国宝のレビュー・感想・評価
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タイトルなし(ネタバレ)
ものすごい業を見た
でもわかってしまう、共感してしまう
一度魅入られたら切望してしまう気持ち、痛いくらい伝わった
ラストの一言が、本当に全てなんだと思った
"どうしてそこまでしてやるんだ?"と問われても、ただ、あの景色が見たい
それだけなんだと思う
歌舞伎は1ミリもわからなくても、演技に美しい舞に何度も涙がでた
「血をがぶがぶ飲みたいくらいだ」って言葉あたりからみるみる引き込まれて、涙が止まらなくて、そこからずっっと心を捕まれつづけてしまった
血は抗えない、でも才能にも抗えない
ラストが本当に本当に美しくて、2度の曽根崎心中もどちらも本当に心にくるものがあって、あの瞬間を味わえたこと、この体験がまた自分も奮い立たせる一つの火花になるんだと思う
圧倒的な作品
とにかく素晴らしかった。キャストの方すべて良かった。なにしろ吉沢亮の圧巻の演技、とんでもないところまで行っちゃったなー。
横浜流星も今回は受けるお芝居が素晴らしい。白虎の代役の舞台前のシーン、涙が止まらなかった。
3時間があっという間。
原作も素晴らしい。
スケール等々今年の圧倒的な1番な作品。
何回も観るよ。
本当にありがとう!!
一つことに身を捧げるということ
東一郎と半弥、喜久雄と俊介。今だったらDVレベルのシゴキだが、本気で教え込もうとしたら、こうならざるを得ない面はあるのだろうな。言葉も柔らかく、小突くことも許されない中で、厳しい芸事の世界観をどう伝えていくのか、本当に今の世の中は難しいよな。
それより何より、吉沢亮と横浜流星、二人の芝居に釘付け。子役も良かったけれど、やはり東一郎と半弥、芸そのものと血筋と。この対立軸、振り子が左右に振れる中で、ドン底に叩き落とされ、泥水を啜り、一度は腐ってしまったとしても。それでも、這いつくばって前へ進み、もう一度立ち上がる。陽の光を浴びる。芸人の性、一つ事に心血を注ぐ、その有り様に心奪われた。神様、悪魔との取引、我々は差し出せるものを持っているのか。全て差し出して手に入れたいものが明確にあるだろうか。
曽根崎心中、半弥の手足、もう先がないことを察してから終幕まで、人間の儚さ、それ故の美しさ、搾り出し表現する力強さ。魂が震えて止まらない。
ラスト国宝となり挑む鷺娘。東一郎は何を思い舞ったのだろう。
そして劇場を出た今。観客たちは何を思い、それぞれの人生を舞うのだろうか。
◇血に焼き付けられた「演技」
人間国宝は、日本の文化財保護法に基づいて重要無形文化財の保持者として認定された人物を指す通称です。芸能、工芸技術等の無形の「わざ」を体得している人。
日本文化における「わざ」は身体の中に刻み込まれている所作の上に成り立っているように感じます。それは長い年月の試行錯誤と切磋琢磨によって何重にも折り返され積み重ねられた身体のリズム。
身体のリズムを形作るのは血です。血の流れの中に、「わざ」の動きの一つ一つが書き込まれて記録され巧みに再現されるのです。
歌舞伎界を巡る二人の役者の人生の浮き沈みを人間喜劇さながらに描くこの作品。秀逸なのは、幼い頃からずっと芸を鍛錬してきた歌舞伎役者のごとく、しなやかに動く身体の美しさです。
身体に刻み込まれた歌舞伎の動きを役者として身体の血に染み込ませて演じているように感じました。もはや演じているというよりは演技そのものが憑依しているようでした。
身体の奥に感じる血のリズムが共鳴し始めるとき、感動の渦が深淵からじわりじわりと湧き上がってくるのを止められませんでした。
作り手たちの熱量に圧倒される作品
映像の美しさ、胸を打たれるストーリー、そして作り手たちの熱量に圧倒される作品。もし喜久雄が身近にいたら、彼に人生をめちゃくちゃにされる人は多いだろう。芸を突き詰めることが人生の第一優先事項で、人に対する情が薄いように見える。だから彼のそばにいることに疲れたり、諦めたりして、離れていく人(女性)は多いけれども、そのことに対しても喜久雄は激しい感情を表したりはしない。
でも、何も感じていないサイコパスのような人という印象は不思議とない。
それは彼の生い立ちや成長過程が丁寧に描かれ、様々な困難や理不尽に苦しんだり失望したりしながら「芸の他には何もいらない」と心に決めた姿、実父や師匠の生き様を目に焼きつけた姿を見ているから、喜久雄はそういう覚悟を持って生きている人なのだろう、と感じさせるのだと思う。
それでも身近な人にとっては、彼は紛れもなく身勝手であるはずだ。けれども、そうまでして彼が追い求めるものが「歌舞伎」の芸であることが、殊更私たち日本人にとっては、その重みを共通の理解としているからこそ、その身勝手さを受け入れてしまう。芸の肥やしなどという言葉が受け入れられない昨今であっても、この作品を見て喜久雄に悪感情を抱く人は少ないのではないだろうか。
ほとんど誰も、彼のようには生きられない。歌舞伎界の御曹司である俊介でさえも。だからこそ喜久雄は国宝になりえたのだ、ということが、説得力をもつ。
そこに真実味を与える脚本や美術なども素晴らしいのだけれど、やっぱり主演の吉沢亮、ライバル役であり盟友役である横浜流星をはじめ、役者陣が本当に素晴らしい。歌舞伎の稽古の中で「その役を生きていないから、そんな表現になるんだ」という趣旨の台詞が何度か出てくるのだけれども、まさにこの映画の俳優陣は、この役を生きたのだと思う。
名作と呼ばれる作品が誕生しました。
圧倒されて泣いたのは初めて
今期一番の映画
原作未読。知人に勧められて鑑賞。とても良かった…。父親の死、盟友との別れを乗り越えて舞台に立つ喜久雄の生き様がよく描かれていたと思う。
個人的には俊介に感情移入してしまった。初めの曽根崎心中で、自分の感情を押し殺しながら喜久雄を励ますシーンに胸を打たれた。最期は糖尿病で両足が壊死…。血筋の問題上、実子にあそこまでのアクシデントがないと、喜久雄が日本一に上り詰めるのは難しいだろうから仕方ないのだが残酷すぎる…。それでも強くあろうとする姿に感動してしまった。
勢いで原作も買ったので読もうと思う。
芸に魂を捧げた役者の覚悟とすごみ
偶然長崎の任侠の親分の息子立花喜久雄の演技を見て惚れこみ女形の歌舞伎役者として弟子に迎えた歌舞伎役者の花井半二郎(渡辺謙)。
彼の跡取り息子花井俊介と共に日々の厳しい修行に堪えながら互いにライバルとして芸の精進に切磋琢磨していたが、ある事を転機に彼らの関係に変化が――
厳しい修行に不満を述べながらも跡取り息子としてその血筋で将来を約束された俊介。
天性の芸の才能を見出されて自分の居場所はここにしかない、と芸を磨き続ける喜久雄。
2人の踊りの所作1つにもわずかな差が感じられるのがすごい。
時に友として時に芸のライバルとして彼らの関係は少しずつ変化しながら成長していく。
自らの魂を悪魔に売ったかのごとく芸の精進のために他のすべてをささげる役者の狂気とすごみ。
その分家庭をはじめ多くの物を犠牲にしてしまう。
そんな覚悟のこもった舞台だからこそ人々を魅了してやまないのだろう。
芸に賭ける覚悟と生き様に息を吞んでしまう、そんな凄みを感じる作品でした。
恩讐の彼方に
「歌舞伎が憎くて憎くてしょうがないでしょう。それでいいの。それでもやるの。それがアタシたち役者というものでしょう」
吉田修一の同名小説を映像化。任侠の子に生まれながら女形としての天賦の才を見出された喜久雄(演:吉沢亮)は、抗争で両親を失った後、歌舞伎役者・二代目花井半次郎(演:渡辺謙)に引き取られる。半次郎の子・俊介(演:横浜流星)と共に歌舞伎の道に進み、歌舞伎役者として頭角を現していくふたりだったが...。
特報を目にした時から、どうしても「さらば、わが愛/覇王別姫」(1993)が脳裡にチラついて仕方がなく、気乗りがしないまま公開1週目での鑑賞を避けてしまった。しかしその後の各方面での声に押されてようやく重い腰を上げたのである。
結局終始圧倒され続けた175分だった。人によっては既に今年No.1に推す声もあるようだが、自分にはこの時点で今年No.1かどうかは分からない。しかし上位に食い込むのは間違いないだろう。単なる家柄と資質の話かと思いきや、喜久雄と俊介それぞれに「生まれの呪い」が降りかかる。約半世紀の物語が展開されるが、その間外部の政治的に出来事は一切物語に影響を及ぼさない。運命を狂わせるのは常に「梨園」という独自の世界である。この小さくも底が見えないブラックホールがふたりに情け容赦なく襲いかかる展開は我が国の文化でしか描けないのではないだろうか。
前半は二代目花井半次郎が物語を牽引するが、半次郎亡き後半は、生前の半次郎の功罪に喜久雄と俊介がひたすら翻弄される。後半は時間の進み方がブツ切りで駆け足気味だった点はやや気になったが、それでも終盤の「曾根崎心中」と「鷺娘」には思わず息を呑んだ。
歌舞伎というものは十七世紀、上方で大流行した。風紀の乱れを懸念した幕府によって女性が舞台に上がることが禁じられ、以来男性が女性を演じる「女形」が誕生する。役のために男性が女性の魂を宿すため、女形にはある種の性倒錯に近い状態が付き纏う。一流の女形は舞台のみならず、日頃の所作や言葉遣いに至るまで女性となるのである。舞台で至上の風景を目にするために悪魔と取引をした喜久雄は、演目を終えて真っ白になった。このまま吉沢亮もろともどこか遠くの世界に連れて行きそうな真っ白な雪に...。
あかん、うまいこと言われへんな...。
ひとつを極める覚悟
美しい映画、キャストの本気が伝わる
この映画こそ国宝
「国宝」日本アカデミー賞、主演男優賞、助演男優賞が見えた。
見なくてはならない映画であった。
歌舞伎のことは全く知らない。
原作も知らない。
しかし、この作品の素晴らしさは十分に伝わった。
単に「映画」と評していいのか分からない。
きっと今年の日本アカデミー賞有力候補となる映画、題材に興味はないけど、映画館で見ないときっと一生見ることはないなと思いつつ…
仕事が休みになったことで、重い腰を上げ見に行った。
吉沢亮が凄いという前評判で有名だったが、その子供時代を演じた黒川想矢が凄かった!
渡辺謙演じる半ニ郎が一瞬で目を奪われる女形を演じなければならない重要な役どころ。ここでコケたら3時間見てられない。
しかし、見事一瞬で目を惹き釘付けとなり、誰?とスマホを出して検索したくなった。
女形の目、美しさ妖艶さ可愛らしさ、本当に素晴らしかった。
私がこの場にいたら、推しになる!
まだこの子で見ていたいと思わせる喜久雄だった。
黒川想矢のホクロを吉沢亮も引き継ぎ、その年代ごとに歌舞伎女形の中で苦悩と深みを加えてさすがであった。
演じたというより、まさにこの世界を生きていた。
横浜流星の最後の舞も生死をかける素晴らしい女形であった。
歌舞伎人生とはこういうものなんだという説得力を感じた。
そもそもこんなにも歌舞伎にスポットライトを当てた作品を作るにあたって、歌舞伎役者を使わずに配役を決めたところが素晴らしい。
そして、俳優陣がその期待に応え、長年の積み重ねに勝るものはない歌舞伎という世界を、体で表情で内側から全て、魂を込めて伝えてくれたように思う。
女優陣の出番は少なかったが、限られた出番の中で、十分にその人となりが伝わり、出番のない部分は想像力で補えるだけの印象を残してくれた。
ただ、最後の娘との再会シーンは、それまでが壮大なだけに、とってつけたように感じてしまった。
娘との再会は、「あなたをお父さんだと思ったことはない」くらいまでのごく僅かな会話だけにし、
その後の喜久雄の歌舞伎を見て、
泣き拍手喝采してるシーンにした方が良かったなんて思ったり。
色々と素晴らしすぎて記述を忘れてしまいそうだが、エンドロールに流れる主題歌。
井口理の透き通る高音が響き渡り、この壮大なる国宝が完成されたと感じた。
私たちの日常は、色んなことをアップデートしなければならない今だからこそ、変わりゆく時代に、
この古き伝統を守り続けたこの時代の歌舞伎を映画化することに意味があった気がする。
物語は歌舞伎の世界の血筋と才能、喜久雄の波乱の生涯を描いているが、
それを聞くと興味ないと思っていた私もこの作品を見て良かったと思わせてくれた。
前評判の期待は裏切らない。
何も考えず、見て、感じてほしい。
宝
だれもが国宝になれるわけでは無い。
ただ時間は誰もに平等に流れていく。
置かれた立場、環境、資質 など様々。
しかし過ごしてきた、思いで、友情、努力
愛情、時間。
それは誰にでも大切にしたい宝物である。
そう感じさせてくれる映画でした。
余韻に浸ってます
歌舞伎は全くの素人、映画もそれほど詳しくない自分ですが、鑑賞後の余韻たるや今まで観た映画の中で一番かもしれないです。
すぐに原作小説を購入、二日で読破しました。
映画はただひたすら辛く悲しく厳しい描写が多く、次々に襲いかかる不幸...全体的に悲壮感に満ちていましたが、原作小説は日常というか舞台や稽古以外のシーンが挟まれていてホッとしました。
喜久雄を取り巻く環境も映画よりかなり人間味がありました。(語彙力乏しくて申し訳ない)
俊介は歌舞伎の名門御曹司という血と同時に、遺伝性の糖尿病という血を引き継いでしまったんですね。
足の切断という悲劇を曾根崎心中に絡めての演出は上手いなぁと思いました。
もう一度鑑賞に行くつもりです。
歌舞伎のお稽古頑張らはったんやね
今年のアカデミー賞獲得間違いなし!!
歌舞伎の知識全くない映画キングダム大好き女がイケメン2人を大スクリーンで拝みたいだけで観に行きました。3時間の作品か〜長いな〜って始まる前は思っていましたが始まると3時間あっ!と言う間に過ぎました。とにかく役者達が豪華で役に合ってて皆上手い!特に渡辺謙&寺島しのぶの配役は大正解ですね。梨園を知ってる寺島しのぶだからこそかもし出せた空気があった。そして国宝級イケメンのお二方にアッパレ!!!魂抜かれました。吉沢亮この作品でアカデミー賞主演男優賞絶対獲ると思う。おめでとう。(←先に言っておく)平日昼間に行っていつも割りと空いてる映画館が結構席埋まっていてご年配の方が多い印象でした。歌舞伎好きな方も観に来てるのかな?今まで歌舞伎に全く興味なかったけどこの映画をきっかけに歌舞伎観てみたいと思いました。歌舞伎がある日本に生まれて日本人で良かったと思った。米安くなりますように。
あっ!最後に配役について1つだけ言わせて!あの高畑充希ちゃん役別の魔性っ気ある女性に演じて欲しかった。高畑充希ちゃん嫌いじゃないよ。でも何故にあの役高畑充希ちゃん??ってちょっと思った。
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