「良かったな、鏑木少年!」正体 世界のメガネさんの映画レビュー(感想・評価)
良かったな、鏑木少年!
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原作は未読で、ドラマは観てました。主人公の優しさや悲しみは知っていたので、途中から「鏑木~っ」と心中で呟いては泣いていました。
しかし、どうしてもドラマと比較しながら観てしまいます。
映画冒頭の脱獄シーンは良かったのですが、ドラマ版には無かった追う刑事の視点を入れることで、客観的な視点が生まれ、逃亡犯である主人公の心情描写が薄れた気がします。逃亡生活の出来事や人間関係も、もっと観たかったです。映画の尺で考えると仕方なかったのかもしれませんが、刑事視点を削ってでも観たかったです。
飯場で生まれた同僚との信頼関係も、少し時間が足りなかったかなという印象です。短時間なら、もっと職場の社員が悪いヤツで、鏑木が身体はって仲間を守って欲しかった。
次のライターパートでは、より彼女を支える存在で、彼女が彼がいつかいなくなってしまう寂しさにさいなまれるようなシーンが欲しかった。
特に残念だったのは、水産会社のパートです。なぜ、鏑木が水産会社に潜り込んだのか。ドラマ版では次第に鏑木の意図が分かるようになっていて、ただ逃げるだけではなく、冤罪をはらそうとしていることがハッキリと分かって面白さにゾクゾクとしたものです。それに続く老人ホームパートでも、見舞いに来る妹に姿がバレないかハラハラするシーンが楽しかったです。
もしかすると、頭の中で勝手にドラマ版をブラッシュアップしてるのかもしれませんが、映画版も面白かったに違いなく、比較して色々考える贅沢な時間をもらったんだと思います!
次は原作を読んでみたいです!
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