劇場公開日 2025年6月6日

「近年稀に見る邦画の大傑作!! 吉沢亮さんと横浜流星さんの取り憑かれた様な演技が素晴らしい」国宝 Jettさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0近年稀に見る邦画の大傑作!! 吉沢亮さんと横浜流星さんの取り憑かれた様な演技が素晴らしい

2025年6月7日
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鑑賞方法:映画館

吉沢亮さん演じる主人公 喜久雄の半世紀に渡る怒涛の人生を通し、400年間の伝統を繋いできた歌舞伎の世界、そして抗えない血筋や持って生まれた才能に苦悩し翻弄される人々の人生の栄枯盛衰を李相日 監督が堂々3時間をかけて描ききった大河ドラマ

歌舞伎の世界を全く知らないのでとても興味深く観られ、特に舞台のシーンは圧巻、日本の誇る伝統芸能の格調の高さに圧倒されます

冒頭の長崎のシーンは昔の任侠映画の風格を備え最高にエキサイティングな幕開け、極道の親分を演じる永瀬正敏さんがメチャクチャかっこよかったし、その極道の妻を演じる宮澤エマさんがすごく綺麗で色っぽすぎ
更に『怪物』(2023)の演技が印象的な黒川想矢さんが吉沢亮さん演じる喜久雄の幼少期を演じ、この壮絶なくだりに途轍もない印象を植え付けます、このオープニングだけで見に来た甲斐があったなと大満足でした

美しく豪華絢爛な歌舞伎の世界だけでなく、オープニングの1960年代の長崎から始まり、70〜80年代の大阪を舞台にした重厚でリッチな美術と映像に惚れ惚れします
特にキャラクター達に寄ったカットが多く、渡辺謙さんの出てくるカットはメチャクチャかっこよかったです

吉沢亮さんも横浜流星さんも相当な稽古を積み挑んだ歌舞伎役者の演技が圧倒的で惹き込まれました、間違いなく両名の代表作になると思います

ドン底に堕ちた吉沢さん演じる喜久雄が夜のビル屋上で一人舞うシーンは圧巻、白塗りの化粧が崩れ夜空を拝みながら舞う姿は『ジョーカー』(2019)を想起させ、吉沢さんの鬼気迫る演技の凄みに圧倒されました

そして渡辺謙さん、寺島しのぶさん、田中泯さんの息を呑むほどの存在感が圧倒的でとても贅沢な時間を過ごせました

と、何もかもが素晴らしく、近年稀に見る邦画の大傑作、これを劇場で観られた事自体に感謝です

が、大河ドラマなので仕方がないとは思うけど、終始緊張感に支配された作品なので正直 後半はしんどかった、2時間半以内だったら完璧だったのに、とも思っちゃいました(苦笑)

Jett
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