「映画の原点であるアクションコメディを継承する快作」YOLO 百元の恋 和田隆さんの映画レビュー(感想・評価)
映画の原点であるアクションコメディを継承する快作
驚くべき映画です。オリジナル版に強い敬意を示しつつ、リメイクを超えて見事に換骨奪胎し、映画の原点であるリアルなアクションとコメディ、そして普遍的なテーマが人々の心を打つことを改めて証明した、映画愛に溢れる作品です。
中国の国民的コメディアンであるジャー・リンが主演だけでなく自ら監督も務めており、その才能と並々ならぬ熱い思いがスクリーンから伝わってきて、倒されても何度でも立ち上がる様に、笑い、涙せずにはいられません。
昨今、身体や容姿への差別的表現は非常にセンシティブですが、ジャー・リン監督は自ら主人公を演じることで、笑いを随所に挟みながらヒューマンコメディへと昇華させています。
そしてさらに、物語が終わったと思いきや、ジャッキー・チェン作品のエンドロールのNGシーンのように、本作の製作メイキングが流れ、ローインの物語であるとともに、ジャー・リンの物語が重ね合わされます。チャールズ・チャップリン、バスター・キートンからジャッキー・チェンらへと脈々と受け継がれているアクションコメディ、そして一度きりの人生をいかに生きるかというボクシングドラマを継承する快作です。
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