劇場公開日 2024年11月29日

「ハッピーエンドでめでたしめでたし」正体 ゆみありさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ハッピーエンドでめでたしめでたし

2024年12月18日
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鑑賞方法:映画館

単純

恵まれない生い立ちの幸薄い男が主人公の映画は感情移入しやすく、ハッピーエンドの結末と相俟ってそれなりに楽しむことはできた。しかし…。これほどひどい冤罪起こり得るのか。映画の中でも取り上げられていたが動機はないし主人公鏑木に非行歴もない(どころか至って善良でおまけに文武両道の高校生)。動機なき犯罪、普段善良な人間の突然の凶行なんて話もあるかもしれないが、精神鑑定やら何やら捜査は慎重に進められる筈。日本の警察酷すぎません?見る側の怒りを増幅させるために警察を理不尽なくらいに愚鈍に、そして主人公を"完全に善良でおまけに優秀でイケメン"な若者にしたのだろうが(日本映画にありがちな設定)その分薄っぺらぺらになってしまった。原作者が国家権力と冤罪に関して語っていると知って、申し訳ないが不快になってしまった。ただのエンターテイメントだというのならば、まだ許せるが、そういう思いがあるならもう少し真面目にストーリーを練って欲しかった。死刑があんなにすぐに確定するわけがない。あり得ない。すべてがあまりに子供騙しじゃないか。(この高評価の方が気になってしまう。ホントか?)
「信じられる人(信じてくれる)を見つけたかった」という幸薄い生い立ちの鏑木の口から最後に明かされる逃亡理由にはとりあえず心打たれたが(?)。
若年層向けの映画に間違って足を運んだって感じかな。

ゆみあり