盤上の向日葵のレビュー・感想・評価
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みんな将棋を指すのが早過ぎ
衝撃の快進撃を続ける新人棋士に殺人の疑いが、刑事の捜査の中で過去の...
天才棋士版「砂の器」かと予想していたが、思いもよらぬ展開に。
4人の父
観る人を選ぶかも?
「鬼ころし」だと日本酒です。
1992年、新人王トーナメントに突然現れ呆気なく優勝し、奨励会を経ずに特例でプロ棋士になった男の過去と秘密の話。
1994年に埼玉で白骨死体がみつかり、駒袋に入った希少な駒が一緒に埋められていたことから、その持ち主を追って巻き起こって行く。
あっという間に6組の確認がとれて、未確認の1組の足取りから上条が…と思ったら、上条や死体でみつかった東明の過去のお話しがしばらく続く展開で、尺の半分は将棋の話し!?
まあ盤面をみせるシーンがほとんどないから、駒の動かし方ぐらいしか知らない自分でも問題なかったし、成長と壁と真剣勝負はなかなか面白かったけれど。
犯人捜しや証拠集めと言う感じは全然なくて、クソ親父ならぬミソ親父との因縁を絡ませつつ、いきなり答え合わせをストーリー立ててみせて行く感じだし、ビックリするぐらいヒネリもなければ状況証拠だけでオチに繋げて行くし、死体が同時期にみつかったのはあまりにも都合良いから肩透かし感はあったけれど、哀しいドラマとしては愉しめたかな。
そういえばラストの対局の時、角は違う駒を使ってたってことですよね?
スピード感あり、最後まで惹きつけられる。
原作にない土屋太鳳さんの配役、佳介の元婚約者との設定に見る前は不安を感じていましたが、素人の杞憂に終わりました。最初から最後までスピード感があり、惹きつけられます。原作を読んでいるにも関わらず、啓介の生い立ちに何度も涙し、東明との絡みも最高です。演技派に囲まれて隙がありませんが、なんといっても渡辺謙さんの演技が凄い。原作の東明そのものが目の前に現れたようです。ラストについては、原作は更に啓介を奈落に突き落としますが、それに比べると優しい。ちょっと救われた感じすら覚えます。
映画の評価とは別に、故郷をロケ地に選んでいただいてありがとうございました。(もともと原作でも啓介の故郷が諏訪でありますが…)ゴジラ-1.0に続き、旧岡谷市役所庁舎が使われ、今回は重要文化財旧林家も登場します。タケヤみそは、看板に修正なし、実名で登場とは、いい宣伝になりますね。諏訪地方は味噌蔵が多く、聖地巡礼の折には是非とも信州味噌をお買い求めください。(私は関係者ではありません。あくまでも郷土愛から。)
カッコ良すぎるナベケンはじめ豪華俳優陣の演技合戦だけでも金払う価値アリ
とにかく渡辺謙がカッコ良すぎる
存在感が段違いすぎる
もうこの先、渡辺謙が出る映画は全部観たい
そんくらいカッコ良い
他の俳優陣も豪華であり、演技や長野の美しい景色も堪能でき、それだけでも劇場で観る価値があった
ストーリー自体も面白いが、主人公の境遇から結末があまりに残酷でラスト以降、何かしら救われた後日譚を観たくなってしまった
主人公くらい頭良ければもう少し色んなことから逃れる術も考えられたはずだし、東明が自分と同じような境遇に主人公を巻き込むのとかシナリオで少し納得がいかない箇所はあった
未読だが多分原作では父親からゆすられて止むに止まれず犯行に及ぶ動機や、東明があのような最後を主人公に依頼せざるをえなかった動機がもっとしっかり描かれているんじゃないだろうか
映画では将棋への思いの表現にフォーカスされすぎていて、ミステリーとして一番大事な動機の説得力が薄くなってしまっており、ミステリーとしての楽しみ方は出来なかったが
将棋に賭ける師弟の物語として楽しんだ
「取り壊し前の撮影」
なんて凄絶な
駒音に耳を澄ませば
『柚月裕子』による原作は、文庫版では上下巻の長編。
それを120分尺に纏めているので、
かなりの省略がある。
が、大胆な整理を施したことが、
逆にテンポの良さを生んだ。
とりわけ事件の発端から
容疑者に辿り着くまでの流れはリズミカル。
とんとんとんと進み小気味良い。
その分、後半部での主人公の過去描写に
多くの時間を割けるようになり、
彼の背負って来た宿縁の重さが見事に立ち上がる。
諏訪湖畔の林野で身元不明の死体が発見された。
現場に残されていた希少な将棋の駒を手掛かりに
警察は捜査を進める。
やがて線上に浮かんできたのは
将棋界のホープ『上条桂介(坂口健太郎)』。
幾人かの関係者にあたるうちに、『上条』の生い立ちや過去が
事件に密接に繋がっていたことが次第に明らかになる。
予告編から想起した〔砂の器(1974年)〕との違いはどうだったか。
プロットの面では、やはり近似。
ただ、先の作品は、「病」による差別と偏見を、
「宿命」との言葉で表しながら、
純粋な推理モノとしての側面が主線。
犯人を追う二人の刑事にスポットが当たり、
社会の悪習を糾弾するよりも
謎を解き、犯人に迫って行く過程が手に汗握らせるミステリー。
翻って本作、やはり年かさと若い刑事のコンビが狂言回しではあるものの、
捜査の過程はあくまでも補助線。
主人公の心情を描くのに、より多くの比重を割くヒューマンドラマ。
「病」を「血」に置き換え、
やはり逃れられない「宿命」を強く打ち出しながら、しかし、
最後に鑑賞者に提示されるのは
単なる悲劇ではなく光明だ。
印象的なのは「音」の使い方。
わけても、ぱちんぱちんと響く駒音は
文字だけでは表現できない妙味。
都度都度の駒音は、
シーンに応じた簿妙な違いも紡ぎ出す。
対峙する対局者の胸の内を表現するように。
ベランダに立つ主人公が、
部屋の中から聞こえる盤に並べる駒音に
正気を取り戻す場面が特に胸に響く。
向日葵の花言葉は
「あなただけを見つめる」「情熱」「憧れ」「光輝」とされている。
咲き誇る黄色い花が太陽の方向を追うことが由来らしいが、
本作では打ち付けられる駒音に関係させているよう。
主人公にとって将棋は生きて行くための糧であり、
生命を象徴する存在として鮮やかに踊り出る。
酷すぎる宿命
不幸な身の上話も辛い話も、あまり好きではない。
確かに坂口健太郎は良かった。
優しさゆえに、父親を切り捨てられず、将棋が好きなゆえに、
金を掛けて将棋を指す、博打うちみたいな男(渡辺謙)の将棋を
認めてしまう。
これは棋子の映画ではない。
極道の、人の道を外れたヤクザ者の映画だ。
「狐狼の血」の柚木裕子作。
将棋の世界を、任侠のように描くのは納得できない。
★時代背景がこれで良いのか?
古臭い。
1970年代にに上条桂介は10歳位なので1990年代の現在は、
桂介は30歳半ば位の計算か?
せっかく見かねて助けようと、奨励会への資金を出すという
小日向文世の言葉を
父親を見捨てられない優しさから、無駄にしてしまう。
しかし東大には合格して卒業。
外資系証券会社で優秀な成績を残すが、資金を貯めてプロ棋士になったのか?
★しかし、向日葵の咲く桃農家で働いたのは何歳の時で、
何のためにプロ棋士以外のことをしているのか?
全く理解出来ないストーリー展開。
★向日葵は母の思い出と深く結びつくから、農園を選んだのか。
☆☆☆
プロ棋士になる過程が全く描かれていない。
奨励会以外では、プロ棋士になるの道は難しい、
アマチュアとして圧倒的な強さが必要であるとか。
(ほとんどそんな例はないそうだ)
幾ら素質と才能に恵まれても、死ぬほど対局を積まないと
プロ棋士などになれる訳がない。
この経過がすっぽりと抜けている。
そしてこの話はミステリーなので、殺人事件というか死体が二つ発見される。
(佐々木蔵之介と高杉真宙の刑事は好感度が高かった)
地道に足で調べる「砂の器」のようだが、
佐々木蔵之介は弁当や名産品ばかり食べまくっている。
上条桂介の師匠である道明重慶(渡辺謙)の死体が見つかったのが、3年前。
♥︎今、公式ホームページをちょっと読みました。
農園の娘で元婚約者の土屋太鳳の役は、原作にはない映画オリジナルの
キャラクター、とのこと。
成る程、
【それで辻褄が合わなくなってるんですね】
さてラストなのですが、道明重慶が上条桂介に愛情が僅かでもあるなら、
あんなことは頼みません。
自分勝手なわがまま以外に、何もない。
だから人の道に外れていて、嫌いなんです。
父親(音尾琢磨)の最後の告白も、取ってつけたようで本当か嘘かも
わからない戯言。
小日向文世の夫婦以外にまともな人間は出てこない。
時代錯誤も甚だしく、大正時代か、戦前の設定がギリギリ・セーフ。
道明重慶に一回も勝てない上条がプロ棋士になるなんてあり得ません。
坂口健太郎は情感たっぷりで良かったし、
悪人を演じたら渡辺謙の右に出る俳優はいない。
でも好きになれない作品でした。
生気が目に宿る
原作未読だが実に秀逸な人間ドラマでありミステリーであった。
将棋・将棋の駒がキーではあるが、軸になっているのは主人公 上条桂介の半生の物語。
とにかく役者陣の演技に舌を巻いた。
主人公 上条を演じた坂口健太郎の演技は、
少年期から若い頃には目から生気が失せていたが、
プロ棋士になって以降ラストシーンの目には正気が宿っていた。その違いが素晴らしい。
そして東明重慶を演じた渡辺謙は、登場シーンからもうコワかっこいい。
真剣師としての佇まい、タバコの吸い方、駒の指し方、喋り方、どれをとっても
圧というか迫力がすごい。
私としては校長先生で少年期の上条に将棋を教えた(親のように支えた)重要な役を
演じた小日向文世。慈愛に満ちた優しい佇まいは鑑賞していて胸を打ち、
もっとも印象深かった。
それにしても主人公 上条の生い立ちや生まれの秘密など
壮絶だし、東明との別れもまた壮絶であり、
これからの人生、強く生ききってほしいと心から思うエンディングであった。
坂口健太郎は今後も楽しみ。大河の主役をやってもらいたい。
男の約束。今年の代表作!
唯一の救いであった将棋への情熱
渡辺謙さんがカッコ良く、桂介の子供時代のパートが良かった
冒頭、古いドラマのような演出や音楽(ワザと?)や、上条桂介(演:坂口健太郎)に将棋で負けた方々、棋戦を囲む人たちの演技に少し心配しましたが(失礼)、桂介の子供時代のパートでの唐沢(演:小日向文世)との心温まる回想シーン以降からようやく落ちつき、しかも、これが大変良いお話で「もう本題はいいから、唐沢夫妻に支援され、プロ棋士を目指す桂介の成長物語に変えてくれ」と思うくらいでした。回想パートから本筋に戻った瞬間、少し残念な気分になったほどです。
前・中盤での伏線や描写が後半で上手に繋がり、よくある「何でこうなるの?」みたいな違和感も無く、残る疑問だった「あの親で何で桂介はそんなに天才なの?」への回答含めた謎が事件の真相と共に後半、解き明かされて行きます。
この物語の背景には将棋(駒)があるわけですが、「命を削る」「魂のせめぎ合い」といったワードと、「鬼殺しの○○」といったサブネームをいい大人が口にしておかしくない1対1の対戦ゲームは将棋くらいですかね。囲碁やチェス、ましてやポケモンカードゲームには無いこの独特な世界観の中で、桂介と東明重慶(演:渡辺謙)、その他真剣師たちの人生模様、生き様が熱く演じられ厚みを感じます。ラストは「観る人それぞれで「桂介」という駒の次の一手を進めてもらえれば」というメッセージを感じます。
余談ですが、今回、東明重慶役の渡辺謙さんの最初の登場シーンがすごくカッコいい!(笑)。最近では「国宝」でお見かけしましたが、まだまだ今回のようなギラギラした役で、また何かの映画で観られたらと思いました。
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