劇場公開日 2025年6月6日

「カルマ、カルマ、カルマ!」国宝 joさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 カルマ、カルマ、カルマ!

2025年6月30日
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鑑賞方法:映画館

序盤。雪景色に広がる父の「赤」から始まったこの物語。
終盤。今度は主人公自身が、舞台一面の白に、鮮やかな「紅」を花開かせる。

その対比を見ての、私の解釈。
「ラストで主人公が見た景色は、
 父親が(に)見た景色と同じだったんじゃないか」。

 ◆

つまり、
「やくざ者」(父)と「(人間)国宝」(主人公)。
傍目には、そこには「大きな違い」しかない。

しかし、その両者は、本質的にはほぼ「同じ」。
どちらも、人間のどうしようもない「業」を背負っていて、
周りを傷つけながらも、必死に生きている。
風が吹けば、いとも簡単に吹き飛ばされてしまうような、
「儚い」存在にすぎないのに。

だけど。
そんな人間が、それでも美しい。
いや、それだからこそ愛おしい。

そんな物語として、私は受け止めました。

 ◆  ◆  ◆
原作未読ですが、
この物語を映画にしようとした製作陣の勇気と、
ここまで素晴らしい映像作品にした、
監督・脚本・出演者に、心からの賛辞を贈りたい。
李相日さん、相変わらず、ヒリヒリさせてくれます。
感情だけでなく、人生ごと。

三浦貴大さん、いい味出してたな。
黒川想矢さんも、どうか「芸」につぶされず、
役者として、人間として、生き抜いてほしい。

jo
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