「藤井道人流のドラマチックな演出」正体 bionさんの映画レビュー(感想・評価)
藤井道人流のドラマチックな演出
このスリリングな逃走劇は、ハリソン・フォード『逃亡者』を思い出す。
事件への疑念を捨てきれずにいる刑事と未来への希望を捨てきれずにいる死刑囚。藤井道人流のドラマチックな演出で物語をドライブする。観賞後に疑問に感じることは湧き上がってくるが、鏑木や彼を信じる人たちの気持ちに引きずられるように没入してしまう。
『地面師たち』のあの老人が出てることに、まず気づく。そして、駿河太郎の憎まれ演技は、『十一人の賊軍』に続いて、いい仕事してる。
この猟奇犯は、作りすぎのきらいはあるが、現に冤罪は起きているわけだから、鏑木事件が起こらないとは限らない。
真相よりも面子を優先する警察は、どこかの県議会と似てる。そんなことも考えさせられる作品でございます。
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