劇場公開日 2025年6月6日

国宝のレビュー・感想・評価

全2140件中、541~560件目を表示

4.0文句なしに「凄い映画」だが…

2025年7月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

難しい

俳優陣の鬼気迫る熱演や、計算し尽くされたカメラワークや画づくりなど、見応えは十分な作品。

特に主演の吉沢亮は、その整った顔貌と、どこか感情が読みにくい瞳の印象も相まって、キャリア最大の当たり役と言えるであろう主人公の喜久雄を見事に演じ切っていた。

一方で、物語としては非常に類型的な成功譚の形をとっているためか新鮮味に欠け、終盤の挫折から再起への流れにはかなり唐突感がある(人智を超えた力が働いた、という表現なのかもしれないが)など、正直あまり面白みを感じられないものだった。

また、話の軸の一つとなっている血筋にまつわる葛藤と軋轢についても、人物と舞台設定が整った時点で想像できる範疇のもので、特に意外性はなかった。

3時間ほどの作品を飽きずに最後まで見せきるだけの熱量と力をもった「凄い映画」ではあるのだが、個人的には傑作には一歩及ばない良作に留まってしまったというのが正直な印象。

コメントする (0件)
共感した! 19件)
ORANGE

3.0自分には響かなかった...

2025年7月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

俳優陣の演技や、ここまでトレーニングしてきたことは本当にすごいと思いました。この点に関しては文句なしで星5つ。相当な努力があったんだろうな、と感じます。

ただ、ストーリーや全体の構成は正直星1つ…。観終わった直後、どうして自分には全然ハマらなかったんだろう?といろいろ考えてしまいました。。。

まず、歌舞伎のシーンがとにかく長い。最近だとティモシー・シャラメがボブ・ディランを演じた映画でも、ストーリーより歌ってる時間が長すぎて気になったけど、それと似た感覚。ミュージカル映画だったら、歌やダンスでストーリーが進んでいくけど、今回はそういう流れも感じられず、歌舞伎が物語と直接つながっていないこともある

監督の作風として、抽象的で役者の表現を活かすタイプだとは思うんですが、歌舞伎が多くちょっと集中力が切れてしまいました

少ない中でセリフは過激な発言が多いのに、肝心のストーリー自体はかなり薄い気がします。国宝?というところが最後までピンと来ませんでした。作中での、主人公の圧倒的な才能をどう感じ取るのか難しかったです

終盤で年をとるが、特殊メイクがあまり自然じゃなくて、ちょっと気になりました

コメントする (0件)
共感した! 19件)
CandyVL

4.0歌舞伎入門として一級作品

2025年7月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

とにかく、俳優さんたちは歌舞伎の演技を頑張ったと思う。
生半可な稽古じゃここまでできなかっただろう。
そして文句なく美形の俳優二人の女形役者が美しい。
歌舞伎を一度も見たことのない人は「見惚れた」以外の感想しかないんじゃないだろうか。
そして歌舞伎の女形が演じる代表的な演目について、丁寧に見せているのも、映画制作スタッフの思い入れが感じられて良い。
ただその分、尺が歌舞伎の場面に取れれすぎていて、ストーリーが浅くなった感があるかと思う。私は原作未読だけれども、原作のファンにはそのあたりが消化不良かもしれない。
その意味で☆ひとつ減点。

でもまあ、玉三郎の全盛期の舞台を生で見ている私のような人間が見ても、全く退屈しない仕上がりになっているのはすごいと思う。
歌舞伎界にとってとてもありがたい作品。

ともあれ、吉沢亮さん、横浜流星さん、そして子役の方々の並々ならぬ努力に拍手です。

コメントする (0件)
共感した! 19件)
にゃんこ好き@昭和生まれ

5.0芸に生きるのではなく、芸のために死んでいく

2025年7月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

美しさと残酷さが紙一重。

魂を揺さぶられるような、人間の限界に挑む作品だった。
命を削って“芸”に生きる人々。側から見れば華やかで第一線を走る天才たち。でもその裏では、死別、裏切り、孤独、嫉妬と絶望が渦巻いていた。才能と血筋、愛と嫉妬、執念と敗北。誰も救われないし、でも誰も完全に悪くない。

印象に残ったのは、俊介が喜久雄に化粧を施す静謐なシーン、屋上で狂ったように踊る喜久雄、足が壊死しながらも舞台に立つふたりの最後の共演。
血筋がないから役をもらえない喜久雄。芸では勝てないけれど血を引いている横浜流星。幼い頃からともに稽古を耐え抜いたからこそ、どうしようもない苦しみがあった。
「努力では越えられない壁」と、「それでも一緒に立ち続けたい」情の間で、ずっと胸が締めつけられる。

美しい顔がゆがむほど、もがき苦しむ吉沢亮。彼にしかできない表現がそこにあった。「華やかさの代償」という表現がふさわしいのではと思う。
吉沢亮演じる役は、あまりにも多くを失い、喪失をずっと黙って背負い続ける人間だった。演じることが唯一の逃げ道であり、生きる理由でもある。それすらも、身体が蝕まれていく中で削られていく。

吉沢亮という俳優は、美の象徴のような顔をしていながら、苦しむことでこそ本領を発揮する。
彼と同じ日本人であることが嬉しくなるほど、誇り高く、息を呑むほど美しい演技だった。
苦しむシーンが多く何度もその度に涙を流し、頭が痛くなった。

幼少期を演じた俳優さん(黒川想矢さんと越山敬達さん)も本当に素晴らしかった。まだ幼いはずなのに、どこか色気と繊細さをまとっていて、存在そのものが美しい。あの年代特有の儚さと純粋さが絶妙に表現されていて、物語の導入から心を掴まれた。
田中泯さん演じる万菊さんも圧巻でだった。本物の歌舞伎役者かと錯覚するほどの異才と存在感…。まさに「国宝」だった。
渡辺謙さん演じる役の、熱と恐ろしさを帯びた指導のシーンも強烈で、胸がざわついた。
そして喜久雄を支えてきた女性たち──美しく、芯のある彼女たちの姿もまた印象深く、心に残った。すれているのに、どこか清らかで、よかった。

物語の構成、俳優陣の演技、絶妙な配役、そして最後に流れる井口さんの歌──何もかもが素晴らしくて、「とんでもない映画を観てしまった」というのが率直な感想。
まだまだ語り尽くせない魅力がたくさんあるけれど、今回はこのあたりで。

コメントする (0件)
共感した! 19件)
ぽよのすけ

3.5「見てみたい景色」とは

2025年7月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

驚く

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 19件)
HAL9900

人間国宝とはいったい

2025年7月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

驚く

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 19件)
ボノボノ

4.0全てを引き換えに極めた道

2025年7月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

ドキドキ

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 1件)
共感した! 19件)
ちゃわん

4.0邦画としては良作だけど

2025年7月13日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

映画としては本当に良作。
久々に「邦画ってここまでやれるんだな」と感動したレベル。
あと今回はCMの作り方が本当に良かった。
あのCMを見て「見てみようかな」と思ったなら見て損はないと思う。

いやほんと映画としてはすごくいいんだけど、その反面ストーリーがイマイチというか。
見せ場があるのは判るんだけどありきたりというか、淡々としすぎてるというか。
名シーンはバッとフラッシュバックするんだけど「どんな話だったの?」と聞かれると途端に歯切れが悪くなる。
そんな作品。

コメントする (0件)
共感した! 19件)
やまといも

5.0あっという間の3時間

2025年7月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

観たいけど上映時間の長さに躊躇して今日まで来ましたが、観て良かった!
主演の2人の演技が素晴らしすぎた。アカデミーの主演男優賞吉沢亮で決定では?

芸ごとに命を賭ける人たちは私の知らないところできっと存在していて、そんな知らない誰かの人生の伝記を読んだ気分で映画館を後にしました。

どれだけの練習を積んだのか想像もできませんが、久しぶりに心揺さぶられる良作でした。

コメントする (0件)
共感した! 19件)
くま

5.0圧巻すぎて尿意も忘れる。

2025年7月13日
iPhoneアプリから投稿

が、これだけ長尺の作品が増えてくると、
そろそろ劇場側も「途中休憩アリ上映回」を
検討してもいいかも。まじで。
しまじろう映画みたいだけど。

公開1カ月経ってもほぼほぼ満席の劇場で、途中席を立つ人も1人や2人じゃなかったし。

何の予備知識もなくみたから、冒頭の子役時代の流れからは、てっきりキクオ役は武闘派の横浜流星くんになると思ってたら逆でした。

役が変わってすぐ三浦くんに食ってかかるシーンみたら、そういえば吉沢くんもマイキーだったな、と妙に納得。

作品自体は歌舞伎ミリしらでも楽しめる大河ドラマ。

カンヌで絶賛は伊達じゃない。

間違いなく、ふたりの若き大河俳優メインキャスト、監督の代表作になるであろう作品。
これだけのボリュームでありながら、一切の無駄もなく惹き込み続ける展開の連続。

興収では来週公開のおばけアニメ映画の足元にも及ばないかもしれないが、2025公開ではエフワンと並び私的ナンバーワン候補。

どっちも実在の世界(F1、歌舞伎)における架空の人物をイキイキとリアル描くという共通点もあり、間違いなく2作とも映画史に後世まで語りつがれる名作になると思います。

しっかり(トイレの)準備して是非。

コメントする (0件)
共感した! 19件)
ヒビノミライ

4.5吉沢亮さんの大粒の涙の綺麗なことよ

2025年7月11日
iPhoneアプリから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 19件)
Shihommatsu

5.0何回も観たいー女形の読み方について

2025年7月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

主人公2人の演技(まるで、それぞれの人生を生きている様)に惹き込まれて、3時間経ったとは思えないほどでした。本物の歌舞伎は、演者にあれだけ寄っては見れません。そこに映画ならではの、醍醐味があるのだと思いました。寄っても美しい顔と所作の2人だからこその演出でもあるかと思います。泯さんも圧巻でしたし、謙さんもさすがでした。
横浜くんは、蔦重とは全くの別人のようだし、吉沢くんも渋沢とは全く別人のよう、やっぱりその役を
生きているんだなと納得しました。
2回見ましたが、また見たい作品です。1年半の練習も、凄まじいものだったのだろうと予想します。それほど、2人は凄かったです。だから多くの人が心打たれるのだと思います。何回もみたい作品です。
一つ補足になります。
他の方が、劇中で女形を「おんながた」と言うのはやめてとの趣旨の投稿があります。が、おんながたで正しいそうです。おやまと言う時は、「立女形(たておやま)」「若女形(わかおやま)」のように、特定の役柄を示す際に「おやま」と読むことがあると習いました。

コメントする (0件)
共感した! 19件)
るんるん

5.0芸とは何か。

2025年7月10日
iPhoneアプリから投稿

観終わって、最初に思ったのがそれでした。
芸とは何か。
人間国宝・万菊(田中泯さん)。
死の間際に東一郎(喜久雄=吉沢亮さん)を呼び寄せます。

この時の住まいに、わたしは一瞬、驚愕しました。
国宝に相応しい悠々自適の佇まい、とはとても言えない、ボロアパートの一室。
そこで寝たきりの彼は東一郎に、稽古をつけてあげようと言います。
美しいものが何ひとつない、この部屋で。
でもわたしにはわかる、と。

俊介(横浜流星さん)も、喜久雄も、それまでには紆余曲折があります。
華やかな歌舞伎の舞台に居続けることができなくなる。
地方の旅館やあらゆる場所で「どさ回り」をする。
ポンコツ車に衣裳と小道具を積み、踊って演じて、日銭を稼ぐ。
普通の職業のように、転職して食べていくのではなく。
あくまで芸という仕事で、辺境まで流れていきます。

片方は「血筋」という、絶対的保証があり、
片方は「天賦の才」という、これまた持って生まれた絶対的なものがある。
でも運命は順風満帆に、二人を運んではくれない。

職業選択の自由という現代、あえて自ら「芸の道」を選択するという意味。
良い血筋でも、父の名代は継げないこともある。
俊介のコンプレックス。
実力があって名を継いでも、血という後ろ盾がなければ、命綱がない。喜久雄のコンプレックス。
二人とも役者である以上、役を貰えなければどうにもならない。
そしてそれで食べていかなければならないというのに、
それを考え出したら、芸など極められない。
家族を養うなど、至難の業。
むしろ家族全員で営む覚悟がいる。
ましてや人間国宝の称号なんて、頂ければ嬉しいだろうが、
それを目指して頑張るなど的外れ。
合格の基準があるわけではない。

一体どこを、何を目指して、芸を磨き続けるのか。

人間国宝・万菊の晩年。
それは喜久雄の晩年の投影でしょうか。
世俗的には、輝かしい称号。
しかし実際に世間からは幸せには見えない姿でしょう。
本当に一切、何も持たず、残ったのは芸だけ。
でもその芸すら、老いた体では、もう見せることはできない。

その時に、人は何を思うのでしょうか。
こんな時が来るとは。
無我夢中で忘れていたかもしれない。
いや、わかっていたかもしれない。
それでも歌舞伎が好きで、取り憑かれ、演じるしかなかった。
もっともっと、芸を深めたい。
止めたくても止められない。

それはある意味、自分の中の「自然」に突き動かされ、溢れ出すもの。喜久雄はどさ回りで荒れた暮らしをしている時でも、舞台が終わればビルの屋上で、また舞っている。
その姿は常軌を逸しており、恋人・彰子からももはや理解されない。
喜久雄本人すら、わからない。

稀人(マレビト)とよばれる存在は、異郷からやってきます。
外からやってくる存在によって、
生物学的血筋だけでは閉塞し衰退する集団に、新しい息吹とエネルギーをもたらす(厄災も同時に)。
芸道の世界もまた、いつの時代も、稀人を受け入れてきました。稀人の持つ、血に頼らない、純粋に芸のみの持つ力。
喜久雄は禍福をもたらす稀人。
それは「血」の正統をおびやかすと同時に、「芸」の正統を保つ要と言えるかもしれません。

吉沢さん、横浜さんはもちろんのこと、その他の役者さんが全てハマり役。
高畑充希さん演じる、喜久雄の恋人・春江。
なかなかに不気味です。
辛抱強く、日陰の身を引き受けるようで、運は逃さず俊介に鞍替えし(言葉が悪くてゴメンナサイ)、梨園の妻、そして後継の母になる。まさしく女の花道に躍り出る。善悪を超えたしたたかな生き様は、共感できるとは言い難いけれど、心に残ります。このような存在もまた、歌舞伎が続いていく一役を担っている。李監督はいつも、きれいごとにはしないヒューマニズムを描こうとされていると感じます。

コメントする 2件)
共感した! 19件)
xmasrose3105

3.5先が読めない3時間の興奮

2025年7月10日
iPhoneアプリから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 1件)
共感した! 19件)
ジョニーデブ

3.0粗削り

2025年7月4日
iPhoneアプリから投稿

テンポよく話が進み、3時間を感じないスピード感で進む。
ただ、王道の展開で先が見えてしまったし、重要な心理描写を描かないまま進むので、正直粗削りに感じてしまった。

3時間もあったのならもっと描ける部分があったのではないか。
もっと削れる部分があったのではないか
と思ってしまう。

自分の人生では到底味わうことのできない歌舞伎の世界をリアルに醜くも美しく描いた描写はとても引き込まれるものがあった。
世界観を味わうだけでも観る価値は大いにある。

コメントする (0件)
共感した! 19件)
kain

5.0どうしても気になった2つの点

2025年7月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

驚く

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 19件)
羊羹大好き

1.0田中泯鷺娘と若手2名の歌舞伎セリフ部分の演技は特筆に値するが

2025年7月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

表面的なのでまったく入って行けず3時間ほぼずっと苦痛。役者の頑張りがもったいない仕上がりとなっております。時に滑稽にすら見えるのは可哀想で評判とは違いかなりダメな作品の部類でした。

コメントする (0件)
共感した! 19件)
A

5.0無駄のないストーリー。 さすが吉田修一。 いくつもの人生の交錯劇が...

2025年6月29日
iPhoneアプリから投稿

無駄のないストーリー。
さすが吉田修一。
いくつもの人生の交錯劇がなんとも秀逸。
上映前から分かってはいたけどアカデミー賞総なめでしょ。

コメントする (0件)
共感した! 19件)
とよ

4.5「踊りの凄さ」

2025年6月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

今年187本目。

2人の踊りの凄さ。多分何か月も特訓を重ねてあの境地に。俳優さんが命懸けて取り組んでいるから自分も何かしたい。公開から2週間でほぼ満席人気で嬉しい。

追記
クランクインの1年以上前から歌舞伎の稽古、座り方や立ち方、歩き方のイロハから身に付けました。1年かけて一つ成長したい。

コメントする (0件)
共感した! 19件)
ヨッシー

4.0運命に抗う男の生きざま

2025年6月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

吉田修一の壮大な新聞連載小説を李相日監督が映画化。かつて日本映画では溝口健二に代表される「芸道物」のジャンルがあったが、近年なかなかお目にかからない中で、本作は、世襲制、女形など独特な伝統を持つ歌舞伎界に正面から向き合い、風格のある大作に仕上がっている。
出自によって規定されてしまう運命というものに、才能と努力で抗おうとする男の、50年にわたる波瀾万丈としか言いようのない生きざまが描かれる。最後に人間国宝になるという超ハードルの高い難役に挑んだ吉沢亮が素晴らしい。横浜流星ともども、相当鍛錬に励んだようで、舞台シーンでの演技や舞踊、発声など、素人目から見て十分美しく、それだけで感動する。
ただ、襲名口上での吐血や、舞台上での涙、義足の演技といったあたりは、歌舞伎ファンにはどう見えるのか、ちょっと気になるところ。文字で読むのと、実写で見るのではずいぶん違うだろう。
李相日監督の持ち味とも言える役者のパッションを引き出す演出力は、舞台シーンで十分発揮されている。その分、ドラマパートはかなり端折っていて、粘りが足りない感じもしたが、そこは尺の問題から致し方ないところか。
脇役では、田中泯が異様な凄みを放って、強烈。タイトルと重ね合わせて、陰の主役にも見えた。女性陣は、寺島しのぶ以外、影が薄かった。
それにしても、3時間という長尺にかかわらず、ほぼ満席で、しかも館内が明るくなるまで席を立つ観客がほとんどいなかったことが、素晴らしいし、嬉しかった。

コメントする 1件)
共感した! 19件)
山の手ロック
PR U-NEXTなら
映画チケットがいつでも1,500円!

詳細は遷移先をご確認ください。