国宝のレビュー・感想・評価
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出会えて良かった映画。美の衝撃がすごい
とにかく美しい…。
少年時代、父親が殺されるシーンがあまりに美しく恐ろしく描かれていたのが衝撃で、それがラストに繋がっていく様に、美の価値観を揺さぶられました。
芸に生きる人の生き様は、こんなにも孤独なのか。その果てしない孤独の中に、ずっとずっと求めていたものがある。こんなに美しいラストシーンは、他のどの映画にもないでしょう。そんなシーンにふさわしい、美しい歌が聴こえた時は、魂の震えというものを感じました。
役者さんについて。
少年時代役の黒川さん。あどけない顔からの、あの色気は凄まじかったです。静かに燃える炎が、確かに見えました。将来が恐ろしい役者さんですね。
吉沢亮さんも、もはや喜久雄としてしか見れなくなってしまいました。それほど、喜久雄は生きていました。
印象に残ったシーン。
多すぎて上げきれないですが…
・黒川さんの舞台のシーン。会場の空気を完全に掌握していました。圧巻でした
・曽根崎心中の練習(病室で)のシーン。「演じる」ということがこんなに人を感動させるものであることを、初めて知らされた気がしました。
・曽根崎心中の舞台に立つ前、震えてメイクができない喜久雄と俊ぼんのシーン。血と、才能。それは決して二元論ではなく、交わり、支え合っていけるものなのだと信じさせるのに足るやりとりでした
・白虎襲名の際に白虎が倒れたのを見て、動けなくなった喜久雄と、それを刺す万菊の目。全てを見透かす彼の目がとても怖かった
・屋上で喜久雄が踊るシーン。取り憑かれていましたね、喜久雄も観客も。
・俊ぼんと喜久雄の曽根崎心中。映画であることを忘れ、私は歌舞伎の舞台に入り込みました。歌舞伎の舞台?いや、曽根崎心中の世界に入り込んだ。ドキドキして、美しくて、涙をこらえるのに必死でした
・そしてもちろんラストシーン。喜久雄が見つめていたものは何だったのでしょう。芸の神様?父親?半ニ郎?俊ぼん?いずれにしても、生死を超越した何かであり、美しいものであったのでしょう。
芸を極めるということ
3時間飽きさせないテンポ感でもっと描いて欲しい部分もあるくらいで、切り詰めて切り詰めての3時間なんだと思う。歌舞伎の世界に復帰できた理由に関わる部分や人気絶頂の演目も見てみたかった
人間国宝の芸を見たことがあるわけでもないので何とも言えないが、芸に魂を売ることの意味。あらゆることが芸の肥やしになると言われる世界で、血筋の理不尽さに葛藤することや、芸のために他者を利用すること、婚外子を作ること、義兄弟の将来を奪ってしまうこと、仲直りをすること、義母の心無い言葉、義父の執着、自分の才能に溺れること、挫折、あらゆる経験が芸に反映されて、老人といわれる年齢の男性が若い娘を演じる際にこれまでの自身の経験や自分が傷つけた女性のことを思い出すように演じることで細部に神が宿る。そうゆう歌舞伎の世界があることを描いた作品なんだと思った。だからこそ国宝になれたのは全ての人をおかげなんだと本気で思っている、婚外子のことも最初からわかっていたけど芸のために必要な過去であった。ここで謝ったりするのは自分の芸の到達を否定することになるので、謝ったりはしないけど人のおかげで到達できたことを理解しているし感謝している。そうゆうことと解釈した。
別世界すぎて共感とかはできないけど、綺麗事じゃない世界の美しさ、儚さを感じて納得させられた。
病室での曽根崎心中の練習シーンと結婚式場の屋上のシーンが個人的にはベストアクトだった。
オールドメディアのゴリ押し映画
大手事務所ありきの映画かな?電通など利権関係も絡んでるんでしょう、テレビでかなりの量の広告をうっていますねそういった意味では広告宣伝費にかなり巨額なお金をかけているのでしょう、たいしたことない映画です。F1か鬼滅の刃を見ることをお勧めします。
これほど美しい映像表現にはなかなか出会えない
陰湿な物語だった。
主人公が性格悪い。
結局のところ主人公は周囲の人間にした仕打ちについて全く反省していない。人に対する責任感がなく、人との関わりを全て自己陶酔に繋げてしまうナルシスト。
物語はそんな主人公を落ちぶれさせることによって「表面上」非難しているだけ。ラストの娘との再会のシーンは、娘を主人公を飾り立てるだけの舞台装置としか扱っていないことがわかる。
結局のところ犠牲者は主人公の人生の飾りだったと伝えたいのかと解釈してしまった。
原作ではもう少し血の通った物語であると聞いたため、ここまで陰湿に仕上がったのは脚本と監督の手腕のせいだろうと思う。
映像は終始美しかったが、ちょうど飽きてきたところで瓶を叩き割ったり、殴り合いのシーンが始まるのが嫌だった。
こちらが無理やり叩き起こされている気分になって精神的に疲れた。
日本映画史に残る傑作
面白いとか、感動とか月並みな感想を超えて、ただ、ただ凄い映画を観た!というのが正直な感想。こんな作品は観たことがない。ただ一途にひたむきに歌舞伎の芸に没頭する人間の生涯を垣間見たと言えばいいのか。吉沢亮と横浜流星の圧巻の演技(ホントに凄いです!)。そして人間国宝役の田中泯のこの世のものとは思えない幽玄な佇まい。その世界観に圧倒された3時間。長尺だけど、一寸たりとも目が離せず、見終わった後に茫然自失となり、立ち上がった際には膝がガクガクしてました。映画好きの方は是非映画館で観ていただきたいです。
ん〜やはり…
どうしても覇王別姫がよぎる
役者陣は本当に素晴らしい。映像も美しく見応えがあり、鬼滅の刃よりも長さを感じさせなかった。
ただ、ストーリーは日本人が大好きな「おしん」フォーマット。不幸な生い立ちの主人公が、困難に立ち向かい成長し大人物になっていく。
どうしても比較になってしまうが、社会体制に翻弄され続けた覇王別姫に対して非常に作品が内向きだ。歌舞伎の内側だけの話。血縁主義に翻弄されて続けてもそれを変革する方へは進まない。おそらく原作者が歌舞伎の内側に入りすぎたんだろう。外からの目が欠けているように思う。結局カタルシスは喜久雄の中だけでしか起こらない。
この作品は海外での公開を見越したビッグバジェットだそうだが、海外でヒットするかは疑問が残る。
映像は素晴らしいが、削り過ぎて伝わらない
舞台での映像美は素晴らしい。本物の歌舞伎は見たことがないが、一度本物を見てみたいと思わせる迫力があった。ただ、舞台のシーンに多くの時間を割いた結果、間のさまざまな人間ドラマがあまりにカットされ過ぎていて残念。たくさんの人と関わり、どん底から立ち直る俊介や喜久雄の姿が素晴らしいのに、正直、小説を読んでいなかったら、それが半分も伝わらない気がした。小説も上下巻だったのだから、映画も2部作にしてもっと小説に忠実にして欲しかった。
美しいけど、結構心が痛くなる作品
鬼滅の刃無現城編に次ぐヒットを飛ばしている大長編映画、身内が「映像が綺麗な作品」と評していたことから早速見に行きました。
感想としては歌舞伎のシーンが美しかった。演じているときの表情や目線が男性なのに妙な色気を感じさせらる場面があり、非常に映画映えするシーンが多かった。実際の歌舞伎の舞台とは違う、映画ならではの歌舞伎の魅力が見事に描かれていた感じだった。けれど、ドラマパートではかなり心が痛くなる場面が多く辛い作品だった。主人公がヤクザ出身ということもあり、日本の古来より続く伝統芸能である歌舞伎の世界のルールに対する葛藤や挫折が生々しく突き刺さる場面もまた多く、それもまたこの作品の魅力なのだと感じさせられた。結末としては主人公は最終的には日本一の歌舞伎役者となって国宝に認定されるのだが、それ以上に失ったものが多く、最後に舞台に向かって進み、最高の晴れ舞台で舞う姿は神聖であると同時に孤独な姿で胸に締め付けられるような感じだった。
見て後悔無く感動させられるものだったけど、リピートしたいとは思えない。良い意味で痛々しい作品だったから。
主人公2人それぞれの栄枯盛衰、シーソーゲームだけど、ターニングポイ...
歌舞伎を主でなくヒューマンドラマが主でバックヤードに歌舞伎の世界が...
等価交換
何かを得るには代わりに何かを差し出さなきゃならない
一般人には分からない芸事の世界の裏側を垣間見る様なお話でした
良くも悪くもそういう世界で我々はその断片しか見ていないのかもしれない
そこにリアル感を加える役者陣の鬼気迫る演技を固唾を呑んで見守ったあっという間の3時間でした
主人公の半生を辿る映画なので、登場人物が歳をとるのだけど、しっかり歳相応に見せるメイクも凄かったです。
1つ気になったのは、森七菜さんの役が、パッと出てきてパッと居なくなってしまった所、本人の演技は素晴らかっただけにもう少し背景を描いてあげて欲しかった。
説明のつかない涙
数年に一度ある圧倒的な邦画、な気がした
3時間にビビっていたのと、高評価っぷりに天邪鬼精神が働き腰がなんとなく重かったのだが、やはりちゃんと行こうと。コンディション整えて挑んだが、長尺なのことを心配する必要ないくらい実際には引き込まれた。
スタッフもキャストも丁寧に時間をかけて準備をして撮ったんだなあというのが伝わった。
歌舞伎のほぼなしの自分でも、しっかり作られているのは流石にわかる。
演目を観に行きたくなるのもわかる。幕間席でいいから一度は行きたい。
でも舞台はクローズアップがないから、こういう画角で歌舞伎を見るというのは歌舞伎ファンからしても貴重なのかもしれない。
血と才能というテーマやストーリーは伝統芸能を扱うものとしては新鮮ではない気もするが、(落語が舞台の昭和元禄落語心中とシンクロした)、魅せ方が素晴らしい。
吉沢亮の演技だが、この人は表情があまり変わらないなといつも感じるのだが、本作でもそう思ってしまった。冷めてるけど内に秘めた熱量は全身から発散されているから、本作のキャスティングは当たりなんだろう。(わかりやすい横浜流星の演技のほうが好きではあるが。)
田中泯の圧倒的な存在感と、渡辺謙の漢気と、久々な気がする大作での永瀬正敏の演技も眼福なり。
こういう映画としてきちんと作られた作品が評価されてるのはいいことだと思った。
アニメやドラマの延長も悪くはないのだろうけど、どうしても映画の必要あるか?と思ってしまうから。
骨太邦画万歳。
喜久雄の人生を疑似体験
歌舞伎の世界は世襲だと、寺島しのぶさんが言っていた。ではなぜ、二人の師匠である花井半二郎は、実子の俊介ではなく喜久雄を自分の代役に決めたのだろうか?私生活が派手だった俊介の奮起を促すためだったのだろうか。結果的に俊介は現実を受け止める事が出来ず、8年以上も喜久雄の彼女だった春江と逃避行してしまったので、間違った選択だったと思う。半二郎が襲名の舞台で吐血し、俊坊と叫んだとき、喜久雄は絶望したんだろう。誰も信じられないし、芸の道に邁進するしか無かったんだろう。晩年、人間国宝になった喜久雄は幸せなのだろうか?あのカメラマンの娘さんと交流しても、もう悪魔は見逃してくれると思うが。
観て本当によかった映画です
吉沢亮さんの演技や歌舞伎、カメラワークにしても、映像の美しさにしても、こんなに素敵な映画なかなか観たことがありません。映画館で観て、本当に良かった映画です。エンディング曲に井口さん選んでいるのもとてもよかった。
原作はどう描かれているのか、とても気になりました。
ただひとつ、やっぱり時間が長い。最後は腰が痛くなり、トイレに行く人も多数…
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