劇場公開日 2024年8月9日

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「新聞"汽車"として」新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる! サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0新聞"汽車"として

2024年8月17日
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鑑賞方法:映画館

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単純

本当に小林啓一監督か?と疑いたくなるほど、チープで物語の深みに欠ける作品だった。これまでの映画が凄すぎたため、相当期待していたんだけど...ザンネン。全体的な色味は相変わらずの小林節だけど、どうも脚本と音楽が受け入れられない。これまでとは絶対的に何かが違う!と思い、エンドロールを凝視してみると、納得。「ももいろそらを」「殺さない彼と死なない彼女」「恋は光」時には監督兼脚本だったのだが、本作は珍しく脚本を兼任しておらず、結果として小林監督らしさが薄れた作品に。新聞記者と聞いたから、「恋は光」のような文学的で知的な物語を想像していたんだけどなぁ。

音楽に至っては、「赤羽骨子のボディガード」以上に酷い。今どきフリーBGMでもここまでダサくない。しかも使いどころが悪すぎる。物語の肝となる会話をしているシーンやラストスパートなんかにも余計に付け足しちゃうから、緊張感なんぞあったもんじゃない。映画音楽は映画を盛り上げるためにあるはずなのに、これだと盛り下げるどころか、品質そのものを落としている。これだと役者たちの頑張りも台無しだよ...。

主人公の所結衣が主人公になりきれてないのも気になった。周りの個性が強すぎるってのもあるんだろうけど、個人的には杉原が主人公の方が断然面白いだろうなと思ってしまった。というか、髙石あかり、久間田琳加、中井友望に、高嶋政宏って脇を固める役者が強烈すぎる。これだと藤吉夏鈴が活躍する場面がないじゃないか。
コメディにも振り切れていなかったから、全てにおいて中途半端な感じになってしまったのかな。テーマも作風も良いのに。にしても、リンクマが「夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく」とは真逆なキャラで最高だったなぁ。もっと映画出ていいと思うんだけど。

新聞部や文学部にも関わらず、言葉が下手。心に響くセリフが無いのも、結構致命的だよね。まあ短いし、テンポはいいし、クスッと笑えるところもあって嫌いな作品ではないんだけど、なんか色々と上手くいっていないなぁと思ってしまった。小林監督の次回作も別の人が脚本を担当しているか不安だけど...でも、次こそ!

サプライズ