正体のレビュー・感想・評価
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それぞれがすごい
どうして 冤罪のような事が起きてしまうのだろう
実際に冤罪で捕まってた人物もいる為に、警察というのは本当にこんなことをでっちあげているのかと、この映画を観て何とも残念な気持ちになった
一家を惨殺し、逮捕され死刑を宣告された鏑木慶一が、脱走劇を繰り広げ、姿かたちを変え潜伏し続けるが、最初はまさに死刑囚が潜むスリルはあった。
でも潜伏先で出会う優しい人と関わるうちに、鏑木の真面目で優しい部分も浮き彫りにされる
建築現場でべんぞう(鏑木)として知り合ったジャンプ(野々村)
フリーのライターの那須(鏑木)として知り合った安藤さん
介護施設で桜井(鏑木)として知りあった酒井さん
それぞれ鏑木の優しさに触れるが、流れるニュースにより逃亡している死刑囚だと勘づきはじめる
潜伏先で何度もヒヤヒヤさせられるが、
1度鏑木の優しさに触れた3人は、鏑木がやってないと信じる
また鏑木も目的を果たすため逃亡しながらに、人の優しさに触れもっと生きたいと思うようになる
一方 鏑木を追う刑事又貫は、鏑木が犯人であるかどうか確信がないまま死刑囚へと追いやってしまっていた。上に言われるがままに鏑木を犯人に仕立て上げたが、鏑木の起こしたとされる事件に酷似した殺人事件がおこり、犯人が捕まったことで鏑木が犯人ではないかもしれない思いが巡っていた
とにかく
冤罪とはあってはならないものだ
その事件がどのようにして起こったか事件が起こった経緯も大事だが、無実の人間が間違って死刑囚となり、それによって拘束されること、人生のいろいろを奪われること、負わなくてもよかったはすの身体的、精神的ダメージを受けること
この代償が埋められることは絶対にないのではないか
それでも出会った人に思いを馳せる鏑木が、しっかり未来に向かっている姿か素晴らしいと思った
優れた秀作だったと思われます、気になっている人は是非!
(完全ネタバレなので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
結論から言うと、今作の映画『正体』は、優れた秀作だと思われ、大変面白く観ました。
まず、大量殺人の冤罪の罪を着させられた主人公・鏑木慶一を演じた横浜流星さんの素晴らしさがあったと思われます。
死刑判決を受け拘置所に収監されている主人公・鏑木慶一は、自傷行為によって救急車で搬送されその途中で脱走します。
初めの野々村和也(森本慎太郎さん)と出会った建設現場での主人公・鏑木慶一は、ほとんど周りとコミュニケーションを取るのも困難な雰囲気でしたが、その後、鏑木慶一はフリーライターとなり、社員編集者の安藤沙耶香(吉岡里帆さん)との出会いなどで次第に人間性を取り戻して行きます。
最後の酒井舞(山田杏奈さん)が働くグループホームでの主人公・鏑木慶一は、シャイさはありながら、一見、普通の人物としか感じない振る舞いをしていました。
この主人公・鏑木慶一の、脱走直後の人間不信から、最後はシャイさは残りつつの一見普通に見える振る舞いの、横浜流星さんの時間経過の演技は、それぞれ秀逸さがあったと思われます。
そして、個人的に本当に素晴らしいと思われたのが、編集者の安藤沙耶香を演じたの吉岡里帆さんの演技だったと思われます。
特に編集者の安藤沙耶香が、モンタージュの積み重ねで主人公・鏑木慶一への不信が少しづつ重なって行く表情は素晴らしかったと思われます。
その不信の積み重ねと同時に、父・安藤淳二(田中哲司さん)の痴漢冤罪を晴らしたい想いも並行して流れ、不信と、主人公・鏑木慶一の普段の振る舞いから感じた信じる想いの矛盾した感情が、吉岡里帆さんの優れた演技と、藤井道人 監督の積み重ねの優れた演出によって、見事に素晴らしく表現されていたと思われました。
もちろん、他作品でも感じている、建設現場での野々村和也を演じた森本慎太郎さんや、グループホームの職員・酒井舞を演じた山田杏奈さんなども、優れた俳優だと、1観客の私にも思われているのですが、編集者・安藤沙耶香を演じた吉岡里帆さんの演技は、作品に説得力の柱を通す、次元の違う演技だったと、僭越ながら思わされました。
(藤井道人 監督の作品の常連でもある、柔軟性自然体のリアリティを作品にもたらす黒木華さんとはまた対極的と思われる)
直線的だけど深さあるリアリティを作品にもたらす吉岡里帆さんの今作でもの素晴らしい演技だったと思われました。
そして、脇としてもう1本の太い柱を作品に通していたのが、警視庁捜査一課係長・又貫征吾を演じた山田孝之さんだったと思われます。
疑うことが職業だとも言える刑事の又貫征吾を、矛盾の背後を感じさせながら、最後まで強固に山田孝之さんが演じたからこそ、対峙する主人公・鏑木慶一が逆に輝いたと思われます。
そして刑事の又貫征吾が一貫して強固だったからこそ、又貫征吾が最後の鏑木慶一の言葉で考えを変えたことにより、最後の鏑木慶一の言葉による感動も増したと思われました。
今作の映画『正体』は、作品の内容構成と相まって、優れた俳優陣の深さと矛盾も引き受けたリアリティある演技によって、素晴らしい秀作になっていたと思われました。
惜しむらくは、警視庁刑事部長・川田誠一(松重豊さん)の、少年法の改正の広報のために冤罪を隠すなどの、ステレオタイプ的な警察描写の演出は唯一どうにかならなかったのかとは思われましたが、私的の気になった今作の欠点はそれぐらいで、それをはるかに凌駕する素晴らしい作品になっていると、僭越ながら思われました。
脚本が予定調和
めっちゃ評判いいですね
人が人を捌く難しさ
泣いちゃったけど、予定調和な感じがして少し物足りなかった。
後半で山田孝之が冤罪である可能性を示唆しエンディングに向かうが、実際だとそうなら無いから冤罪事件は根深く深刻である。
映画であるならそこからをオチにした脚本で「正しいものは勝つ」展開を見せてくれないと!
“死刑囚が脱獄してまでしなくてはならなかった事は… 自身の無罪を晴らす事” って、ひねりなさすぎで横浜流星が変装して逃げ回るだけの映画になってしまっていて少し物足り無い。
袴田巌さんの事件もそうだけど、警察が故意に証拠を捏造し人の人生を台無しにしといてなんで罪に問われないの?
信じる者(信じてもらえる者)は救われる
先週観た「侍タイムスリッパ―」に続いて、この作品も見ごたえがあり大満足でした。年の終わりに2作連続でいい映画に出会えて幸せです。
主演の横浜流星さんは、「線は、僕を描く」や「春に散る」でいい役者さんだなと思っていたけど、この作品でもとてもよかったです。正直脚本にはかなり粗があって、突っ込みどころはいっぱいあったけど、それを差し引いても最後の裁判のあたりのシーンでは涙が止まりませんでした。このレビューのタイトルに書いたように、信じる者(自分の無実がいつかは晴らされると信じた横浜流星・父親の痴漢を冤罪だと信じた吉岡里帆・最後には正義を信じた刑事の山田孝之)のそれぞれの行動に共感し、自らの他人を思いやる行動により短い付き合いの中でも他人から信じてもらえて、自分の冤罪を晴らそうと助けてもらえた横浜流星の、「信じてもらえた」ことによる自己肯定感と、生きたいという強い思いなどが重なって、最後はハッピーエンドになってよかったです。他の人のレビューを読むと、原作はどうもハッピーエンドではなかったようですが、映画ではあのラストで正解だったんじゃないでしょうか。
まさに映画!という感じ
イケメンは助けてもらいやすいよね、でも隠れにくいか、とか山田孝之さんガタイ良すぎるとか、心の中で少々脱線しましたが、
総じて良作と言えます。というか、途中でこれは絶対いい映画だ!と確信しました。横浜流星さんと吉岡里帆さんのシーンから泣き始めて、だいたい泣いてました。吉岡さんはいつ逃亡犯だと気づいたのかな、それでもそのまま一緒にいたのはなにか感じたからかな、それを全く説明もセリフもなしに演じられてて一気に感情移入してしまいました。他の俳優さんの演技も素晴らしくて引き込まれるし、セリフは胸に刺さるし、画(風景)、音楽や沈黙さえも効果的でした。比べてはいけませんが、ハッピーエンドであることも含め、これこれこういう映画が見たいのよ!と思いました。マイナスポイントがなかったので満点にしました。
イケメンは置いておいても、横浜流星さんは、知的で善良、信じるに値する人物を見事に演じておられ、来年の大河ドラマも楽しみです。
テンポはいいけど
冒頭の車からの脱出劇から、どんな「正体」なのかを期待したのだが、普通の人でした。大体犯行時高校生が死刑判決を受けるの?いくら警察上部の意向が働いてたとは言え、物証と動機が皆無でしょう。有りがちな「介護施設に潜り込んで」というのもリアリティなし。「正体」のタイトルの意味が最後まで分からず、モヤモヤでした。流星の演技と勢いだけで作ったストーリーが雑な映画でした。
期待したのですが
私はぜんぜんダメでした。
もちろん、横浜流星の演技はよかったと思う。
この監督は現実世界の警察の冤罪を招く捜査手法や間違いを認めない体質への問題意識は一応あるのだろう。しかし、一警官が幹部の意向に逆らって「誤認逮捕の可能性がある」と記者会見で認めるようなことは現実には起きないわけで、それが起きない組織や体制にこそもっとも根深い問題があるはずなのにその部分との対決は避けて、「こうであったらいいのにね」という展開が何か現状批判になると思っているなら大間違いだと思う。単に映画のリアリティを損なうばかりだし、むしろ現実の問題から観客の目を逸らしてしまうだけだろう。
警察幹部が「真実など問題ではない」と言葉にして述べたり、マスコミがハイエナだったりと、「どうせこんなもんでしょ」という安易な決めつけから発しているとしか思えないステレオタイプなキャラ描写もウンザリする。
なにより、鏑木とわずかに交流しただけの吉岡里帆をはじめとする数人が、冤罪の証拠を探して見つけたわけでもないのに「犯人ではない」と信頼するに至るのはなぜなのか。ここかいちばん重要なところのはずなのに描けていない。
弁護士を動員して捜査資料等を検証した後ならまだ分かるが、その前から「いい人だから」というそれだけで「信じます」っておかしいでしょう。殺人犯が普段はいい人だなんていくらでもありえることでしょうが。
すべては主人公の拘置所でのセリフ(これがまた拍子抜けするような内容)との整合性のためになされた強引な設定としか思えない。
後半の拘置所の主人公との各キャラの接見のシーンは本当に白けるのだが、こういうふやけた描写がいいと感じる人もいるのだろうけど、私はとにかく恥ずかしくてスクリーンを見ていられなかった。
描写が足りていない部分をエモーショナルな音楽で誤魔化したようなところもたくさんある。しかし誤魔化しはきれてないですよ。
信じる大切さ
前々から気になってた映画でやっと鑑賞しました!
日本中を震撼させた凶悪な殺人事件の容疑者として逮捕され、死刑判決を受けた鏑木が脱走した。
潜伏し逃走を続ける鏑木と日本各地で出会った沙耶香、和也、舞そして彼を追う刑事・又貫。
又貫は沙耶香らを取り調べるが、それぞれ出会った鏑木はまったく別人のような姿だった。
間一髪の逃走を繰り返す343日間。
彼の正体とは?そして顔を変えながら日本を縦断する鏑木の【真の目的】とは。
その真相が明らかになったとき、信じる想いに心震える、感動のサスペンス。
というのがあらすじ!
横浜流星さんの演技とてもよかったですね
いろんな表情があってどれも鏑木のほんとの顔だった…
そのほんとの顔を見せることでみんな変わってましたね
最初と最後では語るときの印象が全然違ってました!
山田孝之さんもよかった!
しがらみと葛藤が表情にすごく出てましたね
冤罪の可能性があって犯人は違う人がいるって思いがおそらく撃てなかったことに繋がってるかもしれないですね🤔
部下が撃ちましたけどもしかして死ぬ?って思いました笑
でも当たった場所が肩あたりで生きてたのでよかったと思いました…
そしてあの記者会見で冤罪の可能性があるって言って変わろうと変えようとしてましたね!
これは映画オリジナルの展開みたいです
鏑木が脱獄した理由を最後に言ってる場面がありましたけどそれまでことを考えるとぐっときましたね…
この世界を信じたかったと…
ラストシーンも無音でしたけど反応からすると無罪みたいですね!
演出が印象的でした!
ハッピーエンドでよかったです☺️
この映画を観て冤罪はやっぱり怖いなと思いました…
通りすがりの普通の高校生だったのに運悪く警察がきてさらに殺人犯にされる
気持ちは想像するのも難しいですね😔
人が人を裁くので難しいですけど冤罪がない世の中になってほしいものです
原作は読んでないので映画を観て読みたくなりました!
そしてエンドロールで流れるヨルシカさんの太陽と言う歌よかったです!
いい映画をありがとうございました😊
鑑賞動機:予告7割、ヨルシカ「太陽」2割、評判1割
原作未読。
横浜流星出演作を観るのは、初めてのはず。
特に序盤、同じ構図(雑踏の中の後ろ姿、事情聴取時の横顔等)で切り替えていくところでハートを鷲掴みされる。これ私好きなやつ、絶対そうでしょ。
そして横浜流星七変化。単純に外見を変えるというだけでなく、出会った人たちに影響を与えられ、そしてまた自分でも周りに影響を与えながら、成長/変化していく内面を演じ切った。
なぜ/何を、というミステリ要素は控えめにして、鏑木と周囲との関係性を中心にしているので、逆にここぞというところで、彼がそしてこの物語自体が何を目指していたのかが示されて、心を揺さぶられた。
そして「太陽」ででトドメ刺される。
あえて難癖つけるなら…原日出子さんをいじめるな(違います)、ってくらいか。
良かったです!ただ思うところも。
原作読んで鑑賞。
時間の制約もあり、やや心理描写にかけるところもありましたがよく出来ていたと思います。
終盤の展開は原作と違い、希望を感じることができ良かった。
藤井フィルムならてはのカメラワークの良さも光り、終盤は特に感動的でした。
ただ冤罪の闇の問題提起度はハッピーエンドになったことにより検察の実態の表現も変わり原作と比べ薄くなった印象で賛否両論はありそうです。
隠し切れないイケメン
原作でもイケメンが主人公なのだろうか。
主人公がイケメン過ぎてどんな変装をしてもかなりバレバレなのだが。最初が1番隠してる感じであったが、ライターの時と介護士の時は目力でバレてますよね?
殺人現場に出くわした時普通逃げると思うけど優しくてオドオドしてるのにいざという時勇気を出すタイプ?イマイチ感情移入出来ませんでした。冤罪を再捜査してくれと運動してる方々は現実にはもっと変わり者扱いされています。
救いあるラストは現実社会への強烈な嫌味だと思うけど作品はそうはなっていない。センチメンタルがちょいと過剰であった。
冤罪の恐ろしさ
原作未読です。
物語序盤で吉岡里帆演じる編集者の父親が冤罪で有罪になる。
こんな簡単に冤罪が生まれてしまう恐ろしさ。
その事で警察組織への不信感を募らせたことが逃亡者の手助けをする理由にもなったのだろう。
ただ若い女性が身元もはっきりしない男性を家に上げ一緒に生活するというところは現実味が薄いかなとは思った。
終盤に逃亡犯と刑事が対峙すところで撃ち殺してすべてを有耶無耶にしてしまうのかとハラハラしたがそうはならず安心した。
最後に逃亡した理由を「正しいことをすれば信じてくれる人がいると信じたいから」と言ったところでグッときた。(セリフは少し違ったと思うがそんなニュアンスのことを…)
今回の映画を抜きにしても「正体」が誠実で優しい人が救われる、そういう世の中であってほしいと思った。
全体的にストーリー、キャストともに申し分なかったと思う。
高い評価に期待して観たら、超ガッカリ
逃走とか冤罪とかって聞くと、多くの人が実際にあったニュースのことが頭に浮かんでくると思う。
そういう事実を下敷きにして作ってある映画だけど、リアリティがない部分が多くて終盤には白けてしまった。
先ず、警察の酷さ。今の時代、あれほどの大量殺人事件の犯人が冤罪だったなんてあり得るのか。偉い人が殆ど独断で犯人を決めるなんて、、、、
しかも簡単に逃走させてしまうって何しているのか。
逃走シーンにしても、最初のタコ部屋みたいな会社はともかく、それ以降の出版社や施設は逃走中の犯人が働くには無理があるだろう。
最後は無罪になって良かった、みたいな流れだけど、たった数週間(数日?)関わった人の為に署名活動したりなんて、普通はしないよ。まして殺人犯なのに。
横浜流星みたいな超イケメンだからすぐに家に入れられて仕事の面倒をみてもらえたり、いきなり週末にデートに誘われたわけで、普通の男なら絶対にあんなことあり得ないと思う(僻み)。
これキャストが皆良いですな。
吉岡里帆は個人的にもポイントアップなので。という訳で作品の評価がさらに上がっている。
【以下、思いっきりネタバレ注意】
まあ、しかしラストで本当の犯人が同じような殺人起こすかいな? そして第一の殺人も真犯人の殺害現場での痕跡や血まみれの怪しい人間の目撃者とかいてもおかしくないもんか?
まあ、ひたすら勉学にまじめに望んでいたが人生を踏み外してしまった鏑木はほんと感情移入してしまったわな。
しかし、鏑木の家族が出てこなかったのは多少の違和感あり。息子を信じる親や兄弟姉妹がいたらなおさら良かっただろうにな。
横浜流星の渾身の演技が胸に刺さる ◯◯怖い!
えー、冤罪ってホントにあるんだ!
こわー
…と思った、元死刑囚 袴田巌さん無罪確定
のニュースを見たのはまだ最近のことだ
で、今、この映画の公開
社会派藤井道人監督、旬なテーマに切り込んだ!
確かに今の法律では
18歳で死刑判決を受ける可能性もあるし
実は冤罪で無実の人が死刑で命を落とす可能性もある
警察や検察は、いつも完全に正義で善なのか?
…ふつふつと、考えさせられた
と、ここで、横浜流星!
この映画の現実的には無理のある
ちょっと誇張されたストーリーを
現実の日本の司法制度に考えを巡らせるところ
へと結びつけたのは
ひとえに、彼の演技力だと思う!
気合い十分で素晴らしかった
身体能力も存分に活かされていた
自然と、
そりゃ、必死で逃げるのもわかるわー
と、思えた
ラストが
本当に無実で心優しい人が
その優しさに触れたやはり善良な人に救われる
温かいものでよかった
エンディングのヨルシカの歌が
やけに、この作品にしっくりマッチしてて
席を立てなかった
ツッコミどころ満載
原作は未読ですので、あくまでも映画鑑賞のみのレビューとなります。
ラスト10分は感動的でしたが、それまでのストーリーにツッコミどころ満載なため作品全体としてはイマイチでした。何でこんなに説得力のないストーリーで映画にするのか理解に苦しみます。
あまりにもツッコミどころが多いので全ては記しませんが、特に気になった点を箇条書きにすると
・少年法が改正されたからといって、それだけの理由で「見せしめにちょうどいいから犯人ね」って、いくら何でもそれはないでしょう。
・犯行現場にて、まず主人公と錯乱状態の母親が逃げる犯人を見て、その後、母親が主人公を見たとほぼ同時に警察官が踏み込んで来ますが、警察の到着が早すぎるし誰にも通報する時間など無いのでは?
・そもそも、主人公が逃亡している真の理由が、目撃者の証言を得るためだった訳ですが、そこは本来裁判で争うべきところで、判決が出てから逃亡して証言を得ようとする意味が全く分からない。
・介護施設に立てこもったところへ警察が強行突入しますが、主人公が警察官に抵抗する意図が分からない。
等々、ストーリーに説得力が無くご都合主義な作品は嫌いです。
リアリティとは何か?
信じる事の大切さというテーマが軸になっているのはとても良かったと思うし、感動的なラストも決して悪くはない。つまり物語自体はそれなりに良いと思うのだ。でもどうしてもしっくり来なかったんだよね。なぜかと言うと、主な理由として警察の在り方や捜査手法、刑事の信念などにリアリティが感じられなかった点が個人的には非常に痛かったのだ。
鏑木(横浜流星)を追う刑事の又貫(山田孝之)は上司(松重豊)との板挟みに苦しむわけだが、又貫の刑事として人間としての行動に「説得力」や「一貫性」が圧倒的に不足していたように思えてならない。上司からの命令が絶対とは言え彼はなぜ従ったのか?葛藤を抱えながらどういう正義感で鏑木を死刑にまで追い込んだのか?また脱走した鏑木をどういう気持ちで追い詰めて行ったのか?そして最後に鏑木と対面した時に何を思ったのか?つまり又貫という人間の「生き様」に信念があるかのように描いておきながら、実は一貫性というかまとまりに欠けており、そこが物語として大きく「リアリティ」を損ねてしまう要因になった。それが本当に残念でならないのだ。
理不尽な命令には絶対に従うもんかという正義もあれば、上司が黒と言う限り絶対に黒だと信じる正義もある。つまり誰しも必ず「己の正義」があるはずなのだ(刑事という職業ならなおさらだ)。だからそのどちらかに振り切って又貫なりの「正義」を明確にして欲しかった。またもし彼の正義が「揺らぐ」のを描くのであれば、彼がもっと苦しんで崩壊して行く様を最後まできちんと描いて欲しかった。これはあくまでも僕個人の感覚だが、上司(松重豊)に付いて行くと決めたのであれば、たとえその上司が間違っていようとも一緒に地獄へ落ちて心中する「潔さ」の方が、僕にはズドンと刺さるのだ。
さらに終盤、いよいよ我慢出来なくなった又貫が記者会見で全てをひっくり返すわけだが、そこまでの彼の苦しみや葛藤、覚悟が表現し切れてないため感情移入出来なかったし、ひっくり返す事で彼もまた多くを失ったはずなのに「そういう感じでもない」のも非常に違和感があった。だから最後の面会で鏑木と普通に話す又貫の神経も全然意味が分からない。だってそこは躊躇なく鏑木に対して土下座して懺悔する所じゃないのか?と思わずにはいられなかったからだ。少なくとも刑事という仕事を通じて、又貫なりに人生を賭けて貫いてきた正義が「間違っていた」と認めるならばね。だからアンタは上司に背いてでも全てをひっくり返したんでしょ?と。何と言うか、又貫という刑事(人間)の「考え方のつじつま」が全然合ってないように思えてどうにも納得行かなかったのだ。だから又貫が「彼の正体に気づかなかったんですか?」と問いかけるのもすごくおかしいと感じる。「お前が言うな」と思ってしまうからだ。又貫が鏑木の正体を分かっていたとしても分かっていなかったとしても、どちらにしても違和感しかない。でもこういうモヤモヤ感ってやっぱり人によって感じ方にかなり違いがあるのだろうとも思う。これ上手く伝わってる自信が全くないけど(笑)
他にも警察側が「こいつでいいや」的に安易に犯人に仕立て上げておきながら、いざバレそうになると「警察の信頼は失墜する」ってくだりも何だそりゃと思うし、鏑木が唯一の証人である由子(原日出子)を探し出して証言を求める展開もちょっとどうかと思った。まあ細かい事言い出したらキリないんだけどね。ここまで散々言っておいて何だが、僕は無茶な設定もストーリーも展開も基本的には「あって良い」と思ってる。ただしそれを押し通す力(リアリティ)があればという話であり、残念ながら本作は僕にとってそうはならなかったという事だ。ちなみに僕がここで言うリアリティとは、設定や状況や展開だけでなく背景や心情なども含めて「自分が納得出来るかどうか」というリアリティの事だ。特に分かりやすいのが「悪」の描き方で、これが雑だともう本当に冷めてしまうのだ。色んな作品でよくあるが、警察の雑な動きってマジで冷めるんだよね。
ところで横浜流星君は良い役者になったなと思う反面、あまり作品に恵まれないというか(悪くはないんだけど)僕の好みの作品ではないという印象がとても強い。「春に散る」「流浪の月」なども僕的にはちょっと合わなかった。ただこの作品に対する全体的な評価は概ね高いので、あくまでも僕個人の好みの問題と言えるかなと思う。
素晴らしい俳優
横浜流星の演技が本当に素晴らしく、それにキャストもこれまた素晴らしくて見応えのある映画でした。
姿を変え名前を偽り生活しそれに関わっている人達が逃亡中の「鏑木慶一」だと気づいてしまった時の表情や心の動きに涙が出ました。でっち上げ捜査に葛藤している又貫の苦しみもよく伝わりました。ラストに向けての面会時の会話が感極まりましたね〜
引き込まれた
冤罪の怖さ、組織の怖さ、先入観の怖さ
自分を信じる、相手を信じる、柔軟な余白を持つ
とはいえ、人間の優しさに漬け込む犯罪もあるから
優しいからいい人、というのも気をつけなければですね。
その辺は置いておいて
展開などがうまく、
引き込まれ、あっという間でした。
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