国宝のレビュー・感想・評価
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20年変わらなかった、私のベスト3が入れ替わった。
なんとなんとなんと、これは邦画の金字塔とも言える作品になるでしょう。 観終わって、身体じゅうをうねりのように駆け巡る渦のようなものに圧倒されて、しばらく席を立てませんでした。
私ごとですが、交通事故で1ヶ月歩けなかったため、公開から1ヶ月経って、ようやく観に行けました。なので、映画.comへのレビューも、じっくりと自分の中で反芻した上で投稿しようと思い、二度目の劇場での観賞後、投稿しております。
いや~、しばらくこれを超えてくる映画は、おそらく登場しないだろう。 あらゆる要素がいずれも素晴らしい。脚本も演出もすばらしい。芸術性が素晴らしい。主演・助演は言うに及ばず、いずれの役者も素晴らしい。使われる音楽も効果音も素晴らしい。そして何よりカメラがとにかく素晴らしく、一瞬のスキもなく濃密な空間と張り詰めた緊張感を映し出している。
年100本ていど(しか)映画を見ている(見れていない)中で、心に訴える映画はどれも必ず「画の中に怨念にも似た感情の発露」が映り込んでいると思わせる。この映画もその部分が素晴らしい。しかし、それだけではない。 あらゆる要素が、高い完成度で融合し、長編3時間をまったく感じさせないほど、テンポよくこれに関わるあらゆる人々の怨念と心情を高いレベルで融合させた、完成度の高い映像として描き切れている事に驚愕しかありません。
もう20年以上、私の邦画・洋画ベスト3は固定されてきましたが、いよいよその順位が入れ替わりました。
日本アカデミー賞の予想をすれば、作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞、助演男優賞は、間違いない。カメラ、美術、録音、いずれも入るでしょう。女優陣はあまり重要な役回りではなかったので、入らないでしょうが。
凄い映画を観たなと感じる作品
そんな出来すぎた話あるか
見応えのある作品です
100年に一度、それ以上かも。
同じ時代に生きていてよかったと大袈裟だけど思った。
国宝を映画館で観れたことは本当に価値のあることだった。二人の演技、舞は魂が震えるほど素晴らしくて、携わった人たちにも大きな拍手をしたい。
吉沢さんの演技は所作、表情、全て素晴らしく舞台は圧巻でした。屋上のシーンも儚くも美しかった。
横浜流星さんも前半、深みをあえて出さないように抑えて演じてるのでしょうか。それもすごい。高畑さんも素敵でした。
「さらば、我が愛」も昔観ましたけど、本当に凄まじくて。感動したけど、また見たいとは思えない。痛々しいし、そんな悲劇いれると……国宝は悲しいシーンはあっても、そこまでなのがなくてよかった。舞台のシーンだけでもう圧巻でした。
生きていると嬉しいこともたくさんあるし、寝れないくらい悔しいことや苦しいこともある。この映画を見て、生きててよかった!なんて思った。
良かった
歌舞伎の「道」で生きると決めた主人公2人の覚悟や葛藤、そして「道」を極めること過酷さが際立った素晴らしい作品でした。
『国宝』は、周りの友人からも「絶対に映画館で見るべき!」「映画を観たら、歌舞伎をに観行きたくなるよ!」と、めちゃくちゃオススメされていたため、「絶対に上映期間中に映画館で観よう」と思っていました。
舞台シーンは以前テレビで見た、歌舞伎の舞台と同じような目線で撮られており、本当の歌舞伎の舞台を観ているようでした。
主演の二人の演技やカメラワーク・カット割りなども含めて、舞台の迫力やカッコよさが際立っているようにも感じられて感動しました。
『国宝』を観た後に、歌舞伎を実際に観に行きたくなる人が多いのも納得でした。
こうした、迫力やリアルさがある舞台のシーンで感動が生まれるからこそ、それ以外のシーン(主人公たちの葛藤や練習の過酷さ、境遇の違いによる理不尽さ等)がより際立って感じられました。
本当にあっという間の3時間でした。
多少のネタバレを含みますが、この映画から以下のような発見がありました。
①「道」を極める人には覚悟の強さがあること
観る人を魅了するには、想像以上に強い努力と覚悟を持ちつづけることが大切。
舞台上だけではなく、日頃の稽古・鍛錬から続けて、体に染み込むくらいやり抜くことも。
②どんなに最初が好調でも、どこかで必ず自分の実力を試される時がくる
たとえ周りの環境や人に恵まれていたとしても、スタートしやすいだけで、真に実力が伴うわけではない。
道を究めたり、目覚ましい成果を作りつづけるためには、今がどんな立場でも、決して奢らずに、自分を磨きつづけるべきだということ。
③健康に、長く続けられることの大切さ
糖尿病で道半ばで歌舞伎の舞台に立てなくなった俊介。
それでも壮絶な覚悟を持って取り組み続ける姿がとても印象的でした。
糖尿病の原因(遺伝的要因なのか、生活習慣なのか)については映画の中では判断できませんし、その是非については発言は難しいと思うのですが。
生涯現役で自分のやりたいことをやり続けるためにも、検診を受けたり生活を整えたりして、自分自身の健康も大事にしようと思いました。
④運命を受け入れて貫く強さと厳しさ、その美しさ
生まれながらに歌舞伎の道を行く運命の俊介。
次第に歌舞伎に魅入られていくが、おそらく最初はその道以外の選択肢が残されておらず歌舞伎の道を進むと決めた喜久雄。
私は、初めから選択肢が決まっている世界の中で、主人公2人のようにあそこまでの覚悟を持って努力し続けられたかと思うと、きっと難しいなと思いました。
運命をすんなりと受け入れられないかもしれないし、そのとき私がしたいことを選びたくなるはず。
そして、自分で進みたい道を選んで、挑戦できていることがとても恵まれていることなんだとも思いました。
運命のような力強い動機ではなかったかもしれないけれど、私自身で決めた仕事・事業に前向きに取り組めていることに。
最後に、全体的な感想を書きます。
この映画は、歌舞伎や主演の二人が好きな人はもちろんのことですが。
歌舞伎の世界を知らない人、今まさに新しい世界に飛び込もうと悩んでいる人にぜひ見てほしい作品です。
また、この国に過酷だけど美しい芸術(世界)が残り続けていることを誇らしく思い、もっと日本の文化や芸術を知りたいなと感じさせてくれる映画でもありました。
吉沢亮出てきた時のォレ『キタキタキタァ』
演技と映像に引き込まれる!
Show must go ooooooooon♪
ようやくバンクーバーでも観れました!今週末から始まったVancouver International Film Festival (VIFF)で、ちょっとしたオーケストラ演奏会を開催してる大きいキャパに満杯の日本人w
…いや、もちろんローカルのカナダ人もいっぱいいましたー。
海外サイトでの評価は7.9/10、世界総興行収入1億ドルを突破してました!!!いよっ、日本の誇り!
一部、退屈だったとの英語の書き込みがあり、カナダ人に理解できるか心配しましたが、誰一人途中退場することなく、最後は拍手喝采が起きました。
それにしても、脚本も演出も役者のキャスティングも、最高過ぎませんか?ケン・ワタナビがいる時点で世界中の映画賞を始めから意識してたのではないかと勘ぐるほどです。
吉沢亮と横浜流星の配役が逆でもダメで、高畑充希と森七奈の役が逆でもダメな、言葉にできない絶妙な感じをよくぞ体現してくれた!と思いながら観てました。
開始から信じられないドラマが次々に起こり、チャラ男設定だと思ってたシュンスケじゃなくて、まさかのキクオが実はガチのクズ男とかw、スキャンダルで一瞬で転落し、立場が逆転するなど、平成に流行ったようなジェットコースタードラマw、見応えのある場面があり過ぎました。
世界のケン・ワタナビの糖尿病の演技も素晴らしかった。目が白濁して、本当に目が見えてない、それでも幕を下ろしたくない鬼気迫るような、そんな役者魂が伝わるシーンでした。
人間だもの、生きてたら色々あるかー、そう言えば先日多くの国民を喜ばせた高市早苗新総裁誕生も、世襲でなく、コツコツ努力して、ようやく総理にまで上り詰めたからこそ、国民の期待が高まっているわけだし、キクオが3代目を継いだのも、何となく風の時代を感じたストーリーでした。
父の気持ちもわかる、母の気持ちはもっとわかる、はるちゃんの気持ちもわかる、あきこの想いも、あきこのお父さんの気持ちも、そして捨てられたあやのの気持ちも…みんなわかりすぎるくらいわかる、だからこそ切なくて、これほどまでに観客の心を揺さぶる作品になったのだと思いました。
それにしても吉沢亮と横浜流星の女形は素晴らしかった。化粧している横顔も、彼らの骨格の美しさを感じたし、鍛えてるだろうにゴツくなくて、立ち姿もまるで女、指先まで神経が行き届いた、羽生結弦のスケートを見ているような色っぽさ、動きのシンクロっぷり、着物捌き…、彼らは本当に歌舞伎役者じゃなかったの?と思えるくらい、素晴らしい演技でした。
来年のアカデミー賞の楽しみが、また一つ増えました。
結局人生ってどこに生まれるかが鍵なのか
3時間なんてあっという間。
みたあと1週間は頭にひらひらと舞う関西弁が。映像が美しく儚く、この世はまさに夢物語って思わせてくれます。
金持ち、才能ありの親のもと産まれて、人生イージーモードかっていうと、そうでもなかったり。
産まれながらに重圧を抱えるのもまた、辛いだろうし。
反骨精神でのし上がるのが「すごい!」って美談になるってことは、やっぱり少数派なのかな。
現実は鳶が鷹を産むパターンもあるけど基本みえないカースト制度みたく、大体親くらいの地位につくなあ。と思ったり。
帰り道、大きな私立の学園のまわりを歩いたけど、豪華な邸宅ばかりでなんていうか、身分の差と敗北感を浴びて、メイクと服を崩してくるくる舞いたくなりました。
国宝? いやちゃうちゃう、星宝やろ!!
これはエコノミー症候群乱発するであろう、危険な映画だ。最初っから最後まで、身じろぎもできなかった… ストーリー、演技、演出、音楽、ぐぅの音も出ない。3時間も座りっ放しだったのに、しびれる感動に浸ったまま覚めたくなくて、エンドロールの最後の最後まで席を立てなかった。周りの方たちも同じだったみたいだ。
私は外国人だが、歌舞伎という伝統芸能を継承してる日本がとても羨ましい。歌舞伎を含む日本の伝統芸能は、一国を超えてこの星の宝だ。でもこれは、ここまで芸に打ち込む芸術家たちだけじゃなく、それを支える観客がいるおかげだ。
外国人の目から歌舞伎の価値が余計に分かる李監督だからこそ、このテーマへの想い入れが強かったんではなかろうか。
李監督、素晴らしい俳優の皆様、そしてこの映画に関わったすべての方々に心から感謝したい。
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