「天才棋士の呪われた血」盤上の向日葵 まこやんさんの映画レビュー(感想・評価)
天才棋士の呪われた血
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将棋を軸に山林で発見された謎めく
白骨遺体事件と天才棋士の壮絶で
哀しい人生が描かれたヒューマンドラマ。
赤い服を着た母親と黄色い向日葵。
母の幻影が感じ取れて見れるのだろう。
唯一の思い出と安らぐ空間。
でも明るい場所だがとてもせつない。
故郷の父、育ての父、将棋を託した父。
桂介の周りには良縁や悪縁が入り乱れ
愛情と愛憎がずっと続く。
三者三様の父だがこの重いミステリー
に重厚さを与えている3人だ。
死んでる目、輝きの目を演じる坂口健太郎さんは
は良かった。あの音尾さんと格闘シーンの涙。
あの演技は凄い。
東明役の渡辺謙さん。かなりのクズの真剣士。
でも桂介の人生に将棋を必ず引き込ませる
姿は男だ。
あのベランダから飛び降りの時、将棋の駒の
音で正気に戻させるのが渋い。
勝負の世界に足を突っ込んだ二人しか
感じない特殊な異空間だ。背中と顔に刻まれる
宿命と傷と絆。駒の響きと共に。
この二人、どんだけ将棋を愛してるのだろう
と笑った。謙さんに引っぱられ坂口さんの演技が
ワンランク上がった気がした。謙さんの背中を
ずっと追って欲しいと願う。
柄本明さんの勝負は短いシーンではあるが
見応えがあり、あのキーンと張りつめた
緊張感。さすがだ。
盤上に響き渡る1手1手の駒に自分の
運命を注ぐ姿は生き様そのもの。
対局相手に対してのリスペクトと尊厳
感謝を持っている。そういう世界。
呪われた血を受け止め、逃げずに盤上に
向かう姿は断ち切った感じ。
盤上に気持ちを練り込み、また違う向日葵を
咲かして欲しい。そこには赤い光が違った
体温と心で感じるだろう。
勝ち負けだけではない人間の何かを
感じる骨太な映画でした。
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