「さすが、映画賞を受賞するだけあって、構成やテンポ、役者の演技など、...」正体 くまねこさんの映画レビュー(感想・評価)
さすが、映画賞を受賞するだけあって、構成やテンポ、役者の演技など、...
さすが、映画賞を受賞するだけあって、構成やテンポ、役者の演技など、非の打ち所がない。でも、やっぱり鏑木を演じた横浜流星に尽きる。
自分はやってない。そのことを証明するために脱獄し、キーパーソンへの接触を試みる行動力と信念を、ポーカーフェイスから感情むき出しの場面まで、確かな表現力で見せてくれました。
鏑木に絡む3人も、それぞれの視点で見ているけど、一貫しているのは、彼がそんな事をする人ではないという信頼。
満点でないのは、事の発端である「冤罪」の発生根拠が薄いこと。
あれだけ凄惨に血が飛び散った現場から真犯人がその場を立ち去る際、家の中にも外にもゲソコンは残っていただろうし、鎌を抜いた直後に踏み込んだ警察がいるなら、その前後で真犯人らしき不審人物を見ているはず。
また、当時高校生の鏑木が一家を殺害する動機がない。
作品の中で、スマホやLINEらしきものを使っている点からも、裁判員制度の中で裁かれているはずで、いくら警察が証拠を隠蔽・捏造したとしても、本人が強く否定している点からも有罪にまで持っていくには難しいと思うのでは?
ラストは報われるラストでよかった。判決の演出もよかったです。
ヨルシカの曲も、優しい歌声で癒やされました。
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