「危うさ」新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる! LaStradaさんの映画レビュー(感想・評価)
危うさ
伝統ある文芸部に憧れて高校に入ったのに、ひょんなことから学校の鼻つまみ者の新聞部に入部する事になった女子高生のドタバタ物語です。
アイドル映画と思わせて面倒くさい若者の心を見事に掬い上げた『恋は光』の小林啓一監督作なので期待していたのですが、本作は真正のアイドル映画でした。恐らくキャスティングありきのプロジェクトだったのではないでしょうか。人物は非常に分かり易く描き分けられ、ワルは迷いのないワルで、正義によって鉄槌が下されます。
その単純さも気になるのですが、もっと疑問に思った点がありました。本作で描かれる新聞ジャーナリズムは、「正しい事をしているつもりで、いつしか高い所から正義の名の下に人を傷つける」危うさを非常に強く感じました。しかし、そんな事は一切考慮されていませんでした。若い人が観る青春映画にはそんな面倒な事は不要ということなのでしょうか。
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