国宝のレビュー・感想・評価
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圧巻の演技力、役を生きてくれて感謝
「脚本としての面白さ」か「キャストの芝居」のどちらに重きをおくかで満足度や評価は変わってくるかもです。私は吉沢亮さんと横浜流星さんの並々ならぬ気迫を感じる演技に圧倒されて感動したので、歌舞伎に親しみがなくて原作未読だったものの満足度はかなり高かったです。どれだけの汗を流して努力をして、どれだけの時間と心を消費して喜久雄と俊介を生きたのだろうと、素人ながら思いを馳せてしまいます。
黒川想矢くんと越山敬達くんも素晴らしかったです。
渡辺謙さん、寺島しのぶさんも良かったですが、何よりも喜久雄と俊介を演じてくれた4人はこの人達以外は考えられなかったのではと感じます。
先月と今月で2回鑑賞。配信や円盤化されたらまた観るとは思うけど、映画館の大きなスクリーンでもう一度観ておきたくなる作品でした。
二人の物語
高評価の通り観てよかったと思える映画でした。歌舞伎シーンの美しい所作や表情などは圧巻でどれ程の努力をしたのかと感動しました。同時にここまでの歌舞伎指導をされた方も偉大だと思います。
単純に言えば「芸は身を助ける」「血筋は争えない」「才能は血を凌駕する」生まれ持った素質と血筋に奔放されながらもひたすらに芸を極める美しくも儚い二人の物語ですが、吉沢亮氏と横浜流星氏の役者としての生き様を見ている様でもありました。エンドロールの井口理さんの歌声が流れる中でも2人の美しくも凄まじい人生を観た余韻に静かに涙が流れました。
3時間に収めるためなのか後半に向かう途中に少し端折りすぎな部分があった様にも思いましたが、素晴らしいキャストの皆さんの迫真の演技に大満足な映画でした。特に田中泯氏の舞や演技は印象的です。
これから公開の吉沢亮氏の作品や来年の賞レースが楽しみです。こんなセンスの塊の役者が潰れるのは見たくないのでスキャンダル等には呉々も気をつけていただきたいと心底思いました。
全キャストに拍手と敬意と感謝。 吉沢亮と横浜流星はもちろん、渡辺謙...
全キャストに拍手と敬意と感謝。
吉沢亮と横浜流星はもちろん、渡辺謙と田中泯がでできた時の説得力、存在感がすごかった。本当に何年も歌舞伎の世界に身を置いていたんじゃないかと思わせる演技は圧巻。子ども時代の二人も、女性キャストも素晴らしすぎた。
歌舞伎の上手い下手はわからないが、これだけ演目を見せているのも、製作陣の自信の表れと吉沢亮と横浜流星の努力の賜物だと思う。
血筋と才能にお互い振り回された人生の栄光と挫折。そのバックグラウンド越しに見る芸に心震える。
終盤、そこも血筋(遺伝)かと思わせる展開は皮肉。
フィクションではあるが、普段触れる機会のない歌舞伎の世界を覗くことができ、改めて映画っていいなと思わせてもらった。
この映画が『国宝』物です!
私自身、歌舞伎は女形、睨みや見得、獅子が長い毛を豪快に振り回す毛振り…このくらいしか知らない世界。
でも、映画を観ているのに歌舞伎を観ているかの様に、こんなに美しい伝統芸能があるのかと感動してしまいました。
宝塚と違って歌舞伎は男性だけの世界…だからこそ男性でありながら女性の役を演じることは、立ち居振る舞いや声色、衣装、かつらなど、あらゆる要素を駆使して観客を魅了して美しい歌舞伎の世界があるのですね…
それを演じる吉沢亮も横浜流星も素晴らしい…以上の言葉が見つからないくらい圧巻でした。
何より『曽根崎心中』は吉沢亮も横浜流星も演じ方が違うのにこんなに歌舞伎の演技なんて分からないはずなのに涙が出るほど感動しました。
最後の『鷺娘』では、喜久雄が才能があっただけでなく波乱の人生の最後に見た美しさに涙が止まりませんでした。
口コミ等で3時間はあっという間の素晴らしい映画と聞いて観ましたが、この映画は本当に映画館で観る価値のある映画です
ただ身体は3時間後に固まってました…
面白かったけど感動は?
心に残ったのは田中泯さん演じる万菊が布団で寝て喜久雄と接するシーンにて。
この部屋は美しいものが何も無い、だから落ち着くのだ、と。
これ逆を言えば美しいが過ぎると疲れてしまうという事ですね。
歌舞伎という美しさにこだわった世界で、この言葉はなんだか印象的でした。
ヤクザの息子であり、落ちぶれてしまった喜久雄にとっては慰め。
そして今のルッキズムやキャンセルカルチャーに対する批判とも、汚い世界への肯定とも取れました。
泯さんはどの役も本当に素敵に演じるのでいつも眼福です。
歌舞伎、私は一度だけ御園座の最前列で見たことがあるのですが…。
うーん、若かったせいもあるかもしれませんがその時はそこまで良さが分からなかったんです。
国宝は映画なのでカメラワークや音楽で演出されていますから、そりゃ劇的に面白く見える。
では実際の歌舞伎でこの映画以上に面白いと感動するのか果たして、と思ったり。
俗物的な見方ですみませんが、考えてしまいました。
あと喜久雄も俊介も挫折して外でドサ回りをしますが、結果そういう経験をしないと芸を極められないのか?と疑問に。
それは歌舞伎の世界を否定しているようにも私は取れましたが、見当違いでしょうか。
3時間の長さを最後まで飽きることなく観れたので、面白いのは間違いないです。
でも見終わった後の感動は私にはさほど訪れませんでした。
主役よりそれ以外の人たちの方が面白く興味深い動きをしていると感じたのもマイナスかな。
偉そうな意見ですが、出来の良い洋画にはとてもかなっていないなと思います。
歌舞伎に取り憑かれた男
【印象に残ったシーン】※覚え書き
◼️代役の本番前、震えて身動きがとれない喜久雄に俊介が化粧を施すシーン
お互いの血と芸が羨ましいと言い合う2人。2人の葛藤や感情が痛いほど伝わってきて泣けた。
◼️喜久雄が落ちぶれてぐちゃぐちゃになりながらも、屋上でただただ踊り狂っているシーン
美しくも歌舞伎に取り憑かれ狂気を感じる様子がとても印象的だった。吉沢亮圧巻の演技。
◼️片足を失いながらも曽根崎心中を演じる俊介の半分壊死した片足を喜久雄が涙目で抱えるシーン
共に切磋琢磨し、衝突も和解も乗り越えてきた2人の絆とやるせなさが伝わってきた。
他にも俊介の子供を喜久雄が指導していたり、胸が熱くなる場面が沢山。
シーンの切替や話のテンポがよく、3時間の長尺でありながらあっという間に感じた。
とにかく俳優さんの熱演が凄い。歌舞伎のシーンも存分にあったけど、どれだけ練習を重ねたんだろう。
画面の迫力や舞台の臨場感など、是非映画館で観てほしい作品。
なぜこんなに
喜久雄(吉沢亮)に感情移入してみると…
原作未読。大御所の娘に手を出して追放、ドサ回りから急転直下の舞台復...
超大作
血筋
御曹司
ボンボン
私もそれなので非常に思うところが多々ありました
ただでさえ難しい歌舞伎役者という役に
しかも人間国宝という役
演じた役者さんの苦労は計り知れないと思います
ラスト近くにインタビュアーが言った
「まさに順風満帆の人生だったと思いますが、、」
という言葉
まったくもって
マスコミがいかに表面しか見ていないか
マスコミだけじゃない
一般人たちも表面だけを見て勝手なことばかり言うわけで
人生には必ず波があるし
浮いている時期もあれば
沈んでいる時期もある
大きな壁にもぶつかるし
あがめられる時期もある
どうかこれを観た学生さんやみなさんが
これから人生の大波小波を
歯を食いしばって乗り越えていただくことを
期待したいです
私もいろいろあったので笑
白塗りの真似して遊ぶような映画じゃないよ、これは
この映画の話をするのなら、同時期に放映されているブラッド・ピットの...
この映画の話をするのなら、同時期に放映されているブラッド・ピットのF1という映画の話をする必要がある。どちらも共に、何かに取り憑かれている男の話だからだ。方や壊れてしまった家族を取り戻すように歌舞伎にのめり込んでいく主人公と、方や手にする筈だった過去の栄光を求めて壊れた体で取り戻そうとする主人公。どちらも最後に掴もうとした瞬間はその先の透明な静寂だった。
また細かい舞台設定もよく似ている。方やお祭りのF1の世界、方や閉鎖的な歌舞伎の世界をよく調べられており、そのどちらも眼の前で見ているような観客の気分にさせてくれる所まで似ている。本当によくできている、素晴らしい情熱を持った作品が多くて私としては感謝するしかない。個人的にBDは買わない主義なので別の形で還元をしたいと思ってる。
ただし、上手くいっていない所までこの両作品は似てしまった。どちらも特殊な世界を元にしており、その世界に興味がないと後半になればなるほど辛くなっていく所だ。キャラの心中が違っていても、やっている事は同じ、その上、日本は特有の間が長い演出なので余計に長ったらしい印象になってしまった。個人的に3時間は必要ないと思っている。しかし、それでも予算はF1の方が遥かに上であるし、国宝は破滅だけではなかったので点数的に上にした。
お芝居、舞台のようでした
この作品が国宝である
と思えるほどの高クオリティな作品だった。
まぁ演技が凄いのなんの。
実際の歌舞伎を見せられるシーンが多いのだが、指導により演技への変化を解りやすく見せてきたり、役が憑依したと思えるほど入り込んだセリフを聞かされるので、それが圧倒的な説得力になってる。
3時間あるのに中だるみしないストーリー構成も素晴らしい。
事件が結構頻繁に起こるので退屈している暇がない。
50年と言う年月を描いた深みのあるストーリーが役者の演技も相まって、見終わった後に大きな満足感が得られた。
最後に、映画館で見ると舞台とスクリーンが大きさ的にちょうど良いので臨場感やシーンの没入感が増します。
ゴジラ映画並みに劇場型なのかなと思ちゃったね。
圧倒的傑作
映画観た後、小説読むと深みマシマシ
花井東一郎が花井半二郎の代役で舞台に上がった時、「俺は逃げるんじゃない、逃げるんじゃない」と言いつつ、8年も行方をくらました跡取り息子、半弥。
でもね、その気持ちよくわかる。
血でもなく、どんなに努力しても敵わない相手がいることに絶望したんだよね。
幼馴染で恋人だった福田春江が東一郎に「結婚しよう」と言われた時に、「喜久ちゃんは立派な役者だから私はタニマチになる(私の中でセリフは変換してます)」と言った時の彼女の気持ち。東一郎が芸に魅了された芯からの歌舞伎役者だと見抜いていたからだろう。
だから春江は半弥と手に手を取って逃避行。二人の間には東一郎への羨望が絆となって結ばれた。この辺りは原作を読んで噛み締めてみたいと思う。
かたや、人間国宝になるも、90歳を超えて長屋の4畳半一間の布団に横たわる万菊の姿に、芸を極める人は本当に他に何も要らないのだと納得がいった。実際、いろんなことにお金がかかるのだろうけどね。少なくとも投資とか蓄財には興味がないのだろう。
カメラワークが素晴らしく、歌舞伎座で見るよりも様々な角度から迫るように鋭いカットもあり臨場感でいっぱいだった。
ストーリーを追うのもいいが、この監督の世界観に身を任せるのも楽しみ方の一つだろう。
ここから追記
上下巻読みました!
この原作をよくまとめて描いていたとまた感動!ぜひぜひお読みいただければと思うところでございます。←小説をちょっとパクった
映像と演技は良かった
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