「「百円の恋」とは別物ですが、これはこれで良かった。」YOLO 百元の恋 naichinさんの映画レビュー(感想・評価)
「百円の恋」とは別物ですが、これはこれで良かった。
安藤サクラさん主演の日本の名作映画「百円の恋」の中国リメイク。
コメディアンでもある、主演兼監督のジア・リンさんが50キロの減量に挑みながら撮影したため、ドキュメンタリーの様相もある。
またコメディアンである為、特に前半はコメディ要素が強く、悲惨な状況を上手く笑いに変えている。また、その分後半とのギャップもあり、成功していると思う。
原典である「百円の恋」と比べて。
原典ではこの「百円」というのに深く意味があった。しかし、この映画では、「百元」というのに全く意味を感じさせない。そもそも、中国における「百元」は日本の「百円」よりも価値があるようなので、タイトルがそぐわないと思う。監督もそれは同意な為か、実は、オリジナルのタイトルは全く違い、「百元の恋」は日本の公開用のタイトルなのだ!元々、原典が中国で公開された時に「百元之戀」のタイトルで公開されたので、それに合わせたのかも知れないし、興行を考えるとそうなるのでしょうが、まぁ相応しくない事は確かだ。
そして今回、かなりコメディな味わいになっている為、原典にあった陰鬱とした雰囲気は、全くない。代わりに、主人公は周囲からハラスメント的な行為を受ける。
非常に分かり易くなっている分、原典にあった切実さやひたむきさはかなり失われている。
結果、原典とは全く違う映画になっているが、これはお国柄というよりは、製作側が男性主導から女性主導になっているのが大きい様な気がする。ラストシーンに顕著で、個人的には原典のラストがたまらなく好きなんですが、今回のラストの方が、圧倒的に前向きではあります。
原典とは全く違う映画になっているが、これはこれで面白い!
やはりボクシング映画に一本を除きハズレなし。
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#百元の恋