劇場公開日 2025年6月6日

国宝のレビュー・感想・評価

全1619件中、121~140件目を表示

4.5ピカソが死ねばピカソ自身の美の探求は終わるが、世襲制の歌舞伎はそうもいかず、そこに加虐性や業の連鎖の主因がある

2025年6月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

斬新

後に国の宝となる男は、任侠の一門に生まれた。

この世ならざる美しい顔をもつ喜久雄は、抗争によって父を亡くした後、上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎に引き取られ、歌舞伎の世界へ飛び込む。そこで、半二郎の実の息子として、生まれながらに将来を約束された御曹司・俊介と出会う。正反対の血筋を受け継ぎ、生い立ちも才能も異なる二人。ライバルとして互いに高め合い、芸に青春をささげていくのだが、多くの出会いと別れが、運命の歯車を大きく狂わせてゆく...(公式サイトより)。

自身の目の前で愛人同士に喧嘩をさせてキュビズムの代表作「泣く女」を描き上げたピカソのように、歌舞伎の美しさに魅了された人たちの加虐性を底糸に、血、伝統、芸事、才能、男と女、興行の危うさなど視点から描く。

鴎外や漱石の純文学作品のように、とにかく無駄な要素がひとつもない完成度の高い映画。スクリーンには意味のないものはひとつも映っておらず、歌舞伎舞台上の義太夫が絞られて映画音楽であるクラシックが徐々に開かれていくタイミングや、場面切り替えのトランジションまで完璧である。

そんな完成度の中でひときわ印象的なのが、途轍もない重圧を背負う喜久雄がひとり楽屋で化粧ができずにいるところに、俊坊が訪ねてくる場面。本作の名シーンのひとつだろう。ほかにも歌舞伎の再解釈とも言えるような映像美が随所にみられるが、撮影監督がチュニジア出身の外国人ということを後で知って合点がいった。日本人ならもしかしたら、「歌舞伎」という固定観念に捉われて、無意識のうちに、馴染みの画角になっていたかもしれない。

幼少期の喜久雄を演じた黒川想矢と、当代随一の女形を演じた田中泯の演技力が圧巻。というか、主要キャストに歌舞伎役者を配していないところに、李監督のこだわりや配慮が垣間見られる。

ピカソが死ねばピカソ自身の美の探求は終わるが、世襲制の歌舞伎はそうもいかず、そこに加虐性や業の連鎖の主因がある。本作は、「美しいものを追求し、皆に感動を与え、後世に継承していくのだから、誰かを傷つけたり、普通では考えられないようなことをやっちゃっても仕方ないよね」とは開き直っておらず、徹底的に苦悩し葛藤し、落ちるところまで落ちるあたりに好感が持てたのだが、最後のカメラマンの登場でちょっとその気を感じてしまったのでマイナス0.5。

コメントする (0件)
共感した! 29件)
えすけん

3.5すべて芸の肥やし

2025年6月14日
Androidアプリから投稿

横浜流星と吉沢亮ならきっとやってくれると期待通りでした
歌舞伎は安い席も有るらしいが、とてもお金が掛かると聞いていたので関心ないので(幕の内弁当もお高いらしい、確か歌舞伎発祥)勿論鑑賞眼はさっぱり皆無だけど2人の指先までしなやか艷やかな演技素晴らしかった 歌舞伎界からオファー来るんじゃないの?と思った
肝心のお話は入れ替わり立ち代わりスランプの様子や藝妓さん遊びなんかはあるあるだよね、実は奥さんが大変な処なんかはあんまし無くてあんまり刺さらなかった
しかし日本独自の伝統芸能でこれだけ芸術的な映画が出来るということには、邦画の可能性を感じた

コメントする (0件)
共感した! 29件)
ゆう

5.0凄絶なまでに美しく、醜い

2025年6月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

凄絶なまでに美しく、そして醜い。
芸のために、何もかも捧げる生き様が。

3時間という長編を、
ただ、ただ、息を止めるように観た。
目の前にはスクリーンだけ。

台詞は絞られ、
役者の表情、声音から心の機微を感じ取る。それだけに役者の力量が問われる。
観客は、俯瞰して、ただ喜久雄たち歌舞伎役者の生き様をみていく。

家族を失い、

恋人を失い、

友を失い、

何もかもを失ってでも、ほしいもの。
見たい景色。

この映画を撮るにあたり、1年半歌舞伎の稽古をされたとか。ここまで歌舞伎を魅せることができるのかと、役者の恐ろしさも感じた。
これは邦画史に名を残す。
いま、観るべき映画。

コメントする (0件)
共感した! 29件)
ホラー好き2

4.0未知の世界に魅了される

2025年6月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

斬新

 国宝って芸に秀でたこともそうだけど、生き方そのもののことをいうんじゃないだろうか。そう思えるほどの歌舞伎に賭けた思い、歌舞伎の世界から離れてもなお、どんな境遇になっても体が求めてしまうものなのかもしれない。てっぺんを見るまでは。そう思えさせられるほどの長編大河のようだった。
 なんといっても主演の吉沢亮さんの素晴らしさは言うまでもない。目で見てる以上の努力と鍛錬がなされたのだと思う。美しい所作と視線、べらんめい口調から妖艶な台詞回しまで見応えしかない。また、横浜流星さんや渡辺謙さん、田中泯さんなども元からそうだったんじゃないかと思えるほどの憑依体現にただただ圧巻です。なかなか見れない舞台裏が見れたのも面白かったです。映像もだけど、衣擦れや幕を引く音、足を響かせる床、補佐する役者の素早さと的確さ、メイクや衣装の着付け、そして息が詰まるほどの緊張感など、ほとんど歌舞伎を生で見たことがない私にとってはどれもが新鮮で、未知の世界に惹き込まれた。
 物語としてはかなり年代を飛んでしまうときがあり、主人公の環境の変化についていくのが必死で、関係性の修復がどのようになされたのか、そしていつどのように離れていったのか想像で補うしかなく難しく感じてしまう人もいるかもしれない。
 また、端役の人たちや黒子の人たちがどう思っているのか全く分からなかった。急に御曹司が戻ってきても受け入れられる世界、あんなに華々しくデビューし歌舞伎界を背負っていた東一郎が不在になっても庇うものがいない世界に気持ち悪さがあった。順風満帆と言った最後のインタビュアーにも。そして、3時間にも及ぶ上映時間に私の腰は悲鳴を上げてずっとモゾモゾしておりました。
 主題歌の井口理さんの静かで美しい歌声に沁み入った。この声も唯一無二だなぁと。

コメントする (0件)
共感した! 29件)
ふたり映画

5.0木戸銭が正札では失礼と恐縮しました🙇‍♀️

2025年6月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

ドキドキ

国宝

先ずは音響の透明感に満ち溢れて
撮影の構図、照明、色彩が
美術、衣装まで美しく、汚く、年齢や時代にマッチして
その上、年齢背景に合わせたいいロケ地や景色がずば抜けて素晴らしかった

最初の任侠乱闘シーンは、長崎の史跡料亭「花月」の一部だと思う。

特に気に入ったのは、
寺島しのぶさんの所作には梨園の女将が笑えるほどピッタリだった。

板子一枚下は地獄の世界に、悪魔と命の取引した芸の道は、ドス1本の任侠の血生臭い世界で父を亡くし、背中の梟を背負った時からの覚悟なのだろう…

タップ3時間楽しませてもらった。

木戸銭を倍払ってもまた観たい。

(⌒▽⌒)

国宝

李相日監督が「悪人」「怒り」に続いて吉田修一の小説を映画化。
任侠の家に生まれながら、歌舞伎役者として芸の道に人生を捧げた男の激動の人生を描いた人間ドラマ。

任侠の一門に生まれた喜久雄は15歳の時に抗争で父を亡くし、天涯孤独となってしまう。
喜久雄の天性の才能を見抜いた上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎は彼を引き取り、喜久雄は思いがけず歌舞伎の世界へ飛び込むことに。
喜久雄は半二郎の跡取り息子・俊介と兄弟のように育てられ、親友として、ライバルとして互いに高めあい、芸に青春を捧げていく。
そんなある日、事故で入院した半二郎が自身の代役に俊介ではなく喜久雄を指名したことから、2人の運命は大きく揺るがされる。

主人公・喜久雄を吉沢亮、
喜久雄の生涯のライバルとなる俊介を横浜流星、
喜久雄を引き取る歌舞伎役者・半二郎を渡辺謙、
半二郎の妻・幸子を寺島しのぶ、
喜久雄の恋人・春江を高畑充希が演じた。
脚本を「サマー・ウォーズ」の奥寺佐渡子、
撮影をカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作「アデル、ブルーは熱い色」を手がけたソフィアン・エル・ファニ、
美術を「キル・ビル」の種田陽平が担当した。
2025年・第78回カンヌ国際映画祭の監督週間部門出品。

国宝
2025/日本

コメントする (0件)
共感した! 29件)
カール@山口三

5.0凄いものを観た圧倒的な重厚感。

2025年6月6日
iPhoneアプリから投稿

凄かった。吉沢亮さんこんなに芝居うまかったのかと終始圧倒されていた。李監督は役者さんを引き上げて全部さらけ出させるんだろうなぁ。怖いなぁ。凄いなぁ。李監督がまさに宝なんだけど。あと黒川想矢くんの存在感がめちゃくちゃ良かった。キャスト、映像美、音楽、全て圧巻。血を吐きながら仕事していた、良いものを作ろうとしていた、自分や家族を犠牲にしてでも目指すべき取り憑かれた状態。ストイックという言い方すると薄っぺらいが
そうして死にものぐるいで仕事していた時代を生きた人にしか作れない作品だった。もうこれ以上熱量のある作品はしばらく観れないだろう。歌舞伎は観た事がないけど絶対にみる!

てか、この映画、他の作品と同じ料金で良いの?そして余談だけどたくさん観客いるのに緊張感あってマナーが良かった。きっとみんな没入してたということ。

コメントする (0件)
共感した! 29件)
nekoLOVE

4.5横浜流星さんと吉沢亮さん

2025年6月6日
スマートフォンから投稿

お二人の波瀾万丈な歌舞伎役者人生。
あらゆる方向にいくので3時間目が離せなかった。
後半お二人の舞台が見事だった。

コメントする (0件)
共感した! 29件)
はな

4.0圧巻

2025年6月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

歌舞伎はど素人ですが、物凄く見応えがありました。
150席くらいのスクリーンで観ましたが、もっと大きなスクリーンで観たら良かったと後から思いました。そのくらい圧巻。
吉沢亮さん、横浜流星さん他、どれほど大変だったでしょう。素晴らしかった。

コメントする (0件)
共感した! 29件)
M U

5.0命を懸けた舞台の幕が上がる!

2025年9月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

興奮

やっと鑑賞出来ました!
前回は満員で
チケット購入を断念
今回も満員に近い観客でしたが
何とかチケットゲット出来ました。
本当に良かった~

3時間あっと言う間でした!
息を呑むシーンの連続で
スクリーンに釘付けでした。

人生の
愛や憎しみや喜びや悲しみ
多くを経験するほど
芸が磨かれていく
その身を削りながら
命を懸けて舞台に立つ姿
鬼気迫るものがありました。

美しい映像でありながら
自らの全てを
燃やし尽くすような
真剣勝負の舞台の連続
感想の言葉が見つからないほど
凄かったです。

人は誰でも
何かしらの宿命を背負って
生きています。
登場人物達の
自らの宿命に必死に抗う姿
泣けてきました。

人生の全てが詰まった
最高傑作でした。
改めて
大スクリーンで鑑賞出来て良かったです!

コメントする 2件)
共感した! 28件)
ブルーボイス

4.5王道プロットだが、圧倒的なビジュアルで魅せる力技

2025年6月8日
iPhoneアプリから投稿

これは喜久雄が悪魔との契約で常人では到達できない、あるいみ怪物的な存在になってしまう話となっている。

李監督の作品は一貫して映像が美しい。「悪人」も「怒り」もあらゆる構図、カットがバランス良く心地良い。
とにかくビジュアルに徹底的にこだわって作品を作っている監督だと思っている。
それが本作ではビジュアルそのものがテーマになっているように感じた。

プロット自体は王道で、ライバル2人が成り上がっていく友情あり愛憎ありのサクセスストーリー。「さらば、わが愛/覇王別姫」か、そこに日本の伝統芸を舞台にしたところでいうと1番近いのは「昭和元禄落語心中」だろうか。さらに引き取った子が実の息子より才能がある話等であればディズニー「ライオンキング ムファサ」だろう。

歌舞伎を題材にした映画でいうと溝口健二監督の「芸道一代男」や、小津安二郎監督のドキュメンタリー映画「鏡獅子」がありますが、どちらも実在の歌舞伎役者を代材にしていました。ちなみに本作の原作である吉田修一の「国宝」は溝口健二監督の短編「残菊物語」という歌舞伎役者の菊之の話に影響を受けて執筆されたとのこと。喜久雄の名前もモロに影響が出てますね。

他、Sgt. Kabukiman N.Y.P.D.(邦題:カブキマン)というアメリカのおふざけB級映画があります。大きな声では言えませんがyoutubeでフル視聴可能です。ニューヨークの警察が歌舞伎役者の連続殺人に巻き込まれてる途中、ひょんなことから偉大な歌舞伎役者の力を手に入れカブキマンに変身し悪を懲らしめていく話です。日本の伝統芸能である歌舞伎を題材にした映画というと怒られる映画です笑

本作はそんな王道プロットの上で、今現在メジャー作品では長らく扱われてこなかった"歌舞伎"をテーマに、ある意味国宝級イケメンである吉沢亮君と横浜流星君を主役に抜擢というさすが李監督といえるキャスティング。2人とも大河ドラマを経験して脂が乗ってきた最適なタイミング。

とにかく歌舞伎の女形の美しさを切り取った映画で、「二人藤娘」、「二人道成寺」、「曽根崎心中」、「鷺娘」の演目を通して2人の人間ドラマを描いている。

特に最後の国宝になった上で演じる「鷺娘」は圧巻のビジュアルで、孤独な主人公に唯一救いとしてある人物との再会も重ねる演出にすることで後腐れなくカタルシス抜群になっている。

3時間近い長編だがそれでも拾い切れていないところも多々ある。喜久雄を引き取る経緯や喜久雄の歌舞伎復帰の話は端折りまくり、特に寺島しのぶ演じる俊介の母 幸子との関係は最後拾って欲しかったところ!

正直もっと観たいと思った。
それだけ主役2人の演技、ビジュアルが素晴らしい。
歌舞伎の舞台に飛び込むカメラ、2人の顔面にクローズアップするカメラ、良い!
一度は逃げた俊介が最後は命懸けで演目「曽根崎心中」のお初に挑むというドラマも良い!
(ちなみに「曽根崎心中」の舞台といわれているのは大阪のお初天神(露天神社)で、記念碑もある。近くに住んでいたら聖地巡礼したかった。)

来年のアカデミー賞国際映画賞にもノミネートされるか?日本アカデミー賞は最優秀作品賞受賞確実だろう。

※この題材なら松竹配給だろ!と思ったらまさかの東宝配給。そんなことがあるのか。後で調べたら本作で歌舞伎監修をしている四代目中村鴈治郎さんはかつて東宝が歌舞伎に進出した唯一の東宝歌舞伎時代の公演メンバーの1人である二代目中村扇雀(四代目坂田藤十郎)さんの息子さんであることがわかった。東宝で歌舞伎を題材にしてこれだけの規模の映画を撮るのは色んな意味で大変だったんじゃないかと思う。松竹の歌舞伎座は当然借りれないよね笑 逆に松竹が絡まなかったから色々と自由に出来たのか。

コメントする (0件)
共感した! 28件)
ヘルスポーン

4.5見どころは当代随一の若手二枚目俳優達の熱演

2025年6月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

まず「国宝」という映画タイトルに圧倒。副題も無し、真剣勝負だ。映画化にあたっての重圧がどれほど大きかったか容易に想像できる。結果、その想像は期待を裏切らないと先に申し上げたい。

見どころは当代随一の若手二枚目俳優達の熱演だろう。
吉沢亮(主人公喜久雄)や横浜流星(俊介)の歌舞伎の所作が正しいかは歌舞伎初心者の私にはわからないが、彼らの凄まじいまでの稽古量と役への熱意はスクリーンより伝わってくる。扇子を持つ手がビシッと止まる。視線の合わせ方。
そして舞台の熱演を最高のシーンに昇華させたスタッフの熱意も十分に伝わる。

喜久雄は人生を芸の道に捧げる。極端な生き方をする彼に共感性を感じることは難しい。その孤独と執念がどのように報われるのか、それは舞台の上でしか答えは存在しない。映画の中の観客もそれを観る映画館の私達もその瞬間を待ちわび、目が離せなくなる。

歌舞伎の演目の選び方が良いのか、予備知識がなくても、すっと梨園の世界に入り込めるエンタメ性があります。美しい映像、心に響く音楽、そして圧倒的な演技。これらすべてを大スクリーンで体感できる、映画ならではの贅沢な時間をぜひ味わってください!

コメントする (0件)
共感した! 28件)
ihatakaeight

3.5あっという間の3 時間

2025年6月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「素晴らしかった〜ぁ…」とため息まじりに連呼してるおばさま多数。
(もちろん道成寺のリズムで退席)

原作があるから映画のせいではないのだけれど、
「そんなの起きる!?」な、やりすぎエピソードが連発して、ちょっとドン引き。
そんなの抜きでも、設定だけで、じゅうぶんに見応えある作品になった気がするだけに。

少年時代をもっと見たいと思わせる序盤から、キャストが全員素晴らしい。
への字口の寺島姐さん、貧乏くじがお似合いすぎる森七菜ちゃん。等々、女優陣が良い。

「さらば、わが愛 覇王別姫」ぽいのを想像してたら、そんなの皆無。
もっと愛憎入りまじる人間関係を期待してたら、意外とあっさり。
肝心の舞台シーンは、カット割多めで誤魔化してるなあ。
そして、王道な終わり方。洋楽かぶれなエンディングソング…!!!

そんな不満もありますが、キャストが全員良いので、それを見るだけで料金の価値はあったと思います。

コメントする (0件)
共感した! 28件)
ababi

4.5大作。演目は予習が吉。

2025年6月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

大作。これはスクリーンで観てほしい。約3時間を短く感じることはなかったが、内容はずっしり。事前告知で窺い知れたあらすじのその先の人間ドラマが凄かった。

青年期の二人が思った以上に重責を担っており、吉沢亮・横浜流星へのバトンタッチが見事だった。私は黒川想矢の演技は怪物以来、越山敬達はぼくのお日さま・天狗の台所以来。着実に力をつけているタイプの違う若手で、選ぶ作品が良い。次が楽しみ。
キャストはご承知の通り脇もがっちり固まっていたが中でも田中泯の存在感は突出している。
歌舞伎を知らなくても楽しめるが、公式でも紹介してくれていた劇中の演目をさらっていった方がより理解が深まると思う。
メインの二人がこの映画のためにどれだけの準備を重ねたのか、終盤の鬼気迫る曽根崎心中は忘れられない。
この映画を背負って立つのはもちろん吉沢亮であり最後まで素晴らしかったが、血筋を背負ってしまったことによる俊ぼんの葛藤とクライマックスのあの演技を見て、横浜流星が支えなかったらこの話は成り立たなかったなと感じた。
歌舞伎のみならず日本の伝統芸能に潜む、血の滲むような努力と人間の業を垣間見たような気にさせられた作品。
無事世に出てきてくれて良かった。

コメントする (0件)
共感した! 28件)
may 929

5.0ザ 歌舞伎

2025年6月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

歌舞伎の世界も国宝の凄さも全く興味ありませんが、素晴らしかったです。

舞台裏の苦悩や努力、伝統や芸を追求する姿勢は、
現代の自分にも通じる部分があり、共感できました。

ただ3時間がっつり披露される歌舞伎でしたが、
演技や衣装、音楽は圧巻で、侍タイムトリッパーばりの本格的な歌舞伎が観れました。

と言っても、普段ならなかなか見る機会のない歌舞伎の世界なので、歌舞伎が映画を通じて身近になりました。

コメントする 1件)
共感した! 28件)
たもつ

5.0化けに化けた吉沢亮!

2025年6月6日
Androidアプリから投稿

映画が終わった瞬間に、エンドロールを観ながら、続けて今からもう一度観たい!と思ったのは久しぶりだ。

素晴らしい!化けに化けたな吉沢亮!
横浜流星との化学変化で息を飲むようなシーンがどんどん生まれて行く感じ。
二人道成寺や曽根崎心中などの歌舞伎のシーンは圧巻。
嫉妬と恨みから出る本音の言葉を上手く濁すシーンが2回。2回とも素晴らしい。立場が逆なのがなんとも言えない。
そして、少年時代を演じた2人も素晴らしかった。
とにかく、あっという間の時間。映画館を出た時、え?3時間近くもあったの?という感じ。ミッションインポッシブルファイナルレコニングも同じく長い映画だったけど、国宝の方は1秒たりとも無駄なシーンがない。
贅肉を全てこ削ぎ落としたような無駄のなさ。説明ゼリフのなさ。瞬きするのも惜しい美しさがある。
画角がまたいい。このアングルで来るか!と唸る。

キャストが抜群で非の打ち所がない。
田中泯さんの舞も観られて大満足。所作も目の動きも唸るしかなかった。
歌舞伎界から、寺島しのぶが睨みを効かせているのがまたよかった。
個人的には三上愛ちゃんの耐え忍ぶ隠し妻の役も良かった。
そして成長した娘、瀧内公美のカメラマンも良かった。

本物の南座が京座として映ったり京都の景色も楽しめた。

間違いなくもう一度観る。外国に向けても自信を持って勧められる日本の映画が生まれた。

コメントする (0件)
共感した! 28件)
momo

5.0古典芸能に限った話ではなく

2025年6月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

大作です。圧倒されました。
本作は歌舞伎の世界が舞台ではありますが、
何かに懸命に打ち込んで「悪魔と取引してでも」何事かを成し遂げたいと願うことは
誰にもあるのではないか。
その気持ちになってみると、
不遇の時期の喜久雄が目指すものを見失って狂乱するシーンは
胸に迫ってくるものがありました。
吉沢亮さん、素晴らしい演技でした。

原作を読んでから(というか、某サービスで尾上菊之助さんによる朗読で鑑賞して=これがまた凄い完成度でした)観たのですが
作中で2度演じられる「曽根崎心中」の扱いが映画ならではの構成になっていて、
これには大きな拍手を送りたいです。
横浜流星さんのお初、泣けました。

惜しむらくは、映画の尺に収めるために削られてしまった
原作で描かれたチャーミングな登場人物のことです。
長崎で喜久雄ぼっちゃんのお供役だった徳次が
放浪の果てにシンガポールで大成功して凱旋する様子は、
映像で見てみたかったなあ~~~。

「百年に一本の壮大な芸道映画」
決してオーバーな表現ではないと思います。ぜひ劇場でご鑑賞を。

コメントする (0件)
共感した! 28件)
Yoko

4.5歌舞伎は見たことないですが、凄さは伝わってくる

2025年6月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

役者の生涯を通しての努力や成功、苦悩や喜びが描かれていました。
知らない世界のこともあってかとても斬新に感じられて、あっという間の3時間でした。
私自身は食うために、ある意味仕方なく働いている面があるので、こういった目的のある人生に憧れてる気持ちがありますね。

歌舞伎は見たことないですが、女性の役を男性が演じていて、その中で生まれる葛藤のようなものが異様な迫力を生んでいる気がしました。
江戸時代に女性が行う歌舞伎は規制されたらしいですが、女性が演じる歌舞伎を見てみたい気がします。

とにかくいい映画だったので、これを機会に舞台の歌舞伎にも興味が湧きました。

コメントする (0件)
共感した! 28件)
ジュンヤ

5.0海外の人に観てもらいたい

2025年6月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

グイグイ引き込まれ、あっという間の切ない物語。
歌舞伎ってよく知らないからこそ楽しみにしていた。
エンドロールの縦書きがより素敵な映画だった感を醸し出してる。曲もしみじみと、席を立つまで吉沢亮の演技を振り返っていた。

女方、と言えば坂東玉三郎さんしか知らないけど
あの方より美しい人もいるんでしょうね。

コメントする (0件)
共感した! 28件)
ねこのあお

5.0言葉を失う傑作

2025年6月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

最初から最後まで、すべてが見せ場。
スクリーンから一瞬も目が離せなかった。
正直、3時間近いので長かったけれど、削ぎ落とせるシーンは残ってませんでした。
何もかもが素晴らしかった!!!

コメントする (0件)
共感した! 28件)
ミントグミ

4.0「国宝」らしい重厚さは映像美で堪能できるが‥

2025年8月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

歌舞伎の魅力を最大限に映像美で切り取った作品。劇中演目の圧倒的な迫力は必見。特に『曽根崎心中』での喜久雄(吉沢亮)と義足の俊介(横浜流星)の花道シーンは、現実離れした美しさに息をのむほど。

吉沢亮と横浜流星は、1年半に及ぶ稽古の成果を存分に発揮。吉沢亮は、「上手くいってない演技」と「会心の演技」の違いが分かるほど演じ分けていたとの評価もある(私はわからなかったけど‥)。
吉沢の透明感が際立つ一方、横浜流星の妖艶さと色気は圧倒的で、両者の美しさが物語の核となっている。

ただ、数年後への突然の場面転換など説明不足な点も目立ち、個人的に映画としての完成度には物足りなさも‥。俊介の挫折や喜久雄のスキャンダルなど、キャラの葛藤・復帰過程が薄く「想像で補完してね」的な部分も多め。3時間という長尺ながら、心理描写や深掘りに限界を感じた。

あと配役に関して女性陣が地味にまとめられているのは主演2人の美しさを際立たせるための狙いかな?寺島しのぶさんは素晴らしかったが、もっと意地悪でいてほしかった。

「国宝」らしい重厚さは映像美で堪能できるものの、映画作品としての構成―とくに劇的な挫折、復帰、人物の深み―には物足りなさを覚える。上手く言えないが、もっと魂を揺さぶられたかった。

歌舞伎×現代イケメン俳優という贅沢な時間を、大画面で味わう価値は十分だけど、エンタメ性と芸術性のバランスをどう感じるかは好みが分かれそう。

調べたら1978年に『曽根崎心中』が映画化されてる。主演は宇崎竜童さんと梶芽衣子さん。是非観てみたい。

コメントする 2件)
共感した! 27件)
ひみあ
PR U-NEXTなら
映画チケットがいつでも1,500円!

詳細は遷移先をご確認ください。