「才能と呪いの狭間で――「盤上の向日葵」」盤上の向日葵 Bang!さんの映画レビュー(感想・評価)
才能と呪いの狭間で――「盤上の向日葵」
新人王戦。
彗星のごとく現れたアマチュア棋士・上条が優勝する。
その表情は不敵で、どこか楽しそうで――
それでいて物悲しい。
その理由は、ラストで見事に回収される。♟️
上条の“才能と呪い”の二面性が、静かに胸に刺さる。
東明役の渡辺謙の重みある存在感もさすがで、
上条との対峙シーンでは、息をするのも忘れるほど。
盤上に漂う緊張が、そのまま客席まで伝わってくる。
ラストシーン――。
いつかは捕まると、彼自身も思っていたはず。
逮捕直前、ベランダの外に目をやったあと
歩兵を握りしめ、「生ききる」ことを選んだ
上条の姿が印象的だった。
あの瞬間、彼はようやく“呪い”から解き放たれたのかもしれない。🌙
救われるようで、救われない。
けれど、重さの中に確かに“人間の温度と愛”がある。
静かな余韻を残す作品だった。🌻
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