国宝のレビュー・感想・評価
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大満足の作品!
上質な芝居!
ちゃんとエンタメ作品なのに
まるでドキュメンタリーを
観ている様なとっても上質な芝居!
見ているこちらに緊張感がひしひしと伝わってくる
見終わった後にぼーっとしてしまう作品は
本当に久しぶり!!
普段はヨリが多い作品好きじゃないのですが、
周りの状況とか物語とかではなく、
役者の表情が全てを物語ってくる。
吉沢亮と横浜流星の組み合わせが最高に良い。
2人の役の感情がシーソーの様に入れ替わるのに、
ちゃんとどちらにも感情移入出来る。
どっちつかずにならず素晴らしい。
田中泯と黒川想矢も良い。
とにかく全員のお芝居がとても良い。
映像も良き塩梅でテンポが早い訳じゃないのに
全く3時間を感じさせない秀逸な作品でした。
強いて言うと、
もっと盛り上げるとこ盛り上げて感動というか、
泣きにいかせてもと思う箇所があったなぁと。
ただそれをやってないからエンタメに振りすぎず
ドキュメント感があったのだろうとも思う。
圧巻
国宝
本当に吉沢亮と横浜流星始め、俳優さんたちの演技力の高さに度肝を抜かれました。とても薄い感想のように聞こえると思うのですが、冗談抜きで今まで見てきた映画の中で本当に1番と言える映画でした。
わたしにとって歌舞伎という存在は遠い、教科書に載っているものという認識しかなく、歌舞伎俳優さんたちがドラマや映画で出ていると演技すごいなあという感想しかなかったです。ただ、この映画ではその歌舞伎俳優たちが何を目指し、何を想いながら演じ、何を叶えるのか、何を犠牲にするのか、など描かれていました。特に、喜久雄がお初を演じたシーン。師匠である半二郎のお初の代役を任せられた覚悟、化粧する時の手の震え、本当に自分にお初が勤まるのか、俊ぼんでなくていいのかの葛藤、台が上がっていくときの沈黙、観客が見えた時の緊張感、そのシーン全て全てに臨場感があって気づいたら息をするのも忘れ、目に焼き付けていました。幕が上がる瞬間、まるで自分が喜久雄の立場に立っている感覚に陥り、心臓が口から出そうなほどでした。化粧しようとしても震えが止まらなくなっているときに俊ぼんがきて、喜久雄の「怒らんで聞いてくれるか」という言葉に微笑みながら紅を指し、「今、1番俊ぼんの血がほしいねん」(セリフ曖昧でごめんなさい)のシーン、胸が苦しくなりました。その後の俊ぼんの「芸があるやないか」という言葉でさらにやられました。血筋はないけれど天性の女形の才能を持つ喜久雄に対して、大きな血筋と地位はあるけれど喜久雄に芸は劣る俊ぼんという対照的な描写が本当に苦しかったです。良くも悪くも「血」でした。半二郎が糖尿病にかかり、舞台の上で吐血し、最期であろうときに口にしたのは「俊ぼん」だったのも、その俊ぼんが戻ってきて2人で道成寺をやったときに倒れて同じく糖尿病になったのも、舞台の上で倒れたのも、結局血でした。喜久雄には極道の「血」が流れていて、周りを全て犠牲にしてでも不幸にしてでも人間国宝になっていくのも、息子ではなく娘(綾乃)がいたのも、病気にかからなかったのも全てが血だということを感じました。
屋上のシーンはアドリブだと聞いて震えました。彰子が泣きながら「どこ見てんの?」と言って離れていったあと「どこ見てんねやろ」と泣きながら笑い、舞うシーン、本当に辛くて虚しくて、ただただ美しかったです。
吉沢亮の演技を見ている、というより喜久雄の人生をぎゅっと纏めたもの、いわば走馬灯のような3時間でした。役者というのはこんなに汚く美しいものなのか、これほどまでに残酷で虚しくやるせなく、美しい世界があるのかというぐちゃぐちゃな感情になりました。
本当に素晴らしい作品だったのですが、何個か気になった点がありました。森七菜演じる彰子はどこに行ってしまったのか、藤駒も舞台を見に来たりしているのか(綾乃が舞台を見て気づいたらめいっぱい拍手をしていたと言っていたため)、なぜ最初抗争が起きてしまったのか、春江はどんな気持ちで俊ぼんのところへ行ったのか、どうやって俊ぼんと喜久雄は仲直りしたのか、などというところが細かいのですが気になる点でした。
わたしなりに春江が俊ぼんのところに行ったのはきっと喜久雄の演技をずっと傍で見ていたかったからなのかなと思いました。喜久雄の結婚しよっかに対して、「今は喜久ちゃんの役者としての上り坂やねん。今よりいっぱい稼いで1番のご贔屓さんになろ。(略)ペルシャ絨毯買うたろ」とやんわり断ってそれを理解した喜久雄が家を出ていき、春ちゃんが泣いてるシーン。きっと、春江的には喜久雄の奥さんになりたかっただろうけれどこれからどんどん歌舞伎に夢中になって自分のことをいつか見てくれなくなるのでは無いのだろうか、という気持ちでいたときに喜久雄のお初を見て劇場を抜けた俊ぼんの「逃げるんとちゃうで、本物の役者になりたい」という言葉に同じ気持ちを見出して2人で逃げ出す=心中したのではないかと思いました。血筋がない喜久雄と結婚したとしてもどうやったって歌舞伎の血は流れず跡継ぎはできないから、それならば確実に血が流れていて、地位のある俊ぼんの丹波屋に嫁いで喜久雄を入れることでずっと喜久雄の演技を見ることができると判断したのかなあと。映画終盤の喜久雄が演じた鷺娘のシーンの春江の表情はきっと、昔の喜久雄を見てる時と同じ表情をしていると思いました。喜久雄と同じように背中に刺青を入れた春江は、大好きな喜久雄の夢を叶えるためなら、離れていようが、自分も喜久雄のためになんだってする、という気持ちがあったのではないのでしょうか。
という本当に感情がぐちゃぐちゃになる素晴らしい映画でした。今年の色んな賞を総なめするでしょう。楽しみです。
あまりにも凄くて、こわかった
素晴らしかった。初めから終わりまで鳥肌がたち、涙が出てました。
吉沢亮さん、本当に本当にお疲れ様でした。
目や表情が凄くて終盤はもう怖かったです。悪魔と取引してましたね。
また、喜久雄の幼少期を演じた黒川想矢さんの出てきた時の色っぽさにギョッとしました。
個人的に見上愛さんが好きなんですが、演技もとても良かったです!
というか、みなさん凄かったです…、お疲れ様でした…。
ここ数年で一番の傑作邦画
主役は勿論ですが脇が良かった。制作が東宝ってのも良かった要因かな
国宝を見た、
当初見るつもりもなかったのですが、先週F1を突き合わせらので、今回は付き合ってと思い見るに行くことに、見終わって誘ってくれたことに感謝でした。いい映画でした。主演の2人は勿論のこと脇役がよかった。実際に梨園の家庭に育った寺島しのぶさんが出ていることで、よりリアルに感じ、全てを見透かしたような田中眠さんの演技に驚嘆でした。復活したしょうぼうの踊りの稽古をつけている時に、「あなた、歌舞伎を憎んでいるでしょう」と話す姿も迫力がありました。
この映画主役たちが、厳しい稽古や絶望から這い上がっていく姿が見事に描かれていたと思います。
誘ってくれた友人に感謝でした。
PS:終映後反省会の場で、歌舞伎って松竹がやってるのに、この映画は東宝が制作なんだよねと言ったら、松竹が制作してたら色んな人に気を使ってできなかったんじゃないと言う話になりました。
そんなに??
国宝である所以の
テレビやYouTubeで何度か話題になっている作品で前々から気になっている作品でした。
歌舞伎の世界を舞台2人の人間の挫折と成長を描いた作品でした。2人は、それぞれの別の世界で生きたきた2人。
天性の才能を持ち合わせた少年。歌舞伎の家に生まれた少年。2人は、それぞれ目指す目標が同じで同じように練習の日々を積み重ねていく。そんなに中で全く違う世界から入ってきた東一郎がどんどん才能を開花させていく。そんな姿に色んな人達の感情が渦巻く中で,それでも負けずに練習を積み重ねて舞台に上がる。シュン坊は、それに嫉妬心を抱きながらも2人で舞台に上がっていく。
お互いの人間性とそれを挫折を繰り返しながらも自分の信念を負けずに動きもがきぶつかっていく姿に感動しました。
どららの人生が良いとも言えない。
それでも「国宝」になるほどに人間には、普通ではない。
そんな境地に至るまで苦労が必要なのかなと感じました。
人間国宝:3代目花井半二郎のドキュメンタリーダイジェスト版
原作未読、歌舞伎も全然わかりません状態で鑑賞しました。
きっと日本アカデミー賞は総なめになるでしょう。
吉沢亮さんの熱演は確かに凄まじいものがあります。
衣装も舞台も音楽も、いずれも素晴らしい仕事で感服しきりです。
ただ、3時間の長丁場を経過した感想が、歌舞伎役者のドキュメンタリーのダイジェスト版を見ているような感じでした。
才能と血を一つの大きなテーマというか因縁として物語が進んでいきますが、血族パワーが発揮されたのは、横浜流星さん演じる俊介(花井半弥)が出奔から出戻ってきた時だけ?
天才との対比が今一つ弱いように思いました。
ここのコントラストを強くすると、悪役にするか極端な凡才として描くしかないので、ある程度は致し方ないのかなとも思いますが…
あと、横浜流星さんは白塗りでも横浜流星感が全然隠れないですね。
天賦の才の象徴として描かれた吉沢亮さん演じる喜久雄(3代目花井半二郎)、悪魔に魂を売り渡したという割には、鬼畜度はとてもマイルド。
芸子:藤駒との間にできた娘(綾乃)だけが割を食った感じで、他にかかわった人物はそこまで不幸になった様子も踏み台にされた様子もありません。
終盤に綾乃と言葉を交わすシーンがあり、彼女も喜久雄の役者としての生き方に納得してしまっているので、一方的に喜久雄の芸の犠牲になったというだけの感じではないですね。
名跡を継ぐ継がないのくだりも、野心を出してくるわけでもなく師匠に従順で流されるままという描かれ方になっています。
原作が上下巻で合計700ページ超の大作なので、端折ったり掘り下げられなかったエピソードもたくさんあるんだと思いますが、血の壁に阻まれる苦悩や焦燥を深堀りするエピソードが足りないように感じられました。
代わりに、森七菜さん演じる彰子との逃避行→どさ周りのエピソード、無くても話つながるなぁ、これいらなくない?と思ってしまった…
俊介のエピソードとの対比でコントラストにしたかったんだと思いますが、結局二人ともで戻りが許されているという所で血統がどうとか関係ないじゃん、になっちゃってますね。
(あと、二人とも滅茶苦茶な不義理をしてる筈なのに、ずいぶんあっさり戻ってこれたな…歌舞伎界ではあるあるなのでしょうか?)
自分が受けた感じとしては、キャラの掘り下げが色々足りないなぁ、でも長いなぁと思いながら鑑賞していました。
人間国宝となった喜久雄(3代目花井半二郎)の、少年期から壮年期までをドキュメンタリータッチで駆け足3時間にまとめました、という感想です。
そりゃ50年を3時間にまとめたらダイジェストっぽくなりますわ…
主役以外だと、
寺島しのぶさんは、露骨に息子(俊介)を贔屓するもっと嫌なお母さんでよかったんじゃないかなーとか
渡辺謙さんの2代目半次郎は喜久雄に入れ込む様子をもっと強く出してもよかったんじゃないかなーとか
嶋田久作さんと三浦貴大さんを、半弥(血)と半次郎(才能)の代理戦争みたいな対立軸にしてもよかったのに…とか
細かいのが色々出てきますが、メインエピソードですら掘り下げ不足に感じたのに、再度エピソードは差し込む隙間が全くありません。
多分、原作のボリュームに対して3時間でも尺が全然足りないということだったんでしょう、と思いました。
超大作
血筋
御曹司
ボンボン
私もそれなので非常に思うところが多々ありました
ただでさえ難しい歌舞伎役者という役に
しかも人間国宝という役
演じた役者さんの苦労は計り知れないと思います
ラスト近くにインタビュアーが言った
「まさに順風満帆の人生だったと思いますが、、」
という言葉
まったくもって
マスコミがいかに表面しか見ていないか
マスコミだけじゃない
一般人たちも表面だけを見て勝手なことばかり言うわけで
人生には必ず波があるし
浮いている時期もあれば
沈んでいる時期もある
大きな壁にもぶつかるし
あがめられる時期もある
どうかこれを観た学生さんやみなさんが
これから人生の大波小波を
歯を食いしばって乗り越えていただくことを
期待したいです
私もいろいろあったので笑
白塗りの真似して遊ぶような映画じゃないよ、これは
圧巻!
魂が震える大傑作
評判通り良い作品
一人の少年が才能を見出されて歌舞伎の世界に入り、頂点を極めるまでの人生を描いた作品。ちょっと長かったけど、途中でダレることはない。評判通り良い作品でした。
歌舞伎をしっかり観たことはないが面白そうだなと感じた。
吉沢亮、横浜流星、田中泯の演技が素晴らしかった。特に曾根崎心中のシーンは圧巻の演技でした。
世襲と聞くとネガティブな印象を受けるが、先祖代々受け継がれた芸が血筋に沁み込んでいるというのは、大一番に臨むときは大きな助けになる。その世界の中で生まれ育ち、物心ついた時から両親を含めて周りから自然に知識が入る環境というのは大切なことなのかも。
自由であるべきと思うが、特殊な世界の存在も肯定されるべきかな。
この時代に「命を賭ける」ということ
この映画のテーマは「どれだけ1つのことだけに命を賭けられるか」ということと感じました。
人間『国宝』というタイトルのとおり、生きながらにして、命をかけてその境地に達した人のみが「宝」となれ、
キラキラとした雪や、光の景色をみることができます。
これをテーマに各登場人物を私が感じた視点で見ていきます。
【物語と登場人物】
・喜久雄
父親の死に際の美しさ(命を賭けた姿)を見届けたことが、
図らずも彼にその美しさを追い求めさせるきっかけになりました。
ただ、道のりは苦難だらけでした。
魔性の女ならぬ、魔性の男。自然と女性がよってきて、性的な要求には抗えない。もしくは、登りつめるために(無意識に)利用していたか。
名門の俊介とずっといることで嫌でも感じる、血筋への憧れ。
とくに、半二郎(渡辺謙)が亡くなったとき、うなだれる喜久雄をみて、万菊(国宝のおじいちゃん)は、まだ喜久雄には血筋への執着があると認識し、見放します。
血筋もない、名声もない、パートナーもいない、自分には歌舞伎しかない。そんな状態になり、それを感じ取ったのか天から通じたのか、万菊が声をかけました。
そして、俊介が亡くなり、最後の心残りであった娘への心のわだかまりもなくなったとき、真に歌舞伎のみに向き合うことができ、その境地に達することができました。
・俊介(横浜流星)
歌舞伎への熱意はあったものの、それは純粋な踊りへの熱意ではなく、自己顕示欲、負けん気、家柄に対する責任からくるもので、自己への執着がありました。なので、境地までは達して国宝になることは叶いませんでした。
ですが文字通り、命をかけた最期の演技だからこそ、キラキラの景色が見えていた(=境地に達した)ように思えます。
・半二郎(渡辺謙)
歌舞伎一家の長として、国宝になるためには覚悟と命を賭けることは気づいており、
血筋に縛れられている自分の息子は「国宝」にはなれないと悟り、期待を込めて喜久雄に名前を譲ったのかもしれません。
そして彼自身も、最期に俊介の名前を呼んだように、息子に対しての負い目、未練が捨てきれず、(純粋に歌舞伎だけに向き合えなかった)結果的に国宝にはなれませんでした。
・春江(高畑充希)
命を賭ける人に惹かれる、支える(ことに命を賭けていた)春江。
ひたすらに復讐に取り憑かれ、歌舞伎を追求する喜久雄に惹かれます。しかし、売れっ子になり、結婚という選択肢をだされ、迷いが生じた喜久雄に魅力を失ったのか、もしくは結婚して子供を産むと、執着が生まれ、歌舞伎の邪魔になると予見していたのか、喜久雄から離れます。
そして、喜久雄に負け、心の底からうまくなりたいと思った俊介に惹かれ、サポートします。
しかし、俊介が死んだあとは、再び、歌舞伎に命を賭けるようになった喜久雄の舞踊を客席で妻のように見届けます。
ある意味、彼女は、主人公に近いくらい覚悟を持っていた強い人物に感じます。
【演出について】
普段、歌舞伎や俯瞰した視点で見ることが多いですが、ひたすらに表情、手振りに着目
また、演者からみた客席の風景も多用しており、新鮮で飽きずに見ることができました。
【俳優】
個人的には横浜流星推しだったのもあり、特に歌舞伎シーンでは、はじめは目立つ顔立ちの俊介に目がいきました。
しかし、歌舞伎では役になりきることが重視されるとわかってくると、
逆に濃すぎない吉沢亮こそが歌舞伎向きだと感じました。
何も歌舞伎を知らない想像ですが、歌舞伎の女形が白塗り(=凹凸をなくす)のもあくまでそんな意図がある気がします。
最後まで、歌舞伎のように徹底して豊かな表情をみせないものの、しっかりと見ている人に語りかけてくる演技はさすがでした。
そして、ふたりとも、素人の自分には歌舞伎の演技には惹き込まれました。忙しいなかでも相当練習されたのだと思います。
黒川想矢くん、『怪物』の主人公の子役だったことを、エンドロールで気づきました。今作でも圧巻の演技でしたし、そこに少し成長して整った顔がさらに今作の魅力にあっていました。
国宝のおじいちゃん。俳優は田中泯という有名な独特なダンサー。PERFECTDAYSで認識しはじめました。
表現者だからこそ、一言一言に重みがあり、この作品のタイトルを背負う、とてもとても重要な存在になっていたと思います。一番印象的でした。
【脚本】
原作との比較はわかりませんが、
もっとエンタメよりにするなら、もっと裏切りや憎しみ、感動などを前面に出したほうが観客は飽きないでしょう。
ただ、安易にそちらに振らず、歌舞伎と、俳優の演技にフォーカスさせる脚本となっており、好印象でした。
個人的には映画は脚本より俳優と演出が大事だと思っています。
【劇伴(音楽)】
脚本同様、派手な音楽は多様せず、無音な場面も多かったように感じました。
観客の感情を引き出すというより支えるような音楽が多かったです。エンドロールの井口理の曲もちょうどよかったですね。
ただ、必要以上に音楽が全体をより重くしすぎた感はあり、鑑賞後に疲れる一端にはなっていたかもしれません。
【印象に残ったシーン】
命を賭けているシーン、歌舞伎のシーンはどれもよかったですが、それ以外でいうと
全てに見放され、ビルの屋上でまさに「空っぽ」になっていたときの吉沢亮の演技がよかったです。
それまでの緊張の糸がきれた、可哀想だけど、ようやく解放されたような、ちょっと安心しました。
【この映画自体の意義】
・3時間という長丁場
・歌舞伎という若者受けしない題材
・全体的に重く、驚くドンデン返しもない
という時代に逆行している作品に対して、世代を超えて劇場内の人が一体となって全身で感じる。
この時間こそが映画(館)の良さと思いますし、そんな空間にいられることが幸せに感じます。
タイパ重視の世の中も、まだまだ捨てたもんじゃないなと思いました。
さらに、映画を通じて日本文化を広める、映画の文化的価値、外交的価値としても素晴らしいのではないでしょうか。
(本来は歌舞伎を引っ張ってきた松竹がやるべきですが、東宝だからこそできたとも思います)
【総評】
私が重めの映画が好きというのもありますが、
俳優、脚本、演出、そして歌舞伎という舞台が見事にマッチした素晴らしい作品でした。
歌舞伎はほぼ見たことないですが、歌舞伎を見に行きたくなるのに十分な魅力を感じました。
すべてを犠牲にしてなにかに執着する、というのはとてもできないですが、その景色を私もみてみたいものです。
久々に良い映画体験ができ、これだけの長文のレビューも書きたくなりました。
3 レビューの通り
かなりの人達が素晴らしい作品だと評価されていたので
観に行きました。
あっと言うまの時間が過ぎました。
歌舞伎役者の人生を子供の頃から、振り返って
波乱万丈を描いた作品ですが、
ラストの写真を撮る所が、自分を捨てた娘
二人で演じた道明寺
素晴らしい👍
泣けて来ました。
予想以上でした。
横浜流星も素晴らしい役者さんでした。
本当に素晴らしい映画ならではの、迫力がある作品でした。
監督、原作の時点で間違いはないだろうなと
悪人を見た時にこの作品の評価がこんなものなのかとずっと不思議に思っていた
音の使い方とカメラワークで
その場の緊張感を作り出す技術は秀逸変わらない
これは歌舞伎を描いているけど
実際に画面に映っているのは歌舞伎ではない
歌舞伎の一部を映画的表現で脚色して画面に表現しているに過ぎないだからズームアップもするし全体俯瞰ショットも入るしなんなら劇伴もはいる
あくまで穴を開けた障子を覗いて見えるものを拡大して演出してるに過ぎない
舞台で見る歌舞伎は一部をクローズアップして観ることはない
全てを含んだ形で見えるものが完璧な世界なのだ
しかし、クローズアップして観てもこんなにも成立してしまうという事を突きつけられると歌舞伎という芸術が恐ろしいものにすら見えてくる
吉沢亮と横浜流星という役者の素晴らしさはいうまでもないが
曽根崎心中で重要な足に目を向けさせといて
その足が現実を抉り出してくるストーリーの容赦無さ
やはりすごいもんみたと素直に認めた方がいい
蛇足
落ち着いたので他レビューもみました
低評価をみるとこの人は映画というもの誤解しとるというような意見が多く首肯
万人が納得するわけもなく否定の割合のほど良さも佳作の証明
田中泯さんの存在感
全2141件中、641~660件目を表示
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