正体のレビュー・感想・評価
全738件中、281~300件目を表示
もう少し謎が欲しい ○◎◎◎○
見やすさ○
ストーリー◎
キャラクター◎
没入感◎
個人的好み○
ストーリーが良かった
ラストは良かったなって感じ
一番の違和感は脱獄してまでやりたいことがわからなかったことかと思います
話にのめり込む感じがあったので面白いのだけれど、警察の指揮の刑事がわざと逃している感じも無いのに取り逃がしたり、ただ無能に見えるのは、風刺とかなのか?
真犯人もあぶり出した感じは無く勝手に出てきて捕まるなど、謎が解けていかなさ過ぎてもの足りない
全体的なクオリティーは高かったが、ラスト感動しきれなかった
全体的に、作品の伝えたいことや展開のスピード間もちょうどよく非常に満足できる作品だった。特にキャストさんの演技がすさまじく、描写も丁寧で、ハラハラドキドキさせられた。しかし、映画のラストで感動しきれなかったなと思ったため、星4という評価にした。
世間では殺人事件の容疑者として認識されている鏑木(横浜流星)の人間性に触れ、沙耶香(吉岡里帆)や和也(森本慎太郎)、舞(山田杏奈)たちが「本当に人を殺すような人間なのか」とそれぞれが疑問に思いながら、警察に訴えたり、信じてみたり、信じられなかったりと各キャラクターの心情に寄り添った没入しやすい演技だったように思えた。特に、沙耶香というキャラクターが特に感情移入しやすく、うすうす鏑木が殺人犯なのではないのかと気づきながらも、父親の冤罪の件や鏑木のやさしさに触れながら、彼の無実を信じて「逃げて、なすくん(鏑木の偽名)」と言う過程に納得しやすかったように感じた。好きになって、ずっと一緒にいたいと思える人が殺人犯だと知ったら、「自分は騙されているだけかもとか」、「ずっと怪しかったから」と鏑木の悪いところばかり目がいってしまうけど、信じると決めたことが演技力や丁寧な描写で納得させられたような気がした。
この映画の残念な点は、物語の締め方にあるかなと思った。特に言いたいのは警察の描かれ方だ。鏑木を犯人にした方が都合がいいからと大した根拠もなく、鏑木を犯人にし続け悪役として描かれ続けた警察側にお咎めがあまりなく、警察側が反省した様子があまり描かれないため、また冤罪事件起こしそうな組織だなと思った。警察の都合で勝手に殺人犯にされた鏑木の奪われた人生の343日間が報われるようなラストにしてくれたら感動できたかなと思う。ある刑事は、鏑木は犯人ではないかもとうすうす感づいていたにも関わらず、本当の最後の最後に罪を認めただけで、鏑木を罵倒し傷つけたこともそれでチャラにするような描かれ方だと思った。そもそも、警察側が無能に描かすぎていて、鏑木が犯人であると気づく人がもっといてもよさそうなのに、物語的に鏑木を追い詰めなければいけないからそうしたというような舞台装置的な役割になっていたような気がした。主人公の鏑木が無罪判決を受けたあと、いったん喜んで警官に殴りかかった方がすっきりするなと思った。「信じること」がこの作品のテーマだと思うが、「信じなかった人たち」の描き方がしっかりしていれば、正体というタイトルがより際立ったように思える。
ラストの描かれ方に不満がありますが、演技や描写、ストーリー、テーマが良くできていて、満足できる作品でした。
タイトルなし(ネタバレ)
二十歳そこそこの若い死刑囚・鏑木慶一(横浜流星)が獄中で吐血。
搬送中の救急車から逃走した。
彼は、一家惨殺事件の犯人として死刑判決を受けていたのだ。
一家惨殺事件で彼を逮捕した刑事・又貫(山田孝之)が、逃亡した鏑木を再び追う。
逃亡・潜伏した鏑木と接した人々は、口をそろえて「殺人犯には見えない。いいひとだった」と語る・・・
といった物語。
周囲のひとびとの証言に重きをおいた『怒り』系統の映画かと思ったが、ハリソン・フォード主演の『逃亡者』寄りの映画でした。
『レ・ミゼラブル』を下敷きにした『逃亡者』を現代の日本に移し替えた映画なので基本的には娯楽映画。
序盤の大阪の飯場はやや社会派目線があって興味が惹かれましたが、以降は警察のずさんな捜査や冒頭から用いられる現在と過去のクロスカットなど、テレビ的なせせこましさを感じました。
なので、意外と底が浅く、水準作といったところ。
とこれ以上、あまり感想が出ず困った。
映画映えする横浜流星の「雪之丞変化」ならぬ「流星変化」は楽しめました。
全員の願いを希望に、そして現実に
なるほど、原作者の「映画『正体』は小説『正体』のアンサー作品」という言葉が納得。
あのどうにも気持ちのやり場のないやるせなさを、全員の願いを希望に変えて現実にしたのね。原作読んでしんどかった読者の心を救った作品になったかもしれない。
人は他人を自分が見たいようにしか見ないものだし、鏑木の鋭い観察眼と賢さから、相手が見たい信じたいと思うような人物像を演じられる才能があったなら、誰しも信用してしまうよなと思う。そもそもどこまでが演技なのかも彼の場合はわからないのもある。
最終的に鏑木が逃亡中に見せてきたどの顔も、全部が嘘だったとは思えないし、全員が信じた「自分が見た彼」もまた真実の彼。
というのが原作を読んでの私の感想。
横浜流星くん、とにかく目の演技が抜群に上手くて、お喋りは苦手そうなのに、演技になると途端に目がお喋りになるのが堪らない!
鏑木が作り上げた、彼がその場に相応しいと思う何人もの人格を、うまく演じ分けてたなとおもう。
あと森本慎太郎くんの和也うまいなーと思った。原作のイメージ通りだったな。
映像化されるにあたって、色んな作品を読んで納得いかない終わりを迎えることがあるけど、そんな時に自分ならこうなって欲しい!こうしたい!という世界を、表現を変えて作る面白さを今回でまた学んだな。
鏑木がなりたかった自分を、新しい世界で生きられると良いなと思う。
偽名で生きてるけど
ネット社会、
偽名(ハンドルネーム)で生きてるけど、
それでも、飲みに誘ってくれる友達いてるし、
なんとかやっている。
反面、実社会においては、回りは敵だらけ。
仕事は成果のみ。
相手が嫌な思いしようともお構いなし。
なんだかそんなことを考えてた。
刑事役の山田孝之さんと、
刑事部長役の松重豊さんのやりとりに、
実社会の『イヤな部分』を
まざまざと見せつけられている感じで、
どれだけ嫌気がさそうとも、
実社会からは逃げることできない。
なんだかそんな風に思って。
それでも、
相手に信じて貰えるように、
でっきるだけ正直に生きていきたい!
(でも、ネットで偽名なんだけど)
正体 「鏑木慶一の穏やかさ」
正体
「鏑木慶一の穏やかさ」
沙耶香に涙を流しながら秘密を吐露することも、
舞に動画を削除させることも、
由子さんに激しく問いただすことも、
又貫に対峙し睨みつけて恨みの一つでも言うこともない。場面場面…悉く予想を裏切られる。ドラマチックな言葉を一切使わない主人公。沙耶香との恋愛らしい恋愛も、和也との友情らしい友情も、派手な描写は何もない。身分を隠して逃亡している頭の良い若者なら、確かにこうするかも…恐ろしいほどのリアリティーを感じてどんどん引き込まれる。
終盤、泣いているつもりはなかったのに、いつのまにかめちゃくちゃ涙が流れていた。(無罪に安堵)
このリアルを追求する演技プランは監督の采配なのか、繊細な演出に拍手。100パーセント以上に応えた横浜流星さんの演技力がとても素晴らしかった。(哀しそうな表情は毎度グッときた)
森本慎太郎さんの「和也」
天性の憑依型なのか、緻密な演技プランなのか。こんなにうまい俳優にはなかなかお目にかかれないと思う。
部屋を片付け、勉強をして…鏑木慶一の影響で前を向いた「和也」主演のスピンオフ映画を観てみたい
じんわり泣いてしまった
横浜流星版「逃亡者」
最近何かと冤罪事件の報道が世間をにぎわせており、タイムリーな社会派サスペンス映画として期待して鑑賞。ところが内容はハリソン・フォード主演で30年前に映画化されたテレビドラマ「逃亡者」を彷彿とさせるようなどちらかというとエンタメ作品だった。
一応冤罪事件を扱ってはいるが特に今の日本の刑事司法手続きにおいてなぜ冤罪が生み出され続けるのか、その辺の問題点を深く掘り下げようとするものではない。いわゆるよくあるエモーショナルなサスペンスドラマである。ただ脚本がかなり粗いのであたかも昭和の時代にテレビでよく放送されていた火曜サスペンス劇場を見ているかのようであった。
何度も取り逃がした犯人が潜伏してるであろう部屋を令状なしに強引に家宅捜索したということは犯人が隠れてるという確証があったからであるにもかかわらず裏口などに警官を配備しておらずまんまと逃げられたり、それでなくとも警察の無能ぶりが韓国映画並みにやたらと目立って主人公は何度も逃げおおせることが出来たり、身元を証明できない逃亡犯がなぜか介護施設に就職できていたり、PTSDを患っていた被害者遺族が突然都合よく記憶を取り戻したり、そもそも悲鳴が聞こえただけで通りすがりの家に平気で上がり込んで犯人と間違われたり、都合よく雑誌ライターの才能があったりと、とにかく全編にわたりご都合主義が多すぎてリアリティがあまり感じられなかった。ただ、主人公がイケメンの横浜流星なだけに土地土地で美女に匿われるというご都合主義は許せる。吉岡里穂がもし逃亡犯なら無実かどうかにかかわらず匿うのは当然だろうから。
ちなみに流星君は介護施設で被害者遺族から何とか自分の無実を証明してもらうための証言を得ようとしていたけど、映画的には最後に包囲された状況でそもそも被害者遺族の目撃証言に証拠能力なんてなかったことを証明する配信をする流れにすべきだっただろう。彼が遺族にいくら聞いてもまともな返事を出来ない映像を流せば、そんな人間から警察は無理矢理証言を誘導したということで証拠能力は否定されることになる。それで再審請求も認められるだろう。
先日亡くなった木谷明弁護士は裁判官時代に多くの無罪判決を出した。無罪判決を書くのは裁判官にとっては大変なことだ。検察側の主張を覆すには手間もかかるし、そもそもが常に多くの事件を抱えてる裁判官は事務的に事件を処理したいがために検察の主張のままに有罪判決を書いてしまうのだという。また検察の主張を争うものなら検察組織からの圧力も受けるのだという。それでも木谷氏は検察側の主張に疑問を抱けば十分に審議を重ねて有罪の主張を覆してきた。このような裁判官は日本では稀有な存在だそうだ。まずこのように自分の信念のもとで判決を書くとするなら自分の生活を犠牲にするほどの覚悟がいる。それだけ裁判官は忙しいから一つ一つに事件に構ってはいられないのだ。そしてそれが冤罪を生む温床にもなっている。検察側の証拠捏造などは言語道断だがそれをチェックする機能を裁判所も果たせていない。だから冤罪はこの21世紀になっても一向に減ることはない。
流星君が語ったこの社会を信じたいという言葉が現実の社会に届くことはあるんだろうか。
冤罪ファンタジーとして観れば良作
鑑賞直後は各俳優の素晴らしい演技とこの映画のために作られた主題歌も相まって、身震いしました。
しかし、鑑賞中感じていた設定の粗さがどうしても受け入れられず、否となります。
横浜流星演じる鏑木が逮捕されてから死刑判決を受けるまでの設定がずさんであり、観客が本作を観て「警察ってこんな風に冤罪を作るのか」と、何気なく、割と本気で思ってしまうのではないかと心配になっていると、実際そのような感想を映画批評サイトに書かれる方がいて失笑してしまいました。
また、松重豊演じる刑事部長が、「ボクが考えたワルいケイサツ・コッカケンリョク」と言わんばかりのステレオタイプのものであり、冤罪でも良いから犯罪抑止のために鏑木を死刑にしたいというのは無理があるように思えます。
原作あとがきでは、冤罪が起きる原因を「高度な政治判断(わざわざ横に点を打って強調している)」であると断定している旨の文章がありますが、映画パンフに書かれていたインタビュー記事には、原作を書くにあたって冤罪事件に関する資料を読んだと言います。
しかし、捜査書類は一般人が読めませんので報道発表されたものや週刊誌などの情報しか読めないと思うのですが、それらを読んで「高度な政治判断」が冤罪の原因であると決めつけるのは、スマホ検索で世界の陰謀論を信じ込む人と同等では?と思います。
作中の指摘部分は数多く、
鏑木の逃亡・潜伏がスムーズに成功してる、事件現場にてDNA資料がたくさん残されているはず(足利が鼻水ダラダラ、髪ボサボサのフケまみれ)、鏑木に対して凶器の入手経路・殺人の動機を詳しく描いていない、錯乱後に憔悴仕切った被害者遺族の目撃証言がなぜか証拠として最重要視される(なんなら鏑木もなぜか重要視する、普通は物的証拠優先では?)、ガバガバな捜査結果がなぜか検察を通って(送致できて)裁判でも通る(検察、裁判所が機能してない)、労働基準監督署を今まで知らずいきなり検索しだす肉体労働者達(肉体労働なめんな!馬鹿にし過ぎ!)、高度な政治判断で冤罪を作り出せるのに被害者遺族の居場所が把握できない警察、自称セキュリティーの高い介護施設にスルッと就職できる鏑木、長野県で現場指揮を取る警視庁の又貫(警視庁の管轄は東京都)、山田杏奈演じる酒井舞のライブ配信が一瞬で日本中に視聴される(有名配信者かな?)、生きたいと願ったのに殺されるリスク承知で刃物を警察に向けて突進する鏑木
などなどキリがありません。
また、本作は「冤罪」というテーマに加えて「人を信じる」というテーマもあるように思いますが、冤罪と人を信じることは別問題です。
吉岡里帆演じる安藤沙耶香の父が痴漢の冤罪で一審有罪となりますが、作中では痴漢の状況については描かれないため、実際のところ父が冤罪かどうかは誰にもわかりません。
何の根拠もなく、「娘が父を信じているから無罪!」、「みんなが鏑木を信じているから無罪!」と主張しているようにも見え、とても危険な描き方です。
別の男(痴漢の真犯人)が痴漢をしているシーンでもあれば安心して観れるのに、それがないため、鏑木のために再捜査の署名活動する「痴漢したかもしれない」父の姿には気持ち悪さや違和感を覚えます。
そして最大の問題点が、「目撃者の証言を信じた」ことが原因で冤罪となり、目撃者の証言が覆ったことで冤罪が晴れるというのは、最初から「目撃者を信じてはいけない(=人を信じてはいけない)」と、本作が物語っており、「人を信じる(大切さ)」というテーマを自ら否定している作品だと思います。
無能で傲慢な警察・司法、無知な肉体労働者、人柄と見た目だけで無実だと信じる人々など、原作者と監督にはこのように世界が見えているのかなと思うと非常に残念であり、この人達とは友達になりたくないと思いました。
本作パンフレットに書かれていたエンドロールの「取材協力」には警察・司法関係はなく、せいぜい「名古屋拘置所」しかないため、本作の設定の粗さは考証をまったく気にしない「某警察ファンタジー」シリーズの君塚良一を彷彿させ、本作は「冤罪ファンタジー」と言えます。
しかし、各俳優の演技は本当に素晴らしく、ファンタジーとして観れば良作です。
原作のあとがきにて、作者は本作をエンタメ本、娯楽本だと明言しており、冤罪というテーマを軽々しくエンタメ化した小説・映画を作り、意図は無いとしても観客に対してファンタジーを現実と信じ込ませる奴らこそ大罪人であり、私は映画「イコライザーFinal」のマッコールさんのように、TBS(本作)とフジテレビ(踊る大捜査線)に対して「nine seconds(9秒だ)」と囁くのでした・・・(イコライザー4&5制作決定おめでとうございます!!)。
正体
無駄のない構成
全体のテンポ感がいい
クライマックスまで駆け上がり、最後の演出
最後の判決の演出は素晴らしい
無罪だと分かっているものの、その表情から、え?もしかしてと思わされ、抜けで静かに湧き起こる拍手
震えました
刑務所の管轄は?
めちゃくちゃ良かった。
原作は知りませんし亀梨くんのドラマ版もこちらの劇場版を見るまではあえて見ないようにしました。
最初から後半の方まで作品全体を通して緊迫感、緊張感が漂いずっと見ていて引き込まれました。
話もサクサクと進んでいくので見ていてダレることもないし、良くも悪くも大衆向けなとても見やすい作品だと思います。
シーンによっては橋から川に飛び込んであれだけ騒がれた状況でそこからどうやって逃げ切れんだよ?と、ちょっとツッコミたくなる無理のあるところもありましたがそれも横浜流星さんの演技力がカバーしてくれています。
その他の演者さんも間違いない方々なので作品の良さを引き出してるのは間違いなくストーリーどうこうってよりは演者の方々の力が大きいと思います。
横浜さんは以前、広瀬すずにDVだか性暴力する役をしててその演技力の高さを知りましたが今回も逃亡者としての役柄、逃走シーンの逃げ方など見ていて改めて良い役者さんだなと思いました。
個人的にはゴールデンカムイのアシリパさんが普通の今どきの女の子役で出ていて、この方はアシリパさんの役でしか見たことなかったので見ていてとても新鮮でした。
あとは松重豊さんも珍しく非道なクソ幹部みたいな悪者を演じていたのも新鮮でした。
あと地面師のあのおじいさんが出てきたのも良かったですね(笑)
この作品自体、何か実話を元に作られてるのかはわかりませんが作中にあるようにさっさと事件を終わらせたいからあいつが犯人でいいだろと決めつけられてしまっている事件が世の中にはおそらくあるのだろうなと思いますし、本当にそんなことが自分の身に降りかかってきたら恐ろしい話だと感じました。
最近見た2024年後半の邦画の中では個人的にはだいぶ良かった作品だったと思います。
オススメです。
本当の姿を隠して、ある目的のために逃走を続ける死刑囚の男。運命に抗い続けた先に待っているのは希望か絶望か。冤罪事件を素材に描かれる人間ドラマの秀作です。
藤井監督の作品と知りまして、久しぶりに観ようかなと。
藤井監督作品を劇場で観るのは「新聞記者」以来かと思ったら
「青春18」もそうでした。 …・_・; あらら
「新聞記者」と「青春18」の2作品、作品から受けるイメージが
違うなぁ と今更ながら思ったワケですが、さてこの作品はどん
な作品なのでしょうか。サスペンスドラマと紹介されていました
が、はて その正体は。…というわけで ・_・; 行ってきました。
さあ鑑賞開始。
刑務所か拘置所?の中。刃物のようなモノを口に銜える男。
体を震わせながらも、口の中で刃物を動かす。…痛そう*△*
やがて見回りの看守の耳に、うめき声が聞こえる。
” …? ”
声のした部屋を覗くと、床に倒れて血を吐いた男の姿。
”!! ”
病院に搬送される途中、隙をみて車内に同行した刑務官に襲いか
かる男。車内で揉み合いの末、男は救急車から逃走する。
その男が主人公、鏑木慶一(横浜流星)。
3年前、東京での惨殺事件の犯人として逮捕され、死刑判決を受け
ていた。彼には死刑執行をただ待って居られない理由があった。
逃走した鏑木の行方はしれず、警察は面目を失う。大失態だ。
懸命の捜査の目をかいくぐった鏑木、数日後に大阪にいた。
大規模な建設工事現場に、働く鏑木の姿が。
単なる潜伏なのか。それとも他に目的があるのか。
淡々と日々の作業をこなしている鏑木だったが、作業中の事故で
足をケガした同僚のため現場責任者と法律の知識を武器に慰謝料
の交渉をしたりもしている。良い奴だ。
ケガをした若い男(野々村和也)とは、俺がトモダチになってや
る と、徐々に親交が深くなる気配もあったのだが…
警察が目撃情報に懸賞金をかける中、マスコミの報道も執拗だ。
ある日、TV放送の中で伝えられた「鏑木の特徴」を知った和也。
目の前の男(=工事現場ではベンゾーと呼ばれている)が鏑木に
酷似していることに気付いてしまう。 …あら
トイレに行くと言って鏑木の前から離れた和也。
混乱する頭と震える指で、スマホのボタンを押していた。
” イチ ・イチ ・ゼロ ”
ふと顔をあげると、視線の先に鏑木の姿。こちらを見つめている。
何か言わないと…。焦るだけで言葉にならない。大量の汗。
作業を終えて戻ってきた作業員たちの姿に紛れて、鏑木の姿は
見えなくなっていた。…放心状態の和也。
こうして鏑木は、和也の前からいなくなった。
次に姿をあらわした鏑木の姿は、東京に現れる。
フリーのライターとして出版社からの依頼で原稿を書いていた。
そこで出会ったのは…
◇
といった感じで
ある場所で何らかの目的をもっているかのような行動をみせる鏑木
が、そこで接触する人たちとのささやかな交流を図りながらも、
「自分が殺人犯」と知られてしまい、逃走を繰り返していく姿が描
かれます。
その描かれる内容を通して、次第に鏑木の過去や、事件の真相に迫
っていく展開なのですが、「信頼」と「不信」の間を行き来する鏑木
の心理と行動の描写は見応えがありました。
冤罪事件をテーマに描いた「社会派ヒューマン・ドラマ」の秀作。
着地点が不幸なエンディングではありませんようにと祈りながら
鑑賞した甲斐がありました。
観て良かった。・_・
(※原作では違う終わり方みたいです…。パンフを見て知りました)
◇
それにしても、登場人物の人物描写が素晴らしいです。
鏑木が逃走中に出会い関わる3名も
自分を逮捕し、今回も捜索に関わる刑事も
週刊誌?の編集部のひとたちも
無実を信じ続ける施設の寮母さんも
登場した全員の好演に拍手☆ です。・-・/□
◇あれこれ
■導入部によるミスリード感
主人公に対してやたら「怪しい奴」のイメージを印象づけようと
する導入部が、鑑賞後に振り返ると違和感も感じまして。
「正体不明」で「行動の意味・目的不明」であっても、「危険な奴」
では無かったかな と。
「髪が伸び放題で髭面」 ⇒ 放っとけば伸びるので…
「髭を剃って髪を染める」 ⇒ ヒゲが無くなると人相も変わる
「髪を切って眉を細く」 ⇒ 長髪→短髪で優しそうな雰囲気に
思うに、出来る範囲で「自分の人相画像」から離れようとしたという
ことなのかな と。 ・_・フム
最初、「二十面相」みたいな怪しいヤツの話かと思ってしまいました。
見事にミスリードされた気がします。
■SNSの功罪
SNSで世論も味方になる場合の心強さ と
SNSで個人情報が一瞬で拡散する怖さ の
両方を改めて突きつけられたように感じます。
何気なく撮影した一枚の写真。
そこに写った情報から、被写体の個人情報やどこにいるのかまで
分かってしまうのって、とてもコワイ気がします。・_・;
認知症の行方不明者の捜索を、防犯カメラの画像やAIを駆使して
出来るようになるなら、プラスの活用の仕方もありそうですが。
使い方・考え方ひとつが難しいです。
■山田杏奈さん
このところ、アシリパさんで見慣れていたもので
現代劇の女性役に違和感を感じてしまいました…。・_・;スイマセン
■ハンバーグ
「兄弟が多くて、料理を作っていたので」だから得意なのだと。
そう沙耶香(吉岡里帆)に説明していました。
施設の子供たちが、彼にとっては兄弟だったのでしょう。
面倒見が良さそうな感じがします。
■「正体」の言葉から連想(…蛇足です。読み飛ばして下さい)
昭和のTV番組に「ダイヤモンド・アイ」というのがありました。
特撮ヒーローものです。・-・ 内容はシンプル。
ダイヤモンドアイが悪いヤツ(前世魔人!)と戦って倒すのですが
敵を倒す際にお決まりの会話がありまして…
ダ ” 汝の正体見たり 前世魔人ワレアタマ!” ←こんな名前の敵も
魔 ” バレたか~ ”
…なんといいますか。ゆるいという。ぬるいというか。
イタズラ現場を見つかった中学生か といった感じのこの会話。
これがとても好きで、毎回観てました。@_@
見覚えある方、いらっしゃいますか? (…いなそう)
◇最後に
再審の判決言い渡しの場面。
「主文」の後が無音正になり、鏑木の表情が中々変化しない中
後ろの席にいる人たちの手が拍手へと変わっていく。
この場面が印象的でした。
とても雄弁に、結果を伝えるサイレントシーンかなと思います。
※それはそうと。父さんの再審請求しないのですか?沙耶香さん
⇒ 痴漢冤罪・_・;
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
傑作。字幕つけて世界へGo!!!
意外性ゼロ
原作未読だけど、「正体」ってタイトルほどの何もない。
●要は冤罪を晴らしたいだけの主人公。どんでん返しも何も無い。
逃げた理由が「信じたかった」って、なんじゃそりゃ?
そもそも普通の高校生がこんなこと出来るもんなの?聖人ぽいのもムリ過ぎる。
そもそもこの人の家族は何してるんだろう?人物が不明過ぎてワケわからない。
●逮捕されたシチューエーションもムリすぎる。何でまわりが田んぼのあんな田舎の家に都合よく警官が来るの?誰か通報したのか?他人の家にいきなり入るのも、あんな血まみれの屋内に入って人に刺さった鎌を抜くのも変すぎる。
●警察無能すぎる。状況証拠だけで殺人罪に持っていけるわけない。真犯人も穴だらけなんだから足跡とか残ってるとしか考えられない。
中盤のマンションの逃走劇もアホ過ぎる。普通、別班で裏口固めるし、街中の用水路に飛び込むだけで逃げ切れるわけない。
●関わる人間のエピソードが薄すぎて、冤罪を訴える味方になる展開が変過ぎる。
2万円くれた、見ず知らずの男と同棲した、職場の同僚がイケメンだった…など。
●目撃者のおばさんに「思い出してください!」とか。何してんの?この人?
あげくにナイフで人を脅して(るように見られて)、それで得た証言なんて採用されるわけないやん。
原作知らないけど、薄い内容を無理くりに進めてるとしか思えない。
全738件中、281~300件目を表示