップを後半繰り出していたが、そのときのカメラのアングルがなかんかよかった。やはりフォームが良い。
他にも団体の会長?は「竹中直人」さん。団体の運営資金の援助をした?よくわからない謎の若い男2人を引き連れた社長を「有田哲平」さん、アメリカの団体とのパイプを持つスカウト?を「古坂大魔王」さんが演じていたりと、普段ドラマ(とくに国内のもの)やバラエティをそこまで見ないような私でも知っている有名人が結構でていてちょっとビックリした。
というかオープニングでキャスト紹介みたいなのもあるんだけど・・・ね。
ちなみに団体にいたマネージャー的な人を「レイザーラモンHG」が演じていたのだけど、団体で問題が起きて団体存続の危機になったときに飲み屋で主人公とかと居酒屋的なところで食事しているシーンになるまで彼が演じているとはまったく気がつかなかった。
どこかで見た顔なんだけどという認識はあったのだが。
あっもちろん相方の「レイザーラモンRG」も主人公のファン役の一人として出演している。
・試合のシーンで少し小難しいような動きのときには選手?と入れ替わっているようなところがチラホラと出てはきていたが、さほど気にはならず。全体的に試合のカットをよく映していて良かった。
・オカダは新聞記事で一瞬だけ登場。
・後半、主人公のベルト防衛戦だったかで、戦った後リングでお互い大の字で倒れている中「努力じゃ夢中には勝てない」と言っていたが、この作品一番の名言だとおもった。(たとえ勝てずとも努力できることだって才能の一つだよ!)
・後半、主人公がプロレスラー(チャンピオン)になって実家に顔を見せに帰った際に、家の前で出迎えていた母親の少しためた「おかえり」の表情と言い方が印象的だった。
・ラストはこの手の映画にありがちな「ご本登場」でコメントを残していた。(何となく見たことのある選手だった)
・天山、耳を疑う棒読み。(だがそれでいい)
以上。