劇場公開日 2024年11月29日

「良い映画だと思います」正体 やあやあさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0良い映画だと思います

2024年12月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

興奮

クリスマスイブイブの今日。
映画を観よう!っと思い立ち、高評価に惹かれて今更ながらの鑑賞。もちろん原作未読。
横浜流星さんはかろうじて顔と名前が一致する程度の認識で、きれいな顔立ちのタレントさん、くらいの知識だったのだけど、いやどうしてどうして。演技派俳優さんなんですね。おみそれしました。
いい映画でした。
冤罪をかけられた青年が、警察で何を言っても信じてもらえないと悟り、一縷の望みを託して脱走する。
大阪・東京・長野と変装しつつ潜伏先で携わる人たちは、彼が指名手配中の殺人犯と分かってからも彼を「信じて」、自分の力で冤罪を晴らしたい彼の目的に手を貸す・・・
令和の現在、まさかあんな杜撰な捜査はなされていないでしょうが、長年の冤罪は今年に入ってからもニュースで騒がれていたし、本当に重いテーマです。
そして、いいストーリーでした。
それまでの人生ほぼ養護施設と刑務所の中で終始した主人公が、様々な人と関わって“生まれて初めて”を積み重ねる中で顔つきや佇まいも成長していくこと。
関わった人たちも、法の裁きよりも彼を、というより自分の目を信じるようになること。
山田孝之の葛藤を抱えた板挟み刑事もぐっときました。(正しいことをしたかったら偉くなれ~と、以前どこかの刑事が言っていたような)
途中、一家惨殺やら血まみれの斧やら、クリスマスイブイブに一人で見る映画じゃなかったかと後悔もしましたが、ラスト10分で回収。満ち足りた気持ちで終えられました。
レビューを読むと、原作のラストは違うようですね。
でも、私はこの映画版で良かったと思う。
やっぱりハッピーエンドが一番なのだよ。いや、コテコテのハッピーエンゃなくても観終わった後の余韻が良いものであればそれが何よりだと思うようになりました。

以下、ひねくれ雑感。
〇現実的にみると捜査も逃走劇も突っ込みどころ満載で、今作のメインテーマはそこじゃないから全部すっぱり捨てて観てましたが、リアリティーを追求すると気になります。
〇最近こういう業界モノで思うのですが、例えば警察の監修なんかはどの程度入るのでしょうか。フィクションだから全面的に目をつぶるのか、松重豊のキャラに文句は来ないのか。
〇鏑木のキャラは横浜流星的な人でなくても成り立つのだろうか。すなわちずんぐりむっくりモテナイキャラでもこのストーリー展開は成立するのか?でなければ、このラストはイケメンだけが実現可能というミもフタもない話になってしまうのだけど、いやそんなことない真実の前に人は平等だと思おう。今日はクリスマスイブイブだもの。

やあやあ