国宝のレビュー・感想・評価
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エンターテイメントとして楽しむだけなら充分だけど
最近評判の、映画『国宝』にちょっとがっかり。
演芸そのものがエンターテイメントだし、原作もあるのだから仕方がないけど、3時間にわたってここまでいろんなことを詰め込んだ、抒情詩的エンターテイメント映画にする必要があったのか?
これまで正面から捉えられることの少なかった『歌舞伎』をテーマとした映画を作るなら、映像的にもっと絢爛豪華に美しく表現することが出来たはずだし、二人のライバルの演技も、本当の歌舞伎ファンを唸らせるほどのものだったのかは、甚だ怪しい。原作を下敷にしたとしても、そう言う問題点をクリアした上での映画作りは絶対にできたはずだし、そもそもの、何を目指した映画なのかが実ははっきりしていない。
豪華絢爛な歌舞伎文化と、天才芸術家の人間性の衝突を描きたかったのかもしれないが、だとすれば映画として散漫で弱すぎる。
追記:歴史的に、「リアル」が尊ばれる文化は実は特殊で、多くの場合、美は「形式」の中に見出される。歌舞伎の「美」も形式美とは切り離せないはずで、そう言う意味でも、この映画の主人公たちの「リアル」は、実は矛盾に満ちていると言えるのかもしれない。本来の「歌舞伎」から遠く離れてしまった現代人の考えが正しいかどうかは全く分からないけどね
意外な「発見」があって驚き。
内容は前評判のごとく最高だった。近年見た映画の中では私としては最高傑作。
で、私が感じた意外な「発見」は次の通り。
田中泯さんが小野川万菊を演じているときの顔の表情、特に舞台化粧をした顔を見た時にぞっとした。悪い意味の「ぞっ」ではなく、六代目 中村 歌右衛門丈の姿がかぶって見えたこと。残念ながら六代目 中村 歌右衛門丈が健在の頃の私は小学生で、舞台を見たことがないが写真だけは数多く見ていた。また、私が幼い頃にいたご近所のお婆さんが六代目 中村 歌右衛門丈にそっくりだったので、そのお婆さんの姿もかぶって見えた。
もう一つの「発見」は横浜流星クンが演じた俊坊の舞台化粧をした顔。特に前半の藤娘や二人道成寺の時の顔。中村七之助丈の姿を彷彿とさせた。お二人とも花が高くて細面なので似て見えたのかも?
しかし、歌舞伎指導を受けたとはいえ、歌舞伎役者としての演技をよくもまあこれだけできたものだと感心した。
原作をかなり以前に読んでいたが、もう一度読んでみようと思う。
原作が読みたくなった
糖尿病を舐めてはいけない
観終わった後良い意味で言葉が出ない
一言で言い表せられない。
「凄かったね〜よかったね〜」の次元じゃない。
歌舞伎を全く知らないわたしでも、
スッと世界に入り込める作品でした。
カンヌに呼ばれるような作品で、海外の人たちにも受け入れられるであろう素晴らしい作品だと感じるとともに、日本人である私たちがまず観るべき映画だと感じます。
そして役者の皆さんの圧巻の演技。
プロフェッショナルを越えるプロフェッショナルを感じて、ガーンと食らった感覚が止まりません。役者さんとはこうも凄いものなのかと思いました。また、それを形作った、映像チームや監督、脚本の方々まで、全員へ尊敬が止まりません。
3時間はあっという間でしたが、ご飯を食べてから見たのに終わった後心地よい疲労とまたお腹がすくような感覚。色々な人の魂を見せられたような感じで、カロリーをめちゃくちゃ消費しました。
歌舞伎のシーンは、思わず胸を押さえながら観ました。美しい映像美の中に、命をかけた演技。
やっぱり言葉で言い表せません。
万菊さんの歌舞伎は本当に美しい怖さでした。
映画館で観るという選択をした自分を褒めたいです。
思わずこの映画を作った方々全員に尊敬をするような、そんな映画は初めてです。
圧巻でした。
圧巻でした!
主役の吉沢亮さん、共演の横浜流星さん、
お二人とも、もちろん美しいのですが
それに劣らずの映像美。
冒頭のシーンから一気に飲み込まれ
最後の最後まで目が離せませんでした
SNSから「凄い!」の情報が絶え間なく
これは早く観に行かないと、
と思い朝一番の上演に向かいました
平日なのに結構な入り
人がまばらな前方席を選んだのがことを奏し
シネコンでも大きめスクリーンだったので
その迫力は何たるものや!
2人の少年時代を演じていた役者さんも
素晴らしかった!
2人の少年の歌舞伎に対する真摯な想いが
日常の全てのような生活、
そしてお坊ちゃんである「俊ボン」も
意地悪なセリフは初対面の時だけで
それからは一緒に切磋琢磨する姿が
とても微笑ましかったです
だからこその
その後の対比に引き込まれました。
また
最初に喜久ちゃんが胸ぐら掴んで
罵声を浴びせた相手とその後も長いお付き合いに
本音でぶつかり合えるって言うのは
いいなぁ、その後も嘘なく付き合える。
そう言う相手ってリアルに大切だと思った。
その役者さんも好きなんですよね〜
上演時間3時間と
かなりの長編でしたがあっという間でした
原作は読んでいませんが、
映画が先でも楽しめるとのSNS情報。
ただ、後半はスイスイ話が進むので
もしかしたら原作を先に読んでいたら
ちょっと物足りなさを感じるのでは?
と思いました
映画を先に鑑賞するのは
正解なのかも
原作、ぜひ読みたい
そして歌舞伎、観に行きたい!
そしてそして
もう一回映画館で観たいなぁ〜、と。
ぜひ今から観る方は
できるだけ大スクリーンで観て!
また、前方席がお勧めです!
任侠と歌舞伎がカンヌにウケないはずがない
予告の期待を裏切らない
素晴らしい秀作、そして俳優さんは凄い。
PG12(閲覧注意)映画です
高評価レビューが多く、注意喚起も見当たらなかったので、観に行ってきました。
歌舞伎の映画ということで油断していたのもあります。
でも、
PG12は、暴力的な表現や性的な内容が含まれている場合があり、小学生には不適切とされるものに付けられます。
実際、冒頭から父親が銃殺される場面あり、その後も、殴る蹴るや厳しい指導、中盤以降は病気による吐血、足の切断等、凄惨な場面が散りばめられています。
私は、血を見るだけで気分が悪くなる体質のため、途中から気分が悪くなってしまいました。
美しい歌舞伎の舞台と、凄惨な場面とのミルフィーユを3時間、何とか耐えましたが、行くかどうか迷っている方で、血や暴力に弱い人はやめておいた方がよいです。
以上、注意喚起でした。
役者の魂
魂を揺さぶられた渾身の作品!
全編を貫く凄まじいほどの歌舞伎愛に圧倒された。
脚本に無駄がなく感傷に浸る暇がなく涙が乾かぬうちに
スリリングに展開していく。時間経過を示す事によって後で
全体がすっきりと理解出来るように構成されている。
ドキュメンタリーかと思うほどの歌舞伎の世界の裏側で
リアルな家元制度の中で翻弄される主役の吉沢亮氏、横浜流星氏は
様々な困難な中で恨み辛みを抱えながら見事な歌舞伎を見せてくれた。
特に吉沢氏の舞いは妖艶で儚く美しかった。
黒川想矢君の舞踊も重要な意味を持っており
忘れてはならないシーンであった。
出演もしている4代目中村鴈治郎氏が歌舞伎指導に入っている事もあり
伝統芸能の峻厳さと緊張感が伝わってきた。
また綿密に計算された素晴らしいカメラワーク、映像美も
素敵だったし感動が増したのだった。
最後にキャスティング。寺島しのぶさん、渡辺謙さん、高畑充希さん…
もうこれ以上ない。
吉沢亮の演技が壮絶。芸事の美しさと残酷さが濃縮された映画
「血」「血族」に振り廻された歌舞伎役者の半世紀の物語
今年のベスト候補筆頭。
気持良い緊張の3時間
信念を貫いた一人の男の人生を見せられました。
人生が違っていたら別の「血筋」で生き抜いていたはずの彼だったからこそ、というところも面白かったです。
先代からの教えと観客からの歓声を背に、限られた人にしか観られない景色を求めて、何があっても女形として踊り続けた、だからこそ最後に、これ以上ない名誉にも負けないほどの「ご褒美」を思いがけず手にできたんだと思います。それは数多くの犠牲を払ってきた彼の救いにもなったんではないでしょうか。
少年期を過ごした長崎ではあまり観ることのなかった?雪景色、それは時折脳裏にちらちらと浮かぶ景色と重なり、最後の紙吹雪につながりましたね。
「どんなに歌舞伎が憎くても舞台に立ち続けるんだ」って言葉は何だか印象に残りました。
そして、3時間続いた緊張のなかでも、緊張で化粧できずにいる東一郎に対して半弥が手を差し伸べる場面では、緊張が伝わって涙が漏れるということを初めて経験しました。
終始ストーリーを昇華させる映像でしたが、中盤と後半の2回、二人の男の人生と「曾根崎心中」をシンクロさせる場面は特に見事でした。
「怒り」で最後の一瞬で強烈な印象を残した高畑充希さんが今作でも、大切な役回りを抑えたトーンで上手に演じられていました。
これまで吉沢亮さんの出演作はあまり鑑賞する機会がなかったですが、他の作品も観てみたくなりました。
そして、歌舞伎が鑑賞したくなりました。
見応え十分
悪魔
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