「直接行動の歴史的正当性を思い起こす」HOW TO BLOW UP いちさんの映画レビュー(感想・評価)
直接行動の歴史的正当性を思い起こす
世界各地の歴史に遍く見出すことのできる直接破壊抗議行動を現代に引き継ぐ、至極まっとうな者たちの物語。上から目線というか、遠くから目線での的外れな感想が聞こえてくるけど、それは逆に日本の鑑賞者がいかに世界の庶民の歴史的経験から隔絶されているかを表しているような気がする。歴史学でも人類学でも、民衆の防衛的な直接暴力抗議行動の意味を論じたものは、日本語でも数多く手に取ることができるのに。パンフレットも大いに役にたつが(直接行動の歴史的伝統についての落ち着いた記述はほとんどないが)、いわゆる商業エンタメ映画とは違うのだから、もう少し安価な作りでいいので広く情報提供を行うことを、配給元は考えるべき。
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