劇場公開日 2024年11月29日

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「「逃亡者」や実話逃亡事件をモチーフとしている」正体 福山雅治さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 「逃亡者」や実話逃亡事件をモチーフとしている

2024年12月16日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

難しい

二重を一重にしたりと、有名なあの逃亡事件、市橋容疑者をテーマに扱っている作品であった。
主人公は逃亡先で姿を変えて、人々たちと営みを経るうちに人間として成長していく。
ハリウッド映画「逃亡者」も監督は参考にしているが、映像美にこだわっているシーンが見受けられる。
そのためインスタ映えが映画の中で重要なキーとなったり、美しい被写体として、横浜流星を登用したと察しがつく。
監督はストーリーだけでなく、インスタ映えもこの作品に織り込んでいる。
単なる逃亡映画ではなく、あらゆる映画作品や実話を埋め込み、インスタという風刺までも絡めてしまう。
中山美穂の「ラブレター」という映画を見た人ならば、作品を見ていて思い出しただろう。

ラブレターを介して、人々が紡ぎだすストーリー、そして、きれいな雪景色を。

さらに、映画マニアの人なら電子メールをテーマにした深津絵里「ハル」を連想したのではなかろうか?映画は時代を切り取る一部だから、その時代の映画を覗くことによって、数世代先の人間が他の時代を知ることができるのだ。

監督は日本大学の映画学科出身だけによく映画を研究されていると理解できた。
この作品が横浜流星の魅力を引き出しただけではなく、数々の名作を取り入れつつ、昇華されていく過程を知ると二度、三度見る価値があるであろう。
私が書いた作品を見てから、もう一度、見ると情景が重なるはずだ。

なるたん