「人間の愚かさvs生きる力強さ」盤上の向日葵 mr.buonoさんの映画レビュー(感想・評価)
人間の愚かさvs生きる力強さ
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山中で発見された死体の身元から犯人と死の真相を追う中で人間模様を描いた作品。貧しい少年期を過ごした青年が有名なプロの将棋士になる迄の過程で背負って来た哀しい生立ちが死の真相に絡んで明らかになっていくストーリーが【砂の器】を彷彿させる。勿論、刑事ドラマの様に誰が犯人だったのか、何故殺したのかを解き明かして幕を閉じるだけの作品ではない。しかし、砂の器は欲望の虚しさや愚かさを描いているのに対し、本作は不遇な状況の中でも生ききることの力強さが描かれている点が大きく異なる。ただ、死体が発見されてから容疑者としての心理状態が描かれていない点は解せない。事件の真相が明らかになるに連れて見えてくる人間模様に古臭い展開を感じながらも涙が滲む。そして、ラストで主人公は逮捕されることを悟りながらも生きることを選択した表情に潔さと力強さを感じさせる点が今風であり、昭和からの時代の変化を感じた。
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