劇場公開日 2025年6月6日

「李相日の到達点と限界点」国宝 KQさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 李相日の到達点と限界点

2025年7月12日
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鑑賞方法:映画館

日本映画史のひとつの傑作であることは間違いない。歌舞伎界の習わしをもとに複雑な人間関係の絡み合いを描いたこと、歌舞伎という芸能の奥深さ特異性を映画で表現したこと、そして何より吉沢亮たち俳優陣の鬼気迫る芝居を引き出したことに、李相日監督の類稀な才能を感じる。
これは李相日映画のひとつの到達点と感じたが、それと同時にその芸術性が高すぎるゆえ、エンターテインメント性においては限界に達しているのではないかとも感じた。無論これほど没入感のある作品性そのものが至極のエンターテインメントであるのだが、脚本のカタルシスであるとか読後感という観点においては高尚な「芸術作品」という印象がより強い。
映画とは芸術とエンターテインメントの両面を持ち合わせている。小生ごときが限界を決められるわけはなく、李相日監督の想像を絶する映画にまた会えるのを楽しみにしている。

KQ
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