「謎の伏線、回収されず。」盤上の向日葵 リボンさんの映画レビュー(感想・評価)
謎の伏線、回収されず。
主人公が少年時代に手を差し伸べてくれた元校長先生、将棋の手を考えるとき、右手で右耳の耳たぶを触るのが癖でした。その描写が何度もあり、
大人になった主人公も将棋をする時に右手で右の耳たぶを触る癖が描写されたので、
もしや元校長先生の隠し子?あるいは親戚?親族?だから単なる新聞配達の少年にここまでしてあげるのか?と思ってました。
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だって不遇な少年をそんなに助けてたらいくら財産があっても足りません。全く無関係な少年に、いくら虐待されて可哀想といっても温泉旅行やら洋服やら、棋士になるためのテストを受ける料金やその他生活面の資金を全て援助してあげる?
そんな足長おじさんになった理由が分かりません。
親族、隠し子とかなら納得しますが。
結局母親とその実の兄との近親相姦で生まれた子ども??
その兄である主人公の本当の父親はすでに自殺してしまってこの世にいない??
じゃあ元校長先生は本当に全くの赤の他人????
じゃあ何で耳たぶを触る癖が同じなの??!!!!
しばらく面倒を見てもらったからって、他人のおじさんと仕草が似るようになるなんてこと、ある???そして赤の他人ならそもそも耳たぶを触る同じ癖があるなんて描写自体、全く無駄なエピソードです。この映画の中に全く必要ない。
元校長先生が「心の中では本当のお父さんのように慕っていた人」であったことは、あの託された貴重な将棋駒を大事にしまっていたことや、「あの人のように誰かを助ける人になりたい」という発言で充分伝わるし。
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。。。。ただこうなると渡辺謙さん演じる棋士を埋葬する時にその大事な駒を一緒に埋葬したのが全く理解出来ない。
育ての親と言ってもいいほど慕っていて「必ず返してくれ!!」と拘っていた大切な駒、いくら将棋のテクニックとかはまぁ教えてくれたにせよ、日本に数セットしかない貴重品なら購入履歴からすぐ足がつくし、何より元校長先生との大切な思い出の駒。
(いつ買い戻したのか不明だったのもモヤモヤしましたけど)
ずっと大事にこの駒を持ち続けるんじゃなかったの?
何故この棋士とともに埋めてしまったのか?
あんなに元校長先生を慕っていたのに
逮捕される寸前に上着のポケットに入れていたのは
埋葬した棋士との思い出の(そして少なくとも死体遺棄での罪の証拠になってしまう)、死亡時の返り血を浴びた歩の駒???
いややっぱり簡単に足がつく珍しい駒を一緒に埋葬したのが本当に不可解。
「生き抜け!」みたいに言われたことを全うするなら簡単に逮捕されるような証拠を残していかないでしょう。。
逮捕されたら将棋うてなくなるのに、主人公の心情が理解出来なくてなんだかな。。という感じでした。
とりあえず耳たぶ触る癖、この伏線が何も回収されずスルーされた脚本だったため残念な作品でした。
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