「素晴らしい映像、無理めなプロット」正体 LittleTitanさんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしい映像、無理めなプロット
亀梨和也が主演したWドラマ(2022)がイマイチだったので、映画も鑑賞を迷ったが、trailerがあまりに魅力的で映画の日に鑑賞。キャストの好演、メイク・美術の完成度、印象的なシーンも複数あり、映像作品としてのクオリティは高い。ただ主人公には、正当化しにくい振る舞いも目立った。
⭐️
(1) 序盤の暴力的な逃亡劇
自身の無実を誰にも信じてもらえない状況から逃げたい気持ちは分かる。物語上も、逃げてなければ死刑が執行される可能性もあった。ただ、逃げる事は自体が犯罪。しかも、複数の医療関係者や刑務官を気絶させなければ、あの状況での逃亡は無理。空手家且つボクサーの横浜流星なら造作も無さそうだけど、明らかな暴行罪。罪を犯さずに、無実を訴えられなかったのか?
🌙
(2)人に刃物向け過ぎ
中盤でも終盤でも、逮捕しようとする警官に包丁等の刃物を向けて振り回す。あくまで威嚇で、刺す気はなかったとしても、刃物を向けられた側は強い暴力性を感じる。逃亡時に向ける警官への「殺意」が、主人公への疑惑を強めた印象がある。
🌖
(3) 禁忌を破り過ぎな発見者
終盤で主人公は、悲鳴を聞いて殺人現場に立ち入った目撃者(発見者)に過ぎないと分かる。ただこの場面も疑問符が多い。まず、悲鳴を聞いたとて、見ず知らずの家に踏み入る高校生いる? 仮に家に立ち入っても、血まみれの犯罪現場に遭遇したら、現場を保全しなきゃいかんと思わへん? 捜査経験は無くとも、「名探偵コナン」ぐらい観たことあるっしょ。苦しむ生存者が居ても、医療従事者でなければ、すべきは救急車を呼ぶ事。背中に刺さった鎌(凶器)を引き抜いたら、出血が止まらなくなり、死期を早める事があるのくらい知らないか?
とにかく、発見者がやってはいけない禁忌を犯しまくり。無論、警察がちゃんと検証していれば、誤認逮捕はなかった気もするが…