「黒川想矢から吉沢亮への鉄板リレーが見事」国宝 たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
黒川想矢から吉沢亮への鉄板リレーが見事
観終わってから175分もあったのかと気づいたがこれは歌舞伎舞台をそしてドラマのディテールシーケンスを丁寧に描かんがための長尺で、老害の域に入った「巨匠」たちのやりたい放題垂れ流しとはわけが違う。芸能世界の裏と世襲=「血」の問題に真っ向から切り込んでおり李相日監督なればこそ作り上げることができた「復讐劇」の傑作と思われ、今年一となるであろう大ヒットが内容に相応しい。冒頭、長崎での興行を前に地元ヤクザの新年会に渡辺謙が挨拶に訪れるシーンから「やってくれるな」と感じ、「キル・ビル」雪庭での殺陣シーンが吉沢亮の原風景となるのがアバンタイトルとして的確で、脚本の奥寺佐渡子の手腕も見事。何といっても役者が役者を演じる映画は、映画作りの映画と同じくまずハズレが無い。歌舞伎の「劇中劇」もさることながら、お互いが相手に対して「ブチギレる」演技を「演技中演技」として構成したシーンが「演じるとは何か?」を更に虚実ない交ぜにしていて秀逸。一点、横浜流星が春江(高畑充希)のアパートを訪れるシーケンスでそれに続くシーンを端折ったことだけが残念。
たあちゃんさま
共感ありがとうございます🙂
映画『国宝』は、当初4時間30分の長尺で、興行的な事情で監督と脚本家が3時間に編集して公開されたそうです。
寺島しのぶさんが、「李相日監督の撮影量はえげつない(笑)」と暴露して、吉沢亮さんと横浜流星さんが、苦労して撮影したシーンが結構カットされていたと話していました。
ディレクターズカット版も、いつか劇場公開を期待していますが、作品としてはディレクターズカット版よりオリジナル版の方が高評価だった、という結果もあるかと思ってます。
李相日監督は先週の上海国際映画祭で、「いつか『さらば、わが愛/覇王別姫』のような映画を撮ってみたいという想いを持っていた」と、コメントされていました。
李相日監督の15年前に一度頓挫した企画と、吉田修一の映画化は無理と言われた新聞連載小説が出会って、吉沢亮さんに主演のオファーがあったのは6年前です。
映画『国宝』で歌舞伎指導をされた中村鴈治郎さんが、吉沢亮さんとの対談で 「喜久雄という役を演じながら、同時に歌舞伎の演目の役を演じるという、二重の芝居は僕ら歌舞伎役者にはできない」
初日と2週間後に行った映画館では、平均年齢が三分の一近く低くなり中学生もいて驚きましたが、歌舞伎や国宝のハードルが高かった周りの20代も観たいと言ってるので、公式サイトで演目を予習して行ってねと伝えています。
ラストの喜久雄とスポーツコミックの主人公が感じたキラキラを、選ばれし人だけが見られるダイアモンドダストの世界と表現していたり。
K-POPの最先端のパフォーマンスと歌舞伎が、界隈を問わず通じるエンタメと考察していたり。
吉沢亮と横浜流星のアクスタグッズが売ってなかった!とお怒りだったり…
最近見かけるレビューの感性がうれしくなっていますが、たあちゃんさんのレビューも個性が立っていて、良いタイミングで読めて感謝しています🫡
※長文コメント、失礼いたしました。
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