劇場公開日 2025年6月6日

国宝のレビュー・感想・評価

全1420件中、1021~1040件目を表示

4.075点

2025年6月11日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

知的

映画評価:75点

【才能と血筋】

古ければ、古いほど血筋が優遇され、
令和の時代とは相反している。

勿論、才能なんかがなくても
努力すれば、それなりのものは完成する。
だけど、成り上がってくるやつらは
才能と努力と運を持っている。

じゃあ、それに対抗するには
血筋やら、家柄やら、環境や権力を使って圧力をかけるしか勝ち目なんかない。

今回のストーリーは、
歌舞伎を舞台にした
純粋な若者二人によるものでしたが。

それでも、
才能に嫉妬したり、
血筋に嫉妬したりしている。

文化やら、伝統を重んじる世界だからこその
ジレンマなのかもしれないですね。

でも、それは今回どうでもいい!
そんな事よりも大切な事は主役の二人が一生懸命、そして真摯に練習したんだと感じられた事。

そこに心震わせたし、感動した。
ストーリーも渋くて良かったけど、
主役二人の真剣さに勝るもの無し!

興味なかったですが、
歌舞伎を見に行きたくなりました。

そう思わせた時点で、
この作品は素晴らしかったということです。

人間国宝とは、
その努力と才能を人生かけてきた
運が味方した人なんですね。

本当に凄いです。
尊敬しました。
主役の二人を尊敬しました。

ただ、ストーリーとしては、
3時間あっても足りてないと感じるくらい
どこかにありそうな設定で、そこまで凄くはなかったです。ですのでストーリーへの過度な期待はやめましょう。

両雄の勇姿を見る作品だと思って頂ければ、
ガッカリしないと思います!

ps.前情報を見ずに映画館に行ったものですから、
これは……ノンフィクション?と錯覚しかけました。

【2025.6.11観賞】

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まぁと@名作探検家

1.0PG12(閲覧注意)映画です

2025年6月11日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

高評価レビューが多く、注意喚起も見当たらなかったので、観に行ってきました。
歌舞伎の映画ということで油断していたのもあります。
でも、
PG12は、暴力的な表現や性的な内容が含まれている場合があり、小学生には不適切とされるものに付けられます。
実際、冒頭から父親が銃殺される場面あり、その後も、殴る蹴るや厳しい指導、中盤以降は病気による吐血、足の切断等、凄惨な場面が散りばめられています。
私は、血を見るだけで気分が悪くなる体質のため、途中から気分が悪くなってしまいました。
美しい歌舞伎の舞台と、凄惨な場面とのミルフィーユを3時間、何とか耐えましたが、行くかどうか迷っている方で、血や暴力に弱い人はやめておいた方がよいです。

以上、注意喚起でした。

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POTE

4.5あっと言う間の約3時間

2025年6月11日
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鑑賞方法:映画館

『血筋』と『才能』
お互いにないものを求め合う姿。
切なかったなぁ…。

吉沢亮の凄まじい女形の美しさ。
どれだけ鍛錬したのだろう。
本当に、鳥肌がたつくらい美しかった。

封切りされて、1週間も経ってなかったのに、もうパンフレット売り切れ。
無念…。

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アキ

5.0人の執念を描いた映画だと思う。

2025年6月11日
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泣ける

知的

難しい

歌舞伎に人生をすべてベットした男たちの話で、絵も美しく、吉沢、横浜の演技は見事。。伴侶も子供も顧みないで、自分の全てを歌舞伎に注ぎ込み、舞台は美しい。。。お見事な映画でした。評価が高いのがわかりました。

ただし、導入部分がだるい感じがしたし、歌舞伎の演目の場面では内容を理解していないので、少し辛い部分はあった。歌舞伎入門的な場面だったように思える。演目理解してたら、もっと面白いんだろうな。。。と思ったので-0.5。ただ、わからなくても楽しめるし、演目は有名なのばかりなので、タイトルぐらいはみな知ってると思う。

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コアラ

4.5それでいいの それでもやるの

2025年6月11日
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マスゾー

5.0必見

2025年6月11日
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鑑賞方法:映画館

おそらく今年の日本アカデミー賞最優秀作品です。
どうしても見たくないという人以外はぜひ見てください。

おすすめできない人
長い映画が嫌いな方
こういったジャンルが苦手な方

おすすめ出来る人
それ以外

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おまけ

3.5才能の見返りは……

2025年6月11日
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ゆの

4.53時間があっという間

2025年6月11日
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鑑賞方法:映画館

上映時間を知って最初は長いなーと思ってましたが、始まるとあっという間に終わりました。
キャストの方々の演技に圧倒されました。
特にメインの2人は圧巻ですね。
私は横浜流星さんが「正体」に続き素晴らしい演技だと思いました。女形の表情や目線など魅了されました。
これは映画館で観るべきです。
同じ3時間オーバーのMIは正直ハードルを上げ過ぎたせいか残念でしたが、こちらは本当に良かった。

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みーもりぞー

5.0とんでもない名作でした

2025年6月11日
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おじゅ

4.5映画予告で、よくある音楽コンサートやバレエなどのリアルパフォーマン...

2025年6月11日
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興奮

知的

ドキドキ

映画予告で、よくある音楽コンサートやバレエなどのリアルパフォーマンスを収録して映画にする、その歌舞伎版だと勘違いし、観に行くつもりはなかったのですが、そうではなかったようで観に行きました。(横浜 流星氏推しもあり)
歌舞伎世襲社会に対するアンチテーゼなのか、いやいや私のような歌舞伎を知らない人間に向けた異世界への誘いなのか、はたして・・・・。

前半は抗争で死亡した任侠組長の息子・立花喜久雄(吉沢 亮)と、歌舞伎名門の子・大垣俊介(横浜 流星)の二人の青春成長物語。互いに励ましあい、競いながら、やがて二人で晴れの舞台にて舞う姿にすがすがしさを感じます。また、演出も演題名が表示されて素人には親切ですし、スペクタクル系洋画のような壮大な音楽と歌舞伎のお囃子音が互いに邪魔をせず、引くところは引き、出るとこは出てと、全体を通じて大変良い音楽構成でした。(エンドロール時の音楽も良し)
中盤からは「世襲」を軸に物語は転じていきます。実子・俊介を推す母・幸子(寺島 しのぶ)と、芸で喜久雄を推す父・半二郎(渡辺 謙)との確執・葛藤は周りを巻き込みつつ、仲良くやってきた二人の関係を微妙にしていきます。芸能で歌舞伎だけでしょうか、こういった世界。他所を遮断し、実子を小さい頃から稽古積ませば、そりゃあ二番のいない「一番の芸人」になります。でもこの話で喜久雄は、任侠社会とはいえ組織の頭に成り上がれる才覚を持つ人間の「非凡な血」を持っているわけで、その非凡な血が歌舞伎世界に入り込み、その才を開花させれば、簡単に世襲社会は混乱します。(ですからこのように一本の小説が書けてしまうわけですが。。。)
そして終盤、小野川万菊(田中 泯)の芸や芸人に対する目利きが(とはいえこの方の舞踊は迫力がありスゴイ)二人の悩める若者を正しき姿へと導きます。そして同時にこの少子化社会やパワハラ、セクハラ、様々なエンタメの発展など、現代社会が歌舞伎に襲いかかる懸念からをも救う道を示した。そう感じます。「国宝」というタイトルは主人公・喜久雄ではなく、小野川 万菊に当てたものと想像します。

吉沢 亮さん、横浜 流星さんにおいては、当作品に向けて大変な努力で正に「芸を積まれた」のではと思います。リスペクトの思いで劇中ずっと観させていただきました。素晴らしかったです。
歌舞伎をよく知っている方なら言わずとも必見の一本でしょうか。そして歳取っても歌舞伎を観に行く機会は無いだろうなと思っている私にも楽しめた時間でした。

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hiroishi

5.0魂の演技

2025年6月11日
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泣ける

知的

最後に三代目半二郎と半弥が演じた曽根崎心中は、歌舞伎の伝統とか演技の上手さだとかを超えた人間の悲しみを身体いっぱいに曝け出した情念を感じた。
若いころから切磋琢磨し、反発を繰り返しながら共に歩んだ役者人生。そしてこれが最後の競演になることがお互い分かっていたのか、相手を思いやり労わり合い、そして惨めに転びながら花道を進む姿にどうして涙を堪えられようか。
今年のNo1は決まりかな.....

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パチーノ

4.5壮大な物語ですね

2025年6月11日
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鑑賞方法:映画館

2人!いいですねぇ
さすがです

3時間では、語りきれない物語
あっという間の、3時間でした

最後まで孤独な喜久雄と
歌舞伎の家に生まれた俊介の友情には
なんとも言えない気持ちにさせられました

わかっているから、言いたい、言えない

娘さんの言葉、胸にささりました😭

私としては、もう少し進みをゆっくりして、
春江と俊介の時間や、喜久雄と彰子の時間
はどうだったのか?

そんな目線でも、見てみたい気がしています

とにかく、おふたりとも綺麗でしたし、努力を感じました

本当の歌舞伎見て見たいなぁ…と感じる作品でした

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かえるパン

5.0流星さん好きになりました❤️

2025年6月11日
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驚く

今まで横浜流星さん出演作品、人気先行型で演技がついてきてないって思い大河を含め敬遠してましたが…
今作の流星。
流星演じるチャラチャラした歌舞伎界のボンボン俊介(私が思う流星そのまま)が、演技の為に悪魔に魂を売った喜久雄扮する吉沢亮に敗北。
のち、俊介もまた命を擦り減らして演技に打ち込んでいくさま
吉沢亮、横浜流星ともひと皮もふた皮も剥けた素晴らしい演技でした

あと…すずちゃんも頑張って欲しいな

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あきちゃん

5.0すごいものを見た!!!

2025年6月11日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

知的

・圧巻!!素晴らしい!!とにかく素晴らしい!!
・役者達の鬼気迫る演技、絶対映画館が良いです、これだから映画はやめられません。
・吉沢亮、横浜流星が色っぽすぎる、美しすぎる、素晴らしい役者です。
・芸に人生の全てを捧げる、調子が良いときも、辛く悲しい時も、芸を極めた先に見える景色を求めて芸と向き合っていく、本当にかっこいい人たちです。

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ノリスケ

2.0ごめんなさい。

2025年6月11日
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私としては珍しく原作は未読なままで足を運びました。申し訳無いのですが…正直残念な印象でした。歌舞伎座を舞台としたフィクションとして楽しもうと思っていたのですが…上手く出来ませんでした。日々厳しい鍛錬を乗り越える歌舞伎の世界を、敢えて歌舞伎以外の役者さん達が演じた世界…色々な意味で大変だっただろうな…と感じました。準備はキチンとされている印象ですが…歌舞伎を殆ど知らない海外の方なら楽しめるかもしれないと思いました。

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オバサン

4.5踊りが素晴らしかった!

2025年6月11日
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知的

ドキドキ

以前本を読んでいたので、内容は何となく覚えていました。
でも映画を観たら本当に吉沢亮さんの踊りが素晴らしくて、映画の中の観客と一緒に拍手をしたくなりました。
出演されている他の俳優さん達もそれぞれ迫力があって3時間あっという間でした。
ただずっと体に力が入っていたらしく、鑑賞後は少し疲れました。
とても面白かったです。

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カンガルーポイント

4.5吉沢亮の役作りの勝利!

2025年6月11日
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吉沢亮がとにかくいい!とにかく色っぽい😅前半の「曾根崎心中」の舞で感動して…思わず号泣😭近くに座っていた太ったオバサンにガン見されました😅
僕は原作を読んでから、鑑賞したのですが、原作を読まなくても、充分楽しめます。歌舞伎が観たくなる。歌舞伎の素晴らしさが伝わる映画です。
歌舞伎は世襲世界。そこではあり得ない部屋子の出世物語…しかし…世に出るためにはいろいろな人が犠牲になる。芸は、家族や、友情、愛情も、超越すべきものなのか?しかし、誰もが彼に見惚れてしまう。例え彼に恨みを抱いていても。芸は人に夢を与える。しかし…芸は役者の命を削る。
芸に魂を奪われた役者に私達は夢中になる。ある意味、エンターテイメントの世界の怖さと奥深さを感じました。
原作は上下巻約800ページの超大作。これを見事な映像化に成功した監督と脚本家に拍手😆是非、ご覧ください!

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愚者

5.0強烈なスポットライトと影

2025年6月11日
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知的

吉沢亮さんが今ほどたくさんの作品にお出になるようになる前、なかなか吉沢さんの顔が覚えられなかった。SNSでフォロワーさんの投稿などで写真や映像をちょこちょこ見かけていたんだけど、なぜか「あれ、こんな顔だったっけ?」と毎回思っていました。たぶん多少の歪みとかちょっとした違和感こそが顔の個性として捉えられ、引っかかって記憶に残るのでしょうかね、あまりにも顔の造形が整っているせいか、逆に記憶に残りにくかったのだと思います。
その後は拝見する機会が一気に増えたのでさすがに顔を覚え、すぐ分かるようになりましたが、見るたび「いや〜綺麗な顔だな、まさに美形だな…」とまず造形のほうに意識がいってしまい、正直、あまり演技については注目できていませんでした。(本当に申し訳ないです。)
お芝居がすごくお上手だということに気づいたのは数年前、たまたま或るアニメ映画を観たときでした。主要キャラの声を演じてらしたんですが、正直みている間ぜんぜん吉沢さんだと気づかず、普通にプロの声優さんがやっていると思って聞いていて、エンドロールでひっくり返りそうになりました。声だけの演技だからこそ巧さに気づけました。
それからキングダムなどの実写作品を拝見したときちゃんと演技に注目するようになり、「あ〜あまりに演技が自然だからこそ上手い下手も思わずに観ていたんだな〜」と。
昨年観たコーダの映画では、もはや演技とも思えないくらいの自然さに達していて、ドキュメンタリーを観ているような気分に。手話にまで感情がこもっているように見えて、感服しました。顔立ちの美しさも忘れて演技に見入りました。
(余談ですが、同じく李監督&吉田修一原作の『悪人』で妻夫木さん、『怒り』で広瀬すずさんの素晴らしさに気づいたことを思い出しました。失礼ながらお二人ともやはりお顔立ちの美しさが強烈すぎて、演技について注目できていなかった…)

そんな経緯がありましたので、この映画で喜久雄が「本当に綺麗な顔だね。でもそれは役者には邪魔だ、自分の顔に食われてしまうから」(うろ覚え)というようなことを言われたシーンで、ものすごーく申し訳なくなりました。ほんと顔ばっか見ててごめんなさい…と。吉沢さん自身すごく共感できるセリフなんじゃないかなと想像してしまいました。本当に芝居が好きな役者さんなら、顔が整っていることはむしろ悩みの種にもなりそうですね。

乱れた衣装と崩れた化粧で、屋上で泣き笑いながら踊るシーンの演技、神がかっていました。いや、悪魔と言ったほうがいいか。何が乗り移ったような、何かに取り憑かれたような、あ〜この人はもう歌舞伎に狂ってるんだなと感じ、他の何もかも捨ててでも芸に全てを捧げる役者の純粋に狂った魂に、心を揺さぶられました。

横浜流星さんも凄かったです。横浜さんは同じく李監督の『流浪の月』でDV男役をやられていて、めちゃくちゃリアルで怖く、演技がお上手なのは知っておりました。が、横浜さんといえば真面目でシリアスな役のイメージが強く、今回のようなチャラい役を演じるのを初めて拝見したので、はじめ夜遊びしまくるシーンは少しびっくりしましたが、さすがお上手、だんだん『ちょっと軽薄なところはあるけど芸には真面目、愛嬌がある気のいいお坊ちゃん』を見事に体現されていました。

そして、映像がとてもとても綺麗でした。雪のシーンなどもさることながら、やはり歌舞伎のシーンがとてつもなく美しかった。
舞台を照らす強烈なスポットライトによって落ちる濃い影が、非常に印象的に映されていて、圧倒されるような迫力がありました。
ラストシーンは呼吸も忘れて見入りました。

歌舞伎については私はド素人なので何も言えることはないのですが、いつか生の舞台を観に行きたいと強く思いました。地方住みなのでなかなか難しいですが…
歌舞伎に造詣が深いと思われる方のレビューで、歌舞伎シーンが微妙というようなものも見ましたが、私のような無知な人間に「生で観てみたい」と思わせる力はありましたし、それが歌舞伎の観客を増やして歌舞伎界を盛り上げるきっかけにもなるでしょうから、このような映画が作られたのは悪いことではないのではないでしょうか、などと思ったり。

それでは、積読していた原作小説をさっそく読みたいと思います。

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romi

5.0この映画こそ国宝。

2025年6月11日
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こんなに良い映画に出逢ってしまうと、暫く普通の映画じゃ満足出来ないと思うので要注意です!

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ピーター4

5.0人間の一生を描くには短すぎる時間。

2025年6月11日
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歌舞伎を見る映画ではなく歌舞伎役者の人生を見る映画。歌舞伎を全く知らなくても楽しめた。

類い稀なるセンスに努力を重ね、血筋が全ての世襲制で守られてきた歌舞伎界に食らいつく喜久雄と、恵まれた血筋を活かして幼い頃から稽古を重ねてきた俊介。お互いにないものねだりのように嫉妬し合い、歌舞伎に翻弄されながらも歌舞伎に生きる。2つのジェットコースターのような人生が交互にうなりながら駆け巡っていく重厚な3時間。

実際に歌舞伎を演じるシーンがやはり特に圧巻。画角が横長なことによって引きの絵なのに没入感があるという不思議な感覚。人生で一度だけ歌舞伎座で見たことがあったが、その時とはまた違って舞台を客席の上に浮かんで俯瞰して見ているかのような贅沢な体験だった。

ストーリーからは俊介の芸能人生どころか人生そのものの栄枯盛衰を血筋によって支配されてしまうという残酷さに痺れ、喜久雄からはどんなに順風満帆な人生だと思われている人でも血と汗の滲む努力があり、地獄の底を這いずり回るような絶望を味わったり、理不尽な現実に嫉妬を燃やしたり、人生とは絶対に一筋縄では行かないものだと改めて感じさせられた。

映画としては長いのかもしれないが、人間の一生を描くには短すぎる時間。一瞬の儚さがギュッと詰め込まれている作品なので、フラッと見に行くというよりも、しっかりと集中力を確保して見に行ったほうがより楽しめるかも。

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おけん
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