国宝のレビュー・感想・評価
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近年稀に見る邦画の大傑作!! 吉沢亮さんと横浜流星さんの取り憑かれた様な演技が素晴らしい
吉沢亮さん演じる主人公 喜久雄の半世紀に渡る怒涛の人生を通し、400年間の伝統を繋いできた歌舞伎の世界、そして抗えない血筋や持って生まれた才能に苦悩し翻弄される人々の人生の栄枯盛衰を李相日 監督が堂々3時間をかけて描ききった大河ドラマ
歌舞伎の世界を全く知らないのでとても興味深く観られ、特に舞台のシーンは圧巻、日本の誇る伝統芸能の格調の高さに圧倒されます
冒頭の長崎のシーンは昔の任侠映画の風格を備え最高にエキサイティングな幕開け、極道の親分を演じる永瀬正敏さんがメチャクチャかっこよかったし、その極道の妻を演じる宮澤エマさんがすごく綺麗で色っぽすぎ
更に『怪物』(2023)の演技が印象的な黒川想矢さんが吉沢亮さん演じる喜久雄の幼少期を演じ、この壮絶なくだりに途轍もない印象を植え付けます、このオープニングだけで見に来た甲斐があったなと大満足でした
美しく豪華絢爛な歌舞伎の世界だけでなく、オープニングの1960年代の長崎から始まり、70〜80年代の大阪を舞台にした重厚でリッチな美術と映像に惚れ惚れします
特にキャラクター達に寄ったカットが多く、渡辺謙さんの出てくるカットはメチャクチャかっこよかったです
吉沢亮さんも横浜流星さんも相当な稽古を積み挑んだ歌舞伎役者の演技が圧倒的で惹き込まれました、間違いなく両名の代表作になると思います
ドン底に堕ちた吉沢さん演じる喜久雄が夜のビル屋上で一人舞うシーンは圧巻、白塗りの化粧が崩れ夜空を拝みながら舞う姿は『ジョーカー』(2019)を想起させ、吉沢さんの鬼気迫る演技の凄みに圧倒されました
そして渡辺謙さん、寺島しのぶさん、田中泯さんの息を呑むほどの存在感が圧倒的でとても贅沢な時間を過ごせました
と、何もかもが素晴らしく、近年稀に見る邦画の大傑作、これを劇場で観られた事自体に感謝です
が、大河ドラマなので仕方がないとは思うけど、終始緊張感に支配された作品なので正直 後半はしんどかった、2時間半以内だったら完璧だったのに、とも思っちゃいました(苦笑)
息をするのも忘れる圧倒的な演技力
久しぶりにレビューを書きます。
この映画『国宝』を観て、どうしても言葉に残しておきたくなりました。
自分の心の記録としても、書いておきたいと思います。
【脳裏に焼き付いているシーン】
手が震えている喜久雄に俊介が化粧をしてあげる場面。
「守ってくれる血が欲しい」「俊ぼんの血をごくごく飲みたい」――
ただただ、静かに涙が流れました。
歌舞伎の世界について詳しくはない私ですが、主演の吉沢亮さんと横浜流星さんの演じる女形の美しさには、心を奪われました。所作の一つ一つが驚くほど繊細で、優雅で、まさに息を呑む美しさ。どれほど稽古を重ねられたのか想像はつきますが、それでもおそらく私たちの想像を遥かに超える、果てしない鍛錬の積み重ねがあったのだと思います。俳優という仕事のすごさ、そしてお二人の並外れた表現力に、ただただ感服しました。
お二人ともルックスの美しさが話題になりがちですが、それを軽く凌駕する演技力。まさに「一流の役者」です。
上映時間は3時間。決して短くはありませんが、「長い」と感じたのは、退屈だったからではありません。主演の二人の踊りや演技があまりにも見事で、「これ以上観たら感情が持たない」という、ある種の叫びに近い感覚を覚えたからです。この感情は喜久雄と俊介に向けてなのか、俳優のお二人に向けてなのかわかりません。もっと踊りが見たい。もう踊りは辞めてほしい。そんな矛盾した気持ちを抱かせる映画でした。
芸に生きる者の喜び、怒り、哀しみ、苦しみ、そして嫉妬や別れ…。それらを体現したかのような演技に、何度も息を飲みました。
二人の「道成寺」での大舞台。張りつめた緊張感がスクリーンから伝わってきて、胸がじわじわと熱くなっていく感覚。
そして、喜久雄の「曽根崎心中」。お初の心情を切々と語る場面は、本当に胸を打たれる名場面でした。
息をするのも忘れるようなシーンが何度もありました。
「血」と「芸」の圧倒される映画です。
吉沢亮さん、横浜流星さん、心からの拍手を贈りたいです。
あっぱれ、あっぱれ――。
血か、芸か。
"ただのエンタメでは済まされない"
映像から伝わる、本物の気迫と美しさ
圧巻の演技。
何処を見てたんだー?!
「国宝」と言う大きなタイトルの上を行く見応え有る一本
連日の客入りと歌舞伎への注目度・・とニュースで取り上げられてから全然、観る気も無かった作品だけど、ミーハー心に火が着いて出かけた。2カ月近くたってもまだお客さまが切れないでいた。全然内容も確認しないで行ったせいか、思い込みなしで見たことがかえって良かったように思えた。始まりの新年会の宴会会場に漂う緊張感と違和感。任侠の世界だったんだ、永瀬正敏演じる言葉少なな父親の威圧感に、流石と感心した。主人公の踊りを舞う喜久雄の無邪気さと父を殺された時を目撃していた時の表情(目)の違いにこれからのストーリーの面白さを感じた。
歌舞伎の知識は全く持ち合わせないけれど、伝統の深さと美しさと伝承の厳しさ、複雑な家柄血筋関係、人間関係が入り混じっている事だけはわかった。
御曹司:俊介とヤクザの息子:喜久雄の複雑に入り組む歌舞伎役者としての浮き沈みの苦悩の長い時間と、この2人と彼らを支える女性たちの愛憎の様子にも目が離せない。
序盤の喜久雄が娘に「悪魔に願い事をした」と語った時から最後の国宝には上り詰めた時のインタビュー時の「おめでとう」と口にする女性カメラマンが同一と言う話にも作品の深さを感じた。
3時間余の長い作品だったが全く飽きる間が無くエンドとなった。
やっぱり、観て良かった!の作品だった。そして、趣味の全く違う夫を誘ったが「今までで、一緒に行って一番面白かったと思う」と言う言葉をもらった作品でも有った。
歌舞伎見た事ない人も面白いと思います。
ストーリーは襲名のお話、役者として極める為に他のものを一切捨てた人の人生、という印象です。
吉沢亮くんと横浜流星くんがめちゃめちゃ良いです。イケメン二人ってのもありますが、韓国ドラマ並みに感情表現が良いです。
歌舞伎の有名なシーンがダイジェスト版で出てくるような感じでした。
歌舞伎なんてわかんないし観たくないと言ってた子と一緒に観ましたが、観たら歌舞伎はやっぱわかんないけどストーリー凄い面白かったと絶賛してました。
何とも言えないですがこれを機に若い人も、歌舞伎とか観るようになったら良いですね。
そう言えば歌舞伎座のお弁当美味しかったなーと思い出しました。
実際の歌舞伎はオペラと一緒で下知識あった方が面白いので是非GPTとかで皆さん今回の映画で出てきた演目、ストーリー調べてみてねって思います。
海老様の暴行事件
映画館で見るべき作品
ストーリー展開は承知してるものが大筋で、それに肉付けされている程度。
それを観せるーー魅せる その企みに脱帽する。
原作が吉田修一でなければ 見に行ってはなかったかもしれない。私の吉田修一に対する信頼度は大きい。
今回の作品の映画化は 彼の「悪人」を勝る出来になっているように思う。
歌舞伎の女形
これを演じる男たちの 血を吐き肉を切る生き様。
演技は圧巻。
特に 国宝に指定された後の吉沢亮の踊りは凄まじかった。
いっときも目を離せない劇場で 息をのんで 見つめるように三時間 座って観覧するのである。
早く行きたいと思っていたが 随分人気が急上昇しての今日。
朝の9時に日本橋に出向いた。
お客さんは99%が女性 男性は一人しか見なかった。
満席の劇場で隣に見知らぬ人がいるのだが、さすが女性たちだらけ、時折 控えめな良いコロンの匂いも漂い ポップコーンなど買い求めてるのも見かけたが 誰も咀嚼音も立てないし 飲み物を啜る無粋なじゅじゅーーーっというのも全くなかった。
ただ 朝からの三時間
もう 抗いようがないのが お腹のぐううううっという音。
終盤 あちらこちらから ぐう〜っ という音がする。
私のお腹も ハイチュウ程度では鳴り止まず。
吉沢亮 横浜流星 お二方の妖艶な姿を見ても 無関係に腹の虫は鳴るものよ。
悪魔との取引き
「血」
大絶賛のレビューが多くて気後れしてしまいますが、個人的には冷静に見てしまいました。生で本物の女形を見た時のあの感動を期待していたからかもしれません。
また、主人公を取り巻く3人の女性について、あまり理解できなかったのもあります。
とは言え、やはり良い映画だったことは間違いありません。
ヤクザの血筋と歌舞伎の血筋。常に「血」を感じさせられました。流血や吐血の「血」もあり。終盤には喜久雄の唯一の血のつながりある娘とのシーンも印象に残りました。娘もやっぱり血を感じているのでしょう。
この「血」を特に思い知らされるのは、襲名式で2代目半二郎が倒れて意識が遠のく中、俊介の名前を呼ぶシーンでした。喜久雄の気持ちを考えると胸が苦しくなりました。
ただ、この作品で描かれる嫉妬心は全く醜くないので、嫌な気持ちにはなりませんでした。ヤクザの血を引く喜久雄に誰も意地悪しませんし、喜久雄も俊介とは良きライバル関係でなんとも爽やかな描かれ方でした。
緊張で震える喜久雄のメイクを俊介が手伝うシーンが美しかったです。
一方で、喜久雄が落ちぶれて舞台とも言えないような所で大して興味もなさそうな客に向けて演劇をしていた頃には女と間違われて散々な目に遭いますし、この転落ぶりがとても痛々しく感じられました。
最後のシーンは、すこし説明不足な気がしました。人間国宝になった時点でもまだ見えなかった景色。わかる人にはわかるのでしょうか。
終盤で出てくる瀧内公美さんの複雑な心情を表現した演技は存在感たっぷりでした。この方、本当に素晴らしい役者さんで今後も目が離せません。
そして、吉沢亮さんと横浜流星さんのこの映画への情熱を強く感じることができました。役者人生のターニングポイントになったかもしれませんね。
役者さん達には満点付けさせていただきます。
吉沢亮は日本の宝かもしれない
今期いちばんの注目作。ひと昔前には各映画会社これくらいの気合いの入った大作をぶち上げていたものだ。そんな公開前から日本アカデミー賞はもらった、というような3時間作品にカンヌ選出までついた盤石な触れ込みでの公開。
歌舞伎で人間国宝になる男のそこに至るまでの人生。『アマデウス』が160分で『さらば、わが愛 覇王別姫』が172分、『グッドフェローズ』が142分。『SAYURI』が146分、で、こちらが172分。アート作品が描かれなくてはいけなくなるとやはり時間を取られる。観た感じでは上映時間ほどの多くのものが描かれている訳ではなく、ある意味大仕掛けというかダイジェスト的という感じがした。とはいえ、吉沢亮と横浜流星のまさに「熱演」(通常好きではないけど)は歌舞伎という題材の中ではスポ根のように溶け込んでいて、特にいつもは熱過ぎてなんとかならないかと思う横浜流星の演技も、題材と李監督の、言葉悪く言うと「大袈裟」な世界観の中ではピタリと収まってるのがいい。そんな中でも吉沢亮は他者にのまれない芝居(『ぼくが生きてるふたつの世界』に続いての世代を飛び越える主演を演じた)を展開していてさすが。
ぶっちゃけ歌舞伎はそれほど観たことないのでそれに関してあーだこーださないのだけど、特に違和感なく観れてるので凄いのだと思う。とは言え、ある意味魂こもってる分、海外のこういった一代記としての細部がかなりもっさりしていてもったいない。時間の余裕があればもう少し各登場人分の人間としての幅が描けたろうに、と思う。栄光と転落を交互に繰り返し、すべてを背負って舞台に立つと言うコンセプトですべてが詰まったクライマックスの芝居、となる前のエピソードの描き方が硬い、重い、しつこい、というのはいつもの李監督作品に関して思うことなのでまあ個人的な趣味だろう。これは素直に吉沢亮を堪能できればいいか。
天晴れ!
すごいものを見た!!!
圧巻の舞台映像美
かなりインパクトのある予告編に加え、監督がいつも見応えのある、映画らしい映画を見せてくれる李相日だと知って、期待が膨らんでいた。
公開初日に鑑賞。
【物語】
大阪の有名な歌舞伎役者半二郎(渡辺謙)は興行のために長崎を訪れ、地元を仕切る組の組長が催す正月の宴に顔を出していた。宴の余興として組長の息子喜久雄(黒川想矢)が見せた女形の舞に半二郎は感心する。喜久雄と話をしようとした矢先、突然他組の来襲により喜久雄の両親は殺される。
喜久雄の女形としての資質を見てとった半二郎は喜久雄を引き取り、歌舞伎役者として鍛え上げる。 厳しい修行を耐え抜いた喜久雄(吉沢亮)は半二郎の実子俊介(横浜流星)と若手2枚看板役者の座を勝ち取る。
生まれたときから名門の跡取りとして歌舞伎役者になることを運命づけられ、幼いころから芸の世界で生きて来た俊介は喜久雄と兄弟のような固い絆で結ばれる一方で、激しいライバル心を内に秘めていた。
ある公演が数日後に迫った日、主演の半二郎が交通事故に遭い、大怪我をする。代役を立てざるを得なくなるが、半二郎が指名したのは俊介ではなく喜久雄だった。そのことから二人の運命は大きく揺れ動く。
【感想】
今回も期待通り、いや期待以上の見応えのある作品だった。
約3時間という長尺、最近の俺にとっては鑑賞前に不安と憂鬱さえ感じる長さだが、全く長いと感じなかった。
ストーリー的には、喜久雄と俊介という対極の境遇にある二人が、無二の友人であり、ライバルとして切磋琢磨しながら成長し、それぞれの重圧と戦い、時に嫉妬し、のた打ち回りながらも生きていく様が、強く胸に響く。しかし、それにも増して今作の見どころは歌舞伎の舞台の映像だ。 圧巻と言う言葉しか思い浮かばない。
俺は未だ歌舞伎を生で観たことがないので、そんな人間が言っても説得力に欠けるが、吉沢亮、横浜流星、そして黒川層想矢の舞台での舞に不自然さがなく、美しかったこと。それぞれ、相当の稽古を積んだに違いない。「天晴れだ」と言いたい。
普通に考えると、日本の伝統芸術、歌舞伎を真正面から向き合ったこんな作品を作ろうと考えたら、主演には歌舞伎界からキャスティングしそうなものだが、ズブの素人役者を当てて、こんなシーンを撮れると思った李監督の自信と度胸にも感心するというより呆れる(笑)。
また、舞台上の役者だけではなく、観客を含めた劇場全体の空気、盛り上がり、臨場感、迫力がガンガン伝わって来た。 これまでテレビなどで歌舞伎を目にしても観に行きたいと思ったことは一度も無いのだが、この映像を見せられると、「死ぬまでに一度はこの場に身を置いてみたい」と思わされた。
恐らく歌舞伎に精通した人から見れば「本物はこんなもんじゃない」というところもあるのだろうから、歌舞伎好きより歌舞伎に興味が無い人にこそ、強くお勧めしたい!
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