「目的にまっすぐに生きる」正体 プライアさんの映画レビュー(感想・評価)
目的にまっすぐに生きる
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民家に侵入して3人惨殺した罪で死刑囚となった横浜。
ある日自殺未遂を起こし救急搬送、その道中で脱走する。
まずは住み込みで工場で働き、同僚の森本と親しくなるが、
脱獄犯と気付いた森本が通報、横浜は一足先に逃亡。
優等生だった横浜には文才があり、ライターになる。
やがて記者の里帆の口利きでその出版社の専属となる。
さらに里帆は宿無しなことを知り居候までさせてくれる。
やがて第三者の通報により警察に踏み込まれるが、
里帆が身を挺して刑事を妨害、またも横浜は逃亡に成功。
時が経ち、横浜は長野の介護施設で働いてた。
そこには一家惨殺事件の唯一の生き残りのオバちゃんがいた。
PTSDになってたが、横浜は親身になって介護する。
実は横浜は無実で、事件後に被害者を助けようとしただけ。
当時オバちゃんは真犯人の顔を見たが、心神喪失しており、
警察は強引な事情聴取で横浜を犯人に仕立て上げた。
なのでオバちゃんに記憶を取り戻してもらうために、
横浜は脱獄して金を作って長野まで来たのだった。
ただその施設も警察に包囲され、横浜は立てこもる。
そしてそこにいた後輩の杏奈に生配信をしてもらう。
ついにオバが記憶を取り戻しかけた時に警察が突入、逮捕。
ただ一連の件で、無実の可能性を世間に示すことはできた。
森本・里帆・杏奈らが行動を起こしてくれたこともあって、
警察は再捜査せざるを得なくなり、無実が証明される。
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いやー、これは面白かったなあ。
無実を晴らす唯一の方法と言える脱獄までして、
その一途な思いが報われることに感動した。
やっぱり人間、最後にモノを言うのは人間性なんよな。
横浜くん自身が素朴で浮ついたところのない印象なので、
まさにハマり役やと思った。共感して何度も泣いた。
収監されたのが18歳とかなので、彼は世の中を知らない。
しかも孤児だったか何だかで、施設で育った苦労人。
酒を飲んだこともなく、焼き鳥を食べたこともない。
だから酒を飲んで寝てしまったり、吐いてしまったり。
また働いたことも人や社会から信頼されたこともない。
だからちょっと信じてもらえただけで思わず涙ぐむ。
警察は杜撰な捜査で、こんな純朴な青年の人生を奪った。
ってか刑事部長の松重が犯人に仕立て上げたようなもの。
事件を手っ取り早く終わらせるために。最悪。
検挙さえできれば、それが真犯人がなくてもいい・・・
そんなことも抜かしてやがったな、この最低野郎は。
今回の松重豊さんの役は、ホンマにええとこなかった。
でもそれ以上なのが駿河太郎さん演じる社長。
パワハラ三昧、ってかふつーに暴力奮いまくり。
こんな糞野郎、今の時代いねーよってほどに最低過ぎ。
こんな役に名のある役者さん使わんでええんちゃう?w
あと気になってしまったのやが、里帆って無罪なの?
脱獄犯を匿ったうえ、逃亡の手助けまでしてる。
ってか里帆が邪魔しなければ警察は確実に逮捕できてた。
恋愛関係でもないのにそんな暴挙に出る男前な里帆。
それを呼び込んでるのは横浜の人柄と才能。
つくづく人間、最後は人間性なんよな~。