「原作ファンだと物足りない。役者に助けられている映画のように感じました。」盤上の向日葵 みぃさんの映画レビュー(感想・評価)
原作ファンだと物足りない。役者に助けられている映画のように感じました。
元々柚月裕子先生の作品ファンです。
こちらの原作も読了済み、ドラマは観ていないのですが映画になりましたので観てきました。
原作は文庫上下巻になるほどの量を、2時間に収めるにはどこをカットしてどこをクローズアップしているのか気になるところでしたが、原作未読の方にも流れが分かるようになっていたのは見事でした。
タイトルが「向日葵」ということで向日葵農園、原作にはない奈津子の存在は視覚や感覚に訴えるには確かに直接的で分かりやすいのですが、原作を読んでしまうとちょっと浅はかな気がしました。
自らの業を受け入れ、「生ききる」ことの意味を見いだしていく物語なので余計な配役は要らないと感じたのは私が原作ファンだからでしょうか。
タイトルの意味が分からない、回収できない、というご意見もあるようですが、原作のタイトルを視覚に訴えてしまう構成にしてしまったので、モヤモヤ感があるのは仕方がないような気がします。
とはいえ役者陣は見事としか言いようがなく、ただ佐野役の高杉真宙くんが現代っ子ぽくてちょっと浮いてましたがまあそれも愛嬌かな。
音尾さんのクズ親父っぷりが秀逸すぎて、まだ脳裏に焼きついてるほど。
坂口さんの子役をされた小野桜介さんの演技には震えました・・・
将棋部分は盤面が映るシーンは少なく顔芸対決になっておりましたので、「将棋」を目当てに観ると物足りないのではないかとも思いますが、あの顔芸対決だけでも一見の価値ありです。
(余談)
過去シーン街中の将棋クラブがあった地域、1980年代後半の設定ですよね、もっと垢抜けていたと思います。昭和の臭い満載過ぎでちょっと笑ってしまいましたw
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